見出し画像

Rambling Noise Vol.37 「メルマガナイトへGo ahead! その25」

そして、続くレイモンド・チャンドラーの登場は、それまでゴミの様に扱われていたパルプ・マガジンのクライムストーリーを文学にまで押し上げた。

その秘訣は流麗な文体にある。


アメリカのハードボイルド小説家の数は多い。名作家と呼ばれる人々もいるにはいるが、チャンドラーは別格だ。それは恐らく、チャンドラーが幼少期から23歳まで、イギリスを主として欧州で育ったことと関係があるのではないだろうか。チャンドラーとアメリカのとっちゃん坊やが書く文章とでは、自ずと違いが生じてしまうのであろう。

ただ、やはり探偵物、犯罪ものである。チャンドラーの作品にしたって暴力や殺人のシーンは欠かせない。特に初期の作品では、彼の描く主人公フィリップ・マーロウは女にもモテる。そして、よく殴られる
この辺りの通俗性、暴力性が、単純に表面を模倣する多くの作家たちによって、その後の犯罪小説で強調されることとなり、ハードボイルド小説と言うよりも、暴力小説と読んだ方が相応しいものが世間に出回ったのであろう

重ねて述べるが、ハードボイルド小説を、探偵小説や犯罪小説、ましてや暴力小説と解するのは間違いだ。
『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第5作である『ルパン暗殺指令』で、まだ山田 康夫が声を当てていた頃のルパン三世もこう言っているではないか。

「ハードボイルドってのはな、高級浪花節よぉ〜」


はいはい、そろそろ前回、前々回に引き続いてのお固い字面も終わりにしてと。

んでもって、2006年辺り頃からこっち、ビジネスで四苦八苦ばっかりだった為、ここんところはビジネス書や哲学なんかばかりをもっぱら読んでいたアサノさんには、小説という媒体自体が数年振りなご対面だったので、そりゃ尚更効果テキメンときたのでありました。

すっかりかぶれまくったアサノさんが、ハーボボイルドタッチで筆を進めること数日間。
HIU版 ミュージカル クリスマスキャロルのプロジェクトが始まって、完遂するまでに何が起きていたのか。演劇などしたこともないど素人の寄せ集めが、プロの舞台演出家の指導を得て、どう変わっていき、如何にして舞台本番まで漕ぎ着けたか。演じるとはどういうものか。

そんなあれこれ盛り込みつつ書き綴りされたる「ミュージカル HIU版 クリスマスキャロル ドキュメント」。
嗚呼、その完成はいつの日か〜!

はい、ちょんちょんと。

(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?