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あさの/朝乃みちる はてブロに移行しました
2019年9月10日 22:04
胸の膨らんだ自分のことなんて、絶対受け入れられないと思っていた。 なのにどうしてだろう。 藍里ちゃん……どうしてだろうね……? 僕、本当はこれを望んでいたのかな……? 聖は本当に意地悪だ。 このインラン、と言い放ち、上に乗っかる僕をくすぐる。 そういう彼は今、僕を抱いてくれているのだ。「や、やめ……っ!? おっぱい触んな、それズルい!」 僕は彼に抱かれて、いやらしくて細い声を我
2019年9月9日 20:03
そこそこ前の話だが、僕はかなり無理な形で診断書をもらった。 女に戻りたい奴だとでもしないと、治療もなかなかやりづらいだろうという判断だった。 分かっているよ、これは諦めであり裏切りだ。 両親も友達も、僕はてっきり女性になるものだと思っている。 大晦日のあの舞台に立った、あの美しい声をした歌い手みたいに。 彼女は「あたる」という読みの名前をした人だったけど、僕からすれば似て非なる世界の人
2019年9月5日 10:24
飄々(ひょうひょう)としているという言い方があるらしいが、彼女はまさにそうだ。 どうして、私とキスしようなんてことを言うんだろう。 弓琉(ゆみる)……本名はちゃんと別にあるのだが、彼女はよく分からない。 女子校にいる女子高生で、私の先輩で、十七歳。 背が大きいのだが、それ以上に胸がヤバイ。 一緒にゲームセンターに遊びに行くと、いつも『conflict』っていう曲のフルコンボを狙っては
2019年8月4日 10:32
あたしは不安だった。 この物語を読むことに、みんなはどう反応するのだろう。 自分はこの、染谷くんと佐倉さんのうちのどちらになるだろう、と。 ううん、それよりも…… この仕事がもしうまく行ってしまったら、愛するサナちゃんと離れ離れになるのだろうか。 そんなことを思いながら、舞台袖で台本を握りしめていた。 うちの事務所は、「アイドルになれば何でもできる」というのをポリシーにしていて、こ
2019年8月1日 19:01
私には何もない。 若さも、人気も、おっぱいも。 何もないアイドルなのに、どうして私が選ばれたんだろう。 芸能界でのキャリアは何年だったっけ。 私は心が空っぽになるような日をたくさん経験したが、こんなにも……世界がモノクロに見えることはそうそうない。「藍里ちゃん、お久しぶりです」「え?」 その人があまりにも鮮やかだったから。「あ……朝比奈夏希、さん……ですよね」「ごきげんよう」