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便秘は「ヨーグルトでは治りません!」

 こんにちは。あさ出版noteにお越しいただき、ありがとうございます。
今回は、5月に発売となった「便秘の神様」より、第一章の全文公開をお届けします。毎日ヨーグルトを食べている方、必見の内容です。

便秘に悩む人必見「ヨーグルトでは治りません!」


 未華子さんは28歳で、いずれ起業を目指す英会話教室の先生。
土日出勤や遅番の日もあったりして、自分のライフスタイルに合わせた働き方をしたいんだとか。
 教えることや生徒が成長するのを感じられるのはとても楽しくてやりがいを持っているけれど、会社という組織に属していることに窮屈さを感じ始めている様子。
遅番明けの日は、必ずと言っていいほど朝お通じが来ないとのこと。どうやら仕事と便秘の関連がありそうです。

今日は今度のレッスンで作る『甘酒ヨーグルト』の試作をしているところ。未華子ちゃんにもこれが〝食の処方箋〟となりそうなので、飲んでもらおうかしら。さあ、未華子さんがいらっしゃいました。お話を聞いてみましょうか。

多江 :未華子ちゃん、イタリア以来ね。元気だった?
未華子:はい、とっても! ベンソルーのおかげで心の目詰まりが本当に軽くなりました。その節はありがとうございました。
多江 :未華子ちゃんはお勤めなのよね? 平日でもお休み取れるの?
未華子:今日は代休で。英会話教室の講師をしているんですが、土曜日が出勤日だったので、今日はお休みだったんです。
多江 :そうでしたか。平日お休み取れるのって、ちょっと嬉しいですよね。

未華子:だけど実は、今の仕事を辞めて独立したいと思っているんです。今の仕事は大好きなんですけど、土日出勤があったり遅番もあったり、組織の中で働くことの窮屈さも感じています……恋人の賢二と同棲中で、結婚も考えているので、働き方を見直したいなと思っているんです。
多江 :そうだったんだ。結婚するのに、今の職場では難しいということ?
未華子:うーん、賢二は土日休みだから休みの日が合わないのと、わたしが遅番の日はわたしの方が帰りが遅くって。早くごはん作らなきゃって焦っちゃうのか、自分でもよくわからないんですけど不機嫌になっちゃうんです。この間も帰ったら賢二が先に帰っていて、ただいまも言えなくてムスッとしちゃいました。

多江 :あら、夕食作りは未華子ちゃんが担当なの?
未華子:いえ、担当とかは決めてなくて。でも、結婚するために一緒に住み始めたから、家事はわたしが全部やっています。
多江 :え~そうなの~? 専業主婦になりたいとか?
未華子:なんていうか……実はよくわからなくなってます。一緒に住むときは結婚したくて、彼のことを支えたい、と思っていたので家のこともなんとなくわたしが全部やる感じになったんですけど。彼のワイシャツにアイロンを当てているとき、なんか、楽しくないっていうか、悶々としている自分がいます。
多江 :彼にアイロンを当てるのはやってもらうとか?
未華子:え、そんな~言えないです~。結婚してくれなかったら嫌だし……。
多江 :彼に言いたいこと、ちゃんと言えてる?

未華子は多江の言葉にはっとした。はたして自分は言いたいことを言えているのだろうか?

便秘の原因!?

多江 :なるほど~未華子ちゃんの便秘の原因は〝がまん〟にありそうね。

未華子:へ? 今の話と便秘が関係あるんですか!?
多江 :だって、ヨーグルトも毎日食べているし、食事も3食食べてるし、それも毎日素晴らしくバランスのいい食事じゃない?

未華子:あ、はい。わたし母子家庭だったんですけど。母がずっと働きに出ていて。それでも食事はちゃんと作ってくれていて。
多江 :お母さんみたいな完璧なお嫁さんになろうとしている?
未華子:そう……かもしれません。あと、今独立に向けて準備しているんですけど、勉強しているのが楽しいから、つい、そっちに気持ちが向いちゃうんですよね。
多江 :彼に「わたし本当はアイロンかけるの嫌」って言えると楽になるかもね~。
彼は、未華子ちゃんが家事は自分で全部やりたがっていると思っているかもしれないよ?何事もバランスが大事よね。
未華子:そうか、分担のことは話し合ったことなかったです。確かに、わたしが家事をやりたがっていると思っているかもしれません。

甘酒ヨーグルト

多江 :ところで、今日は試作で甘酒ヨーグルトを作ったの。これ、未華子ちゃんにいいと思うんだ。飲んでみて!

未華子:甘酒とヨーグルトってどっちも発酵食品で体によさそうなイメージ! んん! 甘酸っぱくておいしい!

多江 :甘酒ヨーグルトは、麹甘酒にヨーグルトの種菌として売られている乳酸菌を入れて発酵させるの。腸内細菌のバランスをよくしてくれるのよ。米麹も腸内の善玉菌を増やすといわれているの。乳酸菌と米麹のダブルで腸内環境がよくなってお通じの質も量も変わってくるわよ! おならがたくさん出るけど全然臭くないの。

未華子:え! おならって臭いんじゃないんですか? わたし実は彼と付き合いたての頃、おならががまんできなくてこっそりしたときに、強烈に臭くってなんとも言えない重い空気が流れたことがあってトラウマなんです。彼の前で、おならは一生しないと心に誓いました。
多江 :それも、〝がまん〟してるのね。まあ、マナーでもあるしね。
未華子:でも、おならが臭くないなんて! ありえない……。
多江 :未華子ちゃんのように、便秘をそこまで深刻にとらえていない人はたくさんいるの。ときどき下痢にもなったりしない?
未華子:はい、時々あります。緩いけど、たくさん出たら嬉しくなります。でも、ダメなんですか?

多江 :腸内で異常発酵が起こっている状態なの。便秘で便が出ないと腸の出口が詰まっている状態。でも、いらないものが外に出られなくて、腸の中で悪いものがどんどんたまっていく。そうすると、発生するガスってどうなると思う?
未華子:すごい臭い……ですね。
多江 :そうよね、それは腐敗が起こっているということ。だから、おならが臭いのは腸内環境がよくないからと思って間違いないわ。
未華子:おならは出ない方がいいんですか?
多江 :いいえ、おならが出ないのは逆に問題。健康な腸なら腸の中で善玉菌が発酵しているの。そのときにガスは発生するものなのよ。ただ、善玉菌が発酵して出るガスは臭くないの。

未華子:そうなんですね! 便秘はそんなに深刻に考えていなかったけど、臭いおならはなんとかしたいな……。
多江:未華子ちゃん、今日この甘酒ヨーグルトを持って帰って、毎日飲んでみて! レシピもあるからおうちで作れるわよ。
未華子:はい! ベンソルーさまが言うことは何でもやります、わたし!
多江 :未華子ちゃんは本当にユーモアがあるわね。それが未華子ちゃんの魅力ね。ところで今は、便はスルンと出るかしら?
未華子:うーん、生理中は出るって感じで、普段は頑張らないと出ないなあ。おなかは昔から年中ポコッとしています。だからあのイタリアでの快便には本当にびっくりして。
多江:もしかして、ウォシュレットとかの温水洗浄便座を使ってない?
未華子:え? 使ってますけど。その刺激で出す! みたいな。
多江 :お尻の皮膚が乾燥しているかも。切れちゃったりしない?
未華子:え! 温水洗浄ダメなんですか!? 実は時々、お尻が切れちゃうときがあります……便が硬くて出ないから温水洗浄の刺激と水分で多少出る、ということがあって癖になっています。いきんで硬い便が出るときにお尻が切れちゃって、そうするといきむのも痛いから出せなくなって。わあ、これって悪いループですね……。


温水洗浄は・・・


多江 :温水洗浄は一番〝弱〟で3秒までよ。
あくまでお尻表面を洗うものであってお通じを促すものではないわ。でも、未華子ちゃんのように、まるで浣腸のように使っている人も多いの。でもね、お尻の穴って粘膜だから。例えば、鼻の穴にすごい勢いの水を当て続けたらどうなりそう?
未華子:うーん、なんか赤くなってひりひりして皮がむけちゃいそうですね……。
多江 :お尻でも同じようなことが起こっているわね。鼻の穴と同じくらいデリケートなのよ。粘膜も剥がれてしまうから、余計に便も出しにくくなってしまうの。
未華子:そうなんだ‼ でも温水洗浄がないと、もっと出なくなりそう……。
多江 :そうね。だからこそ、悪いループを見直して、なくても出せるようになりましょう! そのためにはお尻ケアもお勧めよ。


お尻ケア?


未華子:お尻ケアですか? 何ですかそれ!興味あります。
多江 :最近膣ケアなんかも話題になっているのは、聞いたことある?
未華子:はい、気になっています。
多江 :自然のオイルを膣やお尻の穴に塗るの。化粧用のホホバオイルやオリーブオイルなんかがいいかな。お風呂上がりなんかにお尻の穴を押しながら塗るといいわよ。保湿になるの。赤ちゃんの便が出にくいとき、オリーブオイル浣腸っていう方法があったりするんだけど、お尻の刺激は排便を促してくれるし、粘膜も保護してくれるのよ。
未華子:オリーブオイル浣腸! へえ~!

多江 :食べたものが便として出てくるまで、女性はだいたい1日程度といわれているの。だから、理想は毎日排便があること。口から食べたものは胃でドロドロになり、小腸で消化吸収されて全身を巡った栄養が最終的に大腸に届いて、不要なものは肛門から出ていく。肛門の手前の直腸という大腸の最終地点で余計な水分が吸収されて、便意を感じる。
未華子:なるほど。やっぱり毎日出るのが自然なんですね。
多江 :ただ、特に若い女性は便意をもよおしてもがまんしてしまって、便秘になることが多い。がまんしていると、やがて便意を感じにくくなって、この直腸のあたりで留まる時間が長く水分が吸収されすぎてしまうと……。
未華子:便が硬くなって出にくくなる!
多江 :そう。つまりこのタイプの便秘は、がまんすることが原因で便が硬く出にくくなるの。

未華子:出口で詰まっていても、毎日不要物が大腸に送られてくるということですよね?
多江 :まさしくそう。それが出せないで腐敗しておならが臭くなったり、便秘と下痢が同時に来たりする。未華子ちゃんのように何でもがまんする人はなりやすいかもね。
未華子:う~ん、そういうことか……。がまんしているつもりはないんだけどなぁ。

多江 :例えば、未華子ちゃん、英語レッスンの最中にもよおしたら、どうする? 授業を中断してトイレに行く?
未華子:え、それは行かないです。受講生を待たせて授業中にトイレになんて行けないので、がまんします。……あっ‼
多江 :でしょう? がまんが当たり前になっているの。だから、未華子ちゃんへの処方箋は、この甘酒ヨーグルトと、がまんせずに「言いたいことを言いなさい」だね。がまんは便秘の大好物。
未華子:ひえ~、二つ目はハードル高いな~。
多江 :ふふふ、そうね。それができたらおならも臭くなくなるかもよ。
未華子:それ! おなら改革のために何としても頑張ります!

多江 :期待してるわよ~。はい、これ今日の甘酒ヨーグルトのレシピ。
未華子:ありがとうございます! 本当においしかったから、早速今日作ります!


甘酒ヨーグルトの作り方

◉材料
雑穀米 1合
水(炊飯用) 2合
冷水 500㎖
米麹 1合
乳酸菌 5g

◉作り方
① 雑穀米は洗米し、たっぷりの水(分量外)に12時間浸けておく。
② 雑穀米をざるに上げて水気を切り、水(炊飯用)を加え炊く。
③ 炊き上がったら、ミキサーに冷水とともに入れる。
④ 人肌程度に冷めているのを確認して、米麹と乳酸菌を加え、ミキサーで撹拌する。
⑤ 容器に入れ、室温で12時間発酵させる。(ヨーグルトメーカー37℃、12時間にセット)
⑥ 冷蔵庫で冷やし、保存する。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?知らず知らずのうちに「がまん」していること、どなたにも、あるのではないでしょうか。自分では気がづかない便秘の原因が、あるかもしれません。
 今回ご紹介した『便秘の神様』は、5人の女性が、異なる原因で、なってしまった便秘を、正しい知識で解消してゆく、便秘解消ストーリーです。
 お医者様に監修いただき、正しい知識を、難しいお話し抜きで、お気軽に読んでいただける内容です。ぜひ、お手に取っていただけると嬉しいです。

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便秘で悩む頑張り屋の5人のお仕事女子たち。ひとことで「便秘」といっても、原因や症状はそれぞれ異なる。謎の便秘カウンセラー・ベンソルーが、彼女たちの事情を看破し、正しい解消法を伝授。人間としてビジネスパーソンとして成長させていく物語。ヨーグルト信仰に頼り過ぎた未華子、イライラしがちなメンタルが問題の里香、プロテイン乱用のさくら、便秘薬依存のアリサ、ひたすら腹筋を鍛える風花。ベンソルーこと多江のアドバイスは、すぐに実践できて効果抜群。ひとつの章に10の気づきが収められています。

もくじ

序章 便秘は心の目詰まりです
第1章 ヨーグルトでは治りません!
第2章 イライラは便秘の温床です!
第3章 プロテインはやめなさい!
第4章 便秘薬は捨てて!
第5章 腹筋じゃダメよ!
第6章 繊維リッチな暮らしを目指しなさい!
終章 それぞれの旅立

著者プロフィール 長井佳代(ながい・かよ)

著者 長井佳代

栄養院創始者 管理栄養士 1979年生まれ
武庫川女子大学卒業後、病院勤務、料理講師を経てヘルスケア企業にて栄養指導に従事。2010年に独立し、フィットネスクラブやクリニックなどで栄養指導を行う。心が自由になると不思議と便秘も解消する。こうした自身の体験からその人の本音を引き出す栄養指導を心がけたところ「受けただけで元気になる」「心のカウンセリングまでしてもらったみたい」と好評に。
将来のビジョンは健康なうちに自分の体を食でケアできる社会システムを作ること。栄養院を創設し栄養指導を行うほか、栄養指導者の育成にも力を注ぐ。

長井先生のTwitterはこちら⇓

監修者プロフィール 谷口一則(たにぐち・かずのり)

たにぐちクリニック院長 
21世紀の医療を考える会(eクリニック理事) 大阪市旭区理事 産業医 1989年(平成元年)大阪医科大学卒業 同年、大阪大学医学部第二外科入局し、外科医として阪大病院、千里救命救急センタ ー、国立大阪医療センターで勤務米国UCLAで肝臓移植に携わり、台湾大学で緩和医療にも従事する。
2002年(平成14年)大阪医大整形外科入局 2004年(平成16年)たにぐちクリニック開業 現在は風邪からガンまで看る街の家庭医として、患者さんの健康や介護に携わる傍ら、NPO21世紀の医療を考える会(eクリニック)理事として、統合医療的な立場でがん患者さんのサポートをしている。 医療以外の活動としては、50代以降の中高年層の働き盛りのひとが健康を担保した上で、元気で明るいセカンドステージを歩むべく、セミナー活動や音楽ライブ、旅の企画、落語会などを主催し中高年層の免疫力を上げる活動を実践している。著書に『なぜ、あのおっちゃんはいつも元気なのか』(自由国民社)など。


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