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恋人と結婚相手は違うのだ。

とうとう結婚かぁ…。
年貢の納め時ってやつだな。
長かったような、短かったような。

てゆーか、ホントに相手はそれでいいんかい?
べつに悪い人ではないけど。
むしろ良い人だとは思うけど。

日々の生活を共にする相手だぞ?
デートする相手とはワケが違うぞ。

***

天天コーポレーション経理部の森若沙名子が、結婚することになった。

集英社オレンジ文庫「これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~」(著・青木祐子)の話である。

「これは経費で落ちません!」は最新刊が11巻と、けっこう続いている。
以前ドラマにもなってたから、人気作なんだと思う。

主人公の沙名子は真面目で落ち着いたタイプだ。
経理の仕事は彼女にとても向いている様子。

仕事はサクッと進め、ロッカールームの噂話は聞き流す。
週末はマニキュアを楽しみ、料理を作り置きし、映画を堪能する。
おひとりさまの暮らしを楽しんでいる。

ところで営業部に、明るく賑やかでみんなに好かれる人気者の男がいる。
その名も山田太陽。
まさに太陽のような男なのだ。

太陽は経費の伝票を持って経理部にやってくる。
そして経理部の森若さんと知り合うわけである。

どういうわけか忘れたが、太陽は沙名子が好きになる。
うっとおしがっていた沙名子も、いつのまにか太陽が好きになる。
晴れてカップル成立。

そして・・・いつのまにか結婚することになったのだ。

最新刊ではふたりの結婚へ向けての動きが描かれる。

結婚へ向けてのさまざまなタスクをクラウドで管理する沙名子。
やれるほうがやれる時にやればよくない?というスタンスの太陽。

社内恋愛とはいえ、沙名子は東京勤務だが、太陽は現在大阪勤務である。
結婚後、どこに住むのか、仕事はどうするのかなど決めることはいくらでもある。
太陽は「早めに上司に相談して、予定より早く東京へ戻してもらう作戦」を取ろうとするが、沙名子は「出来るだけ結婚報告を遅らせたい」と言う。

太陽の学生時代のサークル仲間たちがサプライズでお祝いの会を開いてくれる。
しかしサプライズも、知らない人達と急に仲良くするのも大の苦手な沙名子は逃げ出してしまう。

結婚後の姓は自分の姓がよいと譲らないふたり。
沙名子は「ふたりとも自分の姓を変えたくないのだから公平にじゃんけんで決めよう」と言う。

披露宴に友だちを呼びたい太陽と、呼ぶつもりのない沙名子。
太陽は「女性は結婚に憧れがある。結婚披露宴でドレスを着て大勢の人たちから祝ってもらったり、入籍で相手の姓になることにも憧れがある」と思い込んでいる。

***

どうよ。この人たち。
けっこう違うタイプだよね。
だからこそ好きになったという側面があるんだろうけど。

違いには目をつぶればいい恋人関係。
違いにただ目をつぶっていては破綻しかねない婚姻関係。

私自身はわりと似たようなタイプの人と結婚したから、生活のすりあわせなんかもラクだったと思う。
それでも結婚直前の時期には、あれこれイライラすることも多かった。

このふたり、結婚イベントは乗り越えたとしても、その先は大丈夫なのかなぁ。

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