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《クリスマスリース飾ってコタツに入り、チェスをしろ!》『GO』を鑑賞。



2001年公開、原作は『フライ、ダディ、フライ』でも知られる金城一紀、脚本は"クドカン”こと宮藤官九郎、主演はインスタのストーリーがちょっと怖い窪塚洋介、ヒロイン役は柴咲コウ、そして『世界の中心で愛を叫ぶ』でも有名な行定勲が監督の映画、『GO』を観た感想をつらつらと述べていきます。

あらすじはほどほどに、感想のみ述べていきます。ネタバレ無しで、「鑑賞後はこんな感じになるのね~~」という視点から読んでいただければと 。


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※今回の記事では、在日朝鮮人の方を示す強い表現を含みますが、筆者はあくまでフラットな立場で感想を述べます。

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あらすじ

名前ってなに?
バラと呼んでいる花を
別の名前にしてみても美しい香りはそのまま        

   —「ロミオとジュリエット」シェイクスピア

この映画は、”名前を付けられた人間たち”が、社会の不条理に抗う姿を描いた青春物語です。

主人公(窪塚洋介)の名前は“杉原”。高校3年生。あだ名は"クルパー”。

彼には、2人の悪ガキ仲間(新井浩文、山本太郎)と、1人の尊敬する友人(細山田隆人)がいます。主人公を含めた彼ら4人は、"在日朝鮮人"と呼ばれる人たちです。

ある日、喧嘩がきっかけで知り合った同級生の招待で、彼の誕生日パーティーへ行くことになります。

騒がしいパーティ会場に入るや否や、彼はイヤホンで耳に蓋をし、立川志らくの落語を聴きながら、読書を始めてしまいます。(なんで来たんや)

しばらく退屈そうに座っていると、階段から一人の美少女が下りてきます。(柴咲コウ)

杉原は彼女に言われるがまま、パーティ会場を抜け出して行くのでした。

こんな感じで物語は始まります。


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感想1/3・・・・"小道具で物語を表現する”フェチ


はじめまして。"小道具で物語を表現する”フェチの者です。

この映画のポスターには、

「国境線なんて、俺が消してやるよ(イケボ)」

って書いてありますよね。

実はあるシーンにて、この決め台詞を表現する演出があるんですよ~。
わしそのシーン大好きぃ。(ニチャア)

セリフで刺しに行くシーンも好きだし、演出で刺しに来るシーンも好き。

ちなみに私が一番好きな映画監督のアキ・カウリスマキさんは、

①セリフ刺し
②演出刺し
③小道具刺し
④音楽刺し


まさに全ての刺し技の産みの親です。超おすすめ。

この映画の場合、①と③が楽しめます。ちなみに②についてもある意味上手く使ってて僕は好きです。(学校で柴咲コウが文句たれるところ)

▼映画のポスター

画像2

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感想2/3・・・・この映画がすごいのは「あ、やっぱり青春エンターテイメントで!」ってなれるとこ。


みなさんも薄々気づいてるとおもいますが、この映画のテーマは重いです

でもところどころに「クスッ」とするシーンがちりばめられてて、見終わった後には、台風が過ぎた後みたいなあったかくて晴れ晴れとした気持ちがいい感じになれるんですよね~~~。

こないだ観た『リリィ・シュシュのすべて』は思春期特有のグロさと残酷さがすごかったわけですが、本作『GO』はある意味対局。見終わった後のすがすがしさがある。その点は『フライ・ダディ・フライ』でもそうだったから、もしかしたら行定勲監督の特徴なのかもしれないなぁ。

それにしても宮藤官九郎、岩井俊二、などなど。

同じ宮城県民として誇り高い!!!

そいえば去年くらいの「仙台七夕まつり」のパンフレットがすごいよかったんですけど、来年のパンフレットには彼らも載っけてほしいなと思う。

▼これがそれ

画像1


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感想3/3・・・・受け継がれる「憎しみ」と「恐怖」


日本には、代々受け継がれる「憎しみ」と「恐怖」があります。

その一つが、北朝鮮という国です。

筆者のような20代の若者にとって、記憶がつき始めた頃にはすでに「北朝鮮とは恐ろしい国だ!」というイメージが一般的なものでした。

赤ん坊が自然と言語を習得するように、私たちは当たり前のように「北朝鮮はおそろしい国だ!」あるいは「朝鮮人は汚らわしい!」というイメージを持つようになります。

「憎しみ」や「恐怖」は、もともとは何かに対する愛だったり、自分の大切なものを守りたいという想いからくるものだし、それ自体は尊いものだと思います。


しかし、果たして、今の私たちにとって、朝鮮人を憎んだり恐れたりする必要が、一体どのくらい必要なのでしょうか?

私には拉致被害を受けた被害者の気持ちは想像できませんし、その人たちが朝鮮人を憎む気持ちが間違っているとも思いません。

しかし、憎しみは誰かの心から消すことはできなくても、受け継がせないという選択をする権利は誰にでもあります。

私はこの映画をみて、自分には憎しみを受け継がせないという選択があるんだなと、再認識することできました。





あれ。。

最後もしかして、良いこと言った???



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