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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.42

退社以降は、当然ながらもうその会社との関わりは絶ち切った。
ところで、その会社は今はもう存続していない。

まだ取締役在任中、事業の移管の最中、水事業をやめた後をどうするかと議論となった際に、「会社としてはキャッシュリッチではあるのだから、どこか利益は出しているけど資金繰りに難をしている、いわゆる黒字倒産しそうな会社をM&Aで買い取るか、投資業を再開するか、或いは何もやれないのなら清算してしまうかのどれかしかないのではないか」と意見を述べたことはあったが、その時にも、また、私が退社する段に於いても何も決まりはしなかった。

他の取締役たち、特にその時に代表取締役となっていた人間は飽くまでも優柔不断で、判断もままならないまま、ずるずると時を重ねていただけだった。思いつくまま問題を口にはするが、他人の意見も聞いているのかいないのか、自分で決断するのかしないのか、ちっとも要領を得なかった。
なんと言いましょう。彼らしい行動だ。

断っておくが、事業継続を断念してからこっち、私は彼と敵対する理由も失った訳で、却って、せめて彼を手助けしてやろうという態度を取っていた。
いや、ここは正直にいこう。そんな能力の足りない彼が、ちょっと気の毒になっていたのだ。言ってみれば、今や私の尻拭いも彼のお仕事の一つなのだし。
だからさっきの言葉だって、嫌味でもなく、拗ねて言っているのでもない。素直な意見なのであった。

だが、結局はそうして何事も決まらぬままの状況の下、私は会社を去ったのであったが、その後も何も行動に移せないままに、やがて判断の期限を迎え、親会社から大鉈が振られた。そんなところだったのだろう。
私が去って三ヶ月後の2017年3月31日。臨時株主総会にて会社の解散が決議された。そして、6月13日には清算結了されたらしい。
残余財産は持分に応じて配分された筈だが、質権を設定され、株式を奪われていた私には、株主総会議事録が来るのみで、勿論配分は無い。

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サプリメント in ウォーター MCMのめぐみの営業譲受日は2016年9月1日であった。
繰り言となるが、2015年のリニューアル以降、新旧のMCMのめぐみの切り替えがスムースには進まなかった為に、MCMのめぐみ株式会社の営業スタート時の客数は700軒弱に減っていた。
何は無くとも新規獲得に励まなければならないが、その為には、まずウォーターサーバーを追加で購入しなければならない。

上場会社の傘の下を離れ、借金もしまくり、自宅までも売っ払ってしまった私には資金的余裕は無かった。
当然、創業融資を得る為に金融機関への働きかけは行なった。
ご存知の方も多いとは思うが、マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策を目的として、2012年3月に警察庁生安局が法人口座の開設時の審査を厳格化する様に要請して以降、銀行は法人の銀行口座開設を断る傾向にある。
特にメガバンクについてはその審査は厳しいが、まだ前の会社に席を置いていた時点でMCMのめぐみ株式会社を設立したのが功を奏したのだろうか。上場企業のグループ会社の取締役という肩書きが通用した為か、大手メガバンクの何行かが問題なく開設できた。

お試し


しかし、ポッと出の弱小企業なんかにメガバンクがそう易々と融資をしてくれる謂れもない。
こういう時は地元の信用金庫が頼りだ。
知人から横浜の信用金庫を紹介してもらい創業融資を依頼すると、あっさり副支店長の快諾を受けた。
とは言っても、今時の金融機関ではプロパー融資なんてあり得ない。信用保証協会の保証が付くことが前提であるので、彼ら金融機関は実質的にほぼ審査はしないのだ。

「融資額についてはどこまで通るかは判らないものの、融資実行自体については特に問題ないでしょう」
そういう副支店長の言葉に、安心し切って実行を待っていた私であったが、意外な結果が待っていた。


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