パソコンのその先へ
世の中は常に変わっていく。
息子と私とでは、全然違う世の中を生き抜いていかねばならない。
たとえばパソコン。
私が初めて触ったのは大学に入ってからだ。
「時代の先を読みたい欲求」の強い父が購入したものを主に使用したのは私だった。
就職して初ボーナスをもらった私は、すぐに大型電器店に行った。
そして初月給からボーナスまでの収入をかき集めて、自分のノートパソコンを購入した。
そのパソコンはWordやExcelの資格を取得し、転職につなげるために大いに役立ってくれた。
まだパソコンが得意な事務職は少なかったから、事務職としては良い給料で働けたのだ。
対して息子は、生まれたときから家にパソコンがある。
乳幼児のうちはもちろん触らせなかった。
けれども、小学生にもなればルールを守れるはずだからと積極的に触らせてきたつもりだ。
今どきの子は小学校でもパソコンを使う。
家で積極的に使わせてきたおかけで、学校レベルの課題ならば苦労せずにやっているらしい。
ちなみに中学校レベルの課題とはExcelで簡単な表を作ったりするようなものだったらしい。
課題は学校で作成してそのまま提出で、定期テストのように持ち帰らない形式だ。
どんな表だったのか見たかった気もする。
さて息子たちは学年が上がるにつれ、パソコンを使用する機会もどんどん増えているようだ。
授業で発表があるものはたいてい事前にパソコンで調べ物をするし、スライドも作る。
私は図書館で調べて、OHPシートに書いてたよ…と昔話をしたら「図書館は使うけどOHPシートって何?」って言われた。
そりゃそうだ。
世の中にはPowerPointというものがある。
これを使わないでOHPシートに書かせるような学校だったら、授業料を払いたくないわ。
ところで私やその下の世代では、パソコンが使えないと(事務職では)働けなかった。
しかし息子たちデジタルネイティブ世代ではどうだろう。
スマホ慣れしている世代だ。
パソコンのキーボードが苦手な人も多いと聞く。
だからこそパソコン操作やキーボードを扱い慣れていると、強みになるのではないか。
私はそう考えているのだ。
だから私は息子に、丁寧かつスパルタでパソコンの使用法を教えてきた。
ネットでの、検索のコツやマナー。
WordやExcelの便利な使い方。
プリンターその他の設定。
なるべく多くの操作を(マウスを使わずに)キーボードで済ませること。
少なくともこれらの知識は、無事に大学生になれればレポートなどで大活躍するはず。
しかしその先はどうだろう。
キーボード操作が苦手な世代が社会の真ん中に躍り出たら、当然世の中はそれ仕様に変化するだろう。
私が息子に教えてきたことは、出来る人が少ない特殊技能扱いになるのか。
それとも、今どきそんな面倒なこと誰もやらないよ!と言われて無用の長物になり果てるのか。
10年、20年経ったら答えが出ているだろう。
とりあえず、パソコン技能を足がかりにして息子にはその次の時代へと歩んでいってもらいたい。