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LLM留学のスケジュール(総論・都度更新)

はじめに

留学(アメリカ留学)までのおおざっぱなスケジュールを書き出してみようと思ってざっと書き出してみたら、(僕にしては)結構な反響をいただきました。

やっぱり大きなスケジュールって気になるところで、随時更新という形で、僕(と妻)がやったことをこの記事にまとめていければなと思っています。

2021年3月以降を中心に更新(7月25日)。引用ボックスに全部まとめた方がわかりやすいとの指摘を受けましたので、3月以降はまとめてみました。ここからは、現地よりお送りします。
関連記事は以下のとおりです。
渡米直後にやったことまとめ(2022年3月15日更新)
渡米前に知っておけばよかったこと
OPT申請について
ニューヨーク州司法試験 (NY Bar) ― UBEのApplication
留学中の英語お助けツール+英語の勉強
ニューヨーク州司法試験(NY Bar Exam)の感想と対策(2022年7月受験)

スケジュール

僕らは2021年秋学期(2021年8~9月入学)を目指して準備していた組で、大体前年の春くらいから本格的に準備を始めようかな、と考えだすようなスケジュールだったかなと思います。

2020年3月~5月:TOEFL
TOEFL受験を試みるも、コロナの関係で軒並み中止に。リモート受験は何となく面倒かなと思い、開催されている会場を探すも、見つからず。英語に自信がない方は、多分このくらい(前年春くらい)から、1回/月くらいのペースで受けておいた方がよいかもです。

2020年6月~10月:TOEFLマラソン
TOEFL受験スタート。目標のスコアが出るまで受け続けるマラソン(ガチャかもしれない)の始まり。TOEFLのことについては、既に星の数ほど情報が存在するので割愛しますが、僕は田中先生のこのブログを読んでいました。

ロースクールの出願が11月くらいから始まる関係で、遅くとも10月には目標点が欲しいところです。(あくまでも、TOEFL受験→結果通知→LSAC送付→出願のタイムラインの中でのタイミングなので、出願する学校次第ではあります)

2020年8月頃:LSAC
LSACというLLM出願のためのサイトで、アカウントを作成。アカウント作成までは無料ですが、LLM出願のためには、"Electronic Application Processing Service," "Document Assembly Service," "International Transcript Authentication and Evaluation Service"の3つのサービスを購入する必要があるため、それを購入します(お金はしょうがない!)。

購入後に、大学・大学院・司法研修所に依頼して成績証明書などの証明書をもらって、LSACまで郵送することをします。ここだけはPDFをアップロード、みたいにできないので、仕事をしながらだと、やっぱり面倒ですね。このあたりの細かいことは別記事にする……かもしれません(多分しない)。
(余談ですが、僕と妻は全く同じタイミングで海外郵送をし、しかしながらLSACからの受領確認・反映の連絡は1か月ほどずれていました。まあこのあたりはしょうがないところですね……)

2020年9月~10月:Application書類作成 (PS, LOR, CV)
ロースクールへの出願には、①Personal Statement (PS), ②Letter of Recommendation (LOR), ③Resume/CVが必要なので、これを作ります。出願したいローの要件を見ることも忘れずに、ですが、基本形を作れば後はちょっとのアレンジでできるハズです。

②LORは事務所の上司+学生時代お世話になった教授の2本分作成するのが通例だと思われ、こちらについては相手があることなので、連絡は早い方がよいでしょう。9月着手はどうだろうか……もう少し早くに着手してもよいと思います。

2020年11月~2021年2月:出願
早い大学は、11月くらいから出願がスタートします。コロナ前は、LOR原本をアメリカに郵送する等していたようですが、2020年時点では、全てオンライン上で完結する手続になっています(出願者名義の文書はPDFをアップロード、LORは推薦者からアップロードする)。したがって、文書さえそろえば、LSAC上のApplication Formに必要事項を入力して出願完了です。

前は、学校ごとにLORを変えたりすることもあったようですが、僕らの場合は、LORはGeneralなものを1本(計2本)作成しただけでした。オンライン出願なのもあって、結構簡単に出願できるなという印象です。僕らは5校(「だけ」なのか「も」なのか……)出願しましたが、もっとたくさんの学校に出願すること自体はそこまでの労力をかけずにできたかなと思うところです。

2021年3月:留学先決定
僕らは3月に目標の一つであった学校から合格通知が届き、やはり夫婦同じ学校に行くのが大事ということで、一部の通知が未だ来ていない学校へ辞退の連絡をし、これで終わりということにしました。(こればかりは人・学校によるところです。)

2021年3月:留学に向けた本格手続の開始・報告等
学校が決まる=渡米日・滞在先が決まるということで、本格的な手続を始めるのがこのあたりです。あと、学校が決まったということで、LOR作成にご協力いただいた方々や、その他報告すべき方々に、どこどこに留学します!と報告するのもこのあたりですね。

僕らがやったのは大体こんな感じのことです。この中でマストはI-20取得手続くらいかなと思います。

・教授、上司などにご報告
・I-20取得手続
(留学用のビザ(F-1/F-2)を発行するために大学が発行してくれるやつです。この文書は留学後もずっと必要になる超重要書類であることがのちに明らかになりました)
・滞在先の確保(家族用の大学寮があったので、それに申請)
・航空便のチケット購入(早い方が安いというウワサを聞いたため。ただ、せっかく購入した便がキャンセルになって払い戻し・探し直しになるトラブルはありました)
・パスポート更新(やれる時にやっておきましょう的なやつの一つですね)
・FX口座開設(ドルを得るため。2021年1月ころはめちゃめちゃドル安だったので、どうして2か月前にそれを行わなかったのか……)

2021年4月:VISA取得・予防接種
これだけはやらないとそもそも留学できないよ!ってのがいくつかあって、それがVISAと予防接種です。どちらも、完了するまでに1か月くらいかかる可能性があるので、早めにやっておくが吉です。

VISAについては、I-20を取得した後、留学の授業開始の4か月前から取得申請するのが通常みたいです。(I-20取得後はいつでもできるのですが、F-1ビザの場合、授業開始日の1か月前からの滞在許可になるらしく、その滞在開始日の3か月前からしかVISAは下りないみたいですね。このあたりは調べたわけではなく、米大使館の人から言われただけですが)
 予防接種は母子手帳を取り寄せ、各大学のimmunization requirementとにらめっこするわけですが、一部のワクチンは2回接種+それぞれの接種は1か月弱(20数日)開ける、みたいな要件になっているので、結果として1か月くらいはかかってしまう、というカラクリです。

ここでやったことは以下のとおり。最初の2つ以外は、いずれも特に今やれってほどではないですね。

・VISA取得手続(詳しくは大使館ページなど参照。登録→支払→面接予約→面接みたいな感じで進みます)
・予防接種(日比谷クリニックというところで行いましたが、別のところもあるはずです)
・Prestiaの「海外大学院留学サポートプログラム」にて口座開設(海外口座に送金したい場合、事前登録が必要になるので、そのあたりは注意)→ドル建てのデビットカードがゲットでき、これで生活できます
・弁護士会の公益活動免除申請、各種名簿登録の抹消申請
・2年目研修先の検討開始

2021年5月:NY Bar受験資格取得申請
むしろこっちを4月中にやれよという感じ。ちょっと僕らはこれをやるのが遅くなりました。アメリカLLM留学の大きな目的の一つに、ニューヨーク州司法試験/カリフォルニア州司法試験の受験・合格というものがあると思うのですが、ニューヨークの方は、NY BOLEというところでアカウントを作成し(この過程でNCBEというところでもアカウントを作ることになります。なんだそれは)、LSACのときにやったように、成績証明書等を郵送で送る必要があります(Online Foreign Evaluationというやつ)。これもまたエアメールの手続になるので、どうしても時間が取られます。
(NY BOLE曰く、僕ら(2021年秋学期入学組)は2021年4月に成績証明書を送ることを強く推奨する (strongly encourages you) のこと。実際はもっと遅くに送っている人も多いようですが、海外から自分の大学や司法研修所に成績証明書発行・郵送のお願いをする煩雑さを考えると、確かに4~5月にしておいた方がよいのは実際そのとおりです。)

この段階でやったことは以下のとおり。

・NY Bar受験資格取得申請(アカウント作成+成績証明書送付)
・ANA/JAL USAカードの申請(→結局僕は作成しませんでした。ドル建てクレジットカードは現地の銀行(Bank of Americaなど)でも作れるようですし、デビットカードで正直間に合います。が、デビットカードを受け付けない機械もありますし、作った方がいいです)
・サマープログラムの申請(UC Davisのサマープログラムがオンラインで受講できるということだったので、僕らはこれを申し込みました)
・現地で使う自動車の購入検討
・自動車保険や損害賠償保険の検討(私は現地でTokyo Marine Americaの保険に加入しました。周りはグローバルプロテクション経由でJAL保険などが多かったですね)
・運転免許証の更新(このあたりは人それぞれという感じです)
・渡米直後の滞在ホテル検討、引っ越し準備(住んでいる自治体によりますが、粗大ごみが意外に面倒です……)
・アメリカに貨物を送るかの検討(船便/航空便)

2021年6月:海外移住のための各種手続
※僕らは7月中旬に渡米するスケジュールを組んでいたので、この記事のようにスケジューリングしていますが、(サマープログラム等で早めに始まる人を除き)かなり余裕を持ったスケジュールだと思います。実際にこれから渡米を検討される方は、渡米日から逆算して検討いただければ幸いです。

細かな手続ややるべきことは本当にたくさんあります。社会保険系、税金関係の手続がメインになりそうです。加えて、不要品の処分(できる限り物は少なくしたい)、職場の片づけ、引継ぎ等々……

一つ大きなところとしては、現地での健康保険(Health Insurance)をどうするか、という問題があります。これについても田中先生の記事があるわけですが(ありがたい……)、各大学で検討されるべきものかなと思います。保険特有の用語が結構登場したり、大学のWaiver要件を読むのが大変だったりと、大学の保険に入らない場合、考えることは多い感じはしました。(あと、僕らが入る予定のISOだと、30歳から保険料が爆上がりするので、10代20代のうちに留学するとお得だったなと思ったりはします。)

(7月追記)僕らは、7月中旬に渡米予定でスケジュールを組み、渡米直前にプログラムが終わるようにUC Davisのサマープログラムを取ったのですが、引越し準備の佳境とサマープログラムの並行は(控えめに言って)かなりハードでした(業者の訪問などが授業に被ってしまって、欠席もそこそこしてしまいました)。個人的には、あまりおすすめしません。

あと、直前にしておくこととして国際運転免許証の取得があります。国際運転免許証は有効期限が1年なので、渡米直前にゲットした方がいいかなと。

渡米までにやったことをとりあえず書き出してみますと、このような感じです(多い……)。手続のために結構電話しなければならないことが多く、大体電話窓口は混んでいてつながらないので、電話代がすごいかかりました。結局電話が一番でしたね……。

・現地の健康保険の検討(大学提供の保険に加入するか、自分で別の保険を探すか。別の保険を探す場合は、大学のWaiver要件を満たす必要があります)
・国際運転免許証の取得
・今のクレジットカード(留学中に有効期限が来るものは解約、それ以外はそのまま持っておく方がよいです。ドル建てクレジットカードかデビットカードを手に入れるまでは結局円建てクレジットカードが大活躍するため)
・社会保険関係(海外移転に際する手続があるかどうか等。弁護士会の扶助関係や、積み立てNISA、iDeCoも含め結構数があるので単純に手間がかかります。ただ、基本的に電話すれば丁寧に教えてくれることが多かったです)
・携帯電話回線の検討(解約or休止or契約継続)
・修習貸与金(繰上返済申請として、3年分支払いました)
・海外口座開設(MUFGの「パシフィックリム・カンパニーベネフィット・プログラム」など。これでUnion Bankの銀行口座+デビットカードをゲットし、7月現在これで生活していますが、ポイントが何もつかないので、プレスティアのデビットカードの方がいいかなと思って戻しました→結局ドル建てクレジットカードが便利だと思います)→渡米直後記事その4にも書いてます
・税金関係(年末調整、準確定申告or納税管理人など。僕は、eTaxソフト経由で準確定申告をしました。人によっては、納税管理人を置くことになるようです。eTaxソフト経由の納税、大変面倒でした……。準確定申告後に税務署から電話がかかってきましたので、渡米直前の申告は避けた方が無難かもです)
・引越し業者検討、引越し準備(粗大ごみで捨てきれなかった家具は業者に引き取ってもらったのですが、かなり高額の処分料金を支払いました。不要な家具は、自治体の粗大ごみとして捨てた方が絶対に経済的です)
・病院へ(僕は薬漬け(語弊)なので、当面の常備薬をもらいに。処方薬は飛行機の預入荷物に入れていましたが問題ありませんでした)
・知人、友人と会う(これを機にオンライン送別会など色々やってもらいました。留学を口実にできるので、誘いやすかったです笑)

おわりに

こうやって書き出すと、中々に大変そうな道のりです。とはいえ、一つずつ終わらせていけばよく、また、いくつかのことは「やった方がよい」程度のことで、やらなくても何とかなることも多いです。あくまでも一例として、留学を検討されている方のご参考になれば幸いです。


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