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器と生活と用の美

コロナウイルスの影響下に置かれるようになった4月以降。個人的には特に志村けんさんがお亡くなりになったあとから、俗にいうところのwithコロナ、であったり、afterコロナ、というものを人々が考え出した時期。

この頃を境に、さまざまな価値観に変化が起きているように思う。

不要不急

個人的には、洋服を着ることは、自分にとって息を吸うこと。と同義語であると理解している。

仕事柄。セレクトショップのオーナーであり、ショップのバイヤーも兼務し、洋服 とは切手も切れない関係下にあると思う。

じゃあ仕事だから服を着るのか?と問われれば即答でNoと返事が出てくる。この速いについては。

の、とキーボードを叩くや否や、iPhoneならば賢く予測変換してくれる感覚が1番その速さを表現していると思う。

僕にとって服を着ることも、服を買うことも、必要なことであり、生活の一部である。

すべての人にとってそうだ!
と、言い切れるものではないが、やはりICONSに通う多くの人々にとって、洋服を着る楽しみというのは、生きていることとイコールに近いものであり、アイデンティティとして、確立されているのである。

しかし、withコロナ。コロナウイルスの拡散を防ぎつつ、日常を取り戻す。そんな動きの中で、僕らのような洋服屋の立ち位置って、なかなか定めづらいようにも感じる。

けれど本日の表題である

『用の美』

について考えると、自然とやるべきことが見えてくる気がしている。

この器。角瓶。
白磁のボトル。

芍薬の季節のうちに
鮮やかなピンクを飾りたくて購入させていただきました。


お世話になっている

satomi kiln さんにて


定休日 : 水曜日

夜営業 : 金・土・日

〒981-5911

仙台市青葉区台原6-13-5

台原の閑静な住宅地に現れる森の中に突如として現れる。大好きな作家さんのアトリエとカフェ、ギャラリーが併設された場所。

そのご本人がおっしゃっていた言葉。

皿やカップ そして花瓶 暮らしの中で用いられ 豊かさを感じて頂けましたら 幸いです。 
用の美 私が一番大切にしている事です。
用いられるものは 美しくなければならない。これからも そんな器を作り続けていければと思います。

こんな素敵な言葉をいただきました。

改めて。用の美
1926年に起こった『民藝運動』でも用いられた言葉。多くの工芸品の作家にとって、日用品であり、道具である。生活道具として使うことにこそ、本質があり、そこに宿る美しさに魅かれる、、というのは僕に限らず多くの人にとって同じだと思います。

さてさて僕が惚れた花瓶も

日々使わせてもらっている、里見さんはじめ、さまざまな方が手仕事で生み出した民藝品たち。生活用品という括りで見た時に

ICONSで扱う洋服たちもそうありたいな。と

改めて感じる日々なのであります。

ファッション。という括りで見てもかっこよく在る。そう在りたいと思うものの

僕の心として強く思うのは、ICONSに来てくださってる一人一人の生活に寄り添う洋服で在りたい。ということ

生活に欠かせない日常服。

しかし、一人一人その価値は違うから
学生には学生の。
社会人には社会人の。

家族がいる人には、夫として、父親として。

服が好きな人にも
そんなに服が好きじゃない人にも。

どんな人にとっても寄り添えるお店でありたい。

ソーシャルディスタンス。なんて言葉が当たり前に使われている。直訳すると
“社会的な距離感”(あってます?合ってなかったら突っ込んでね)

そんな距離を測るよりも、もっともっと大切なのは

パーソナルなもの
ドメスティックなもの

もっともっと、みなさん一人一人との距離を、適正な距離感で、信頼し、信頼される
そんな関係を土台として洋服の提案ができる場所にしていきたいと思います。

男子たるもの所有欲もあるし
流行やステータスが気になる。それはもちろん承知して上で。

そんな価値観すら上回る
パーソナライズ(個人向けにする)

一人一人の日常に寄り添う洋服。
さっと当たり前に存在して、その人の生活がもっともっと豊かになる。身の丈に合ったオシャレができて、日々のテンションやモチベーションが上がる。

長く着続けることで、より愛着が増す。
そんな洋服。

ICONSにおいて、その役割の大きな比重を占めている『シャツ』

一人一人に似合わせるシャツ。
取り揃えています。

日々ついつい手にとって着てしまう。

生活に根差したシャツ。洋服。

もっもっとみなさんに根付かせていきたいと思います。

着て、洗って、日常の中で美しく映えるものを。

may the force be with you !!!

あさの

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