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Rambling Noise Vol.51 「メルマガナイトへGo ahead! その37」

問題とは何か?

実は、アサノさんは火の鳥をまともに読んだことが無かった。


最も代表的なエピソードでは、猿田彦という鼻のでかい男が出て来て、時代はええと邪馬台国? くらいの知識しかなかったのだ。
劇場版アニメ『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』は昔観たが、あれはアニメブームの中で生まれた、傍流ともいうべき作品だったことぐらいは知っていた。

そんな知識不足の状態で決めてしまうのは浅はかであろうと思った。また、手塚プロダクションに対してもいかにも不誠実ではないかとも。ねえ?

そこで、その場では結論を持ち越し、早速Amazonで『火の鳥 全十三巻セット』をゲット。読み始めた。


前にも述べた通り、アサノさんにとって、手塚治虫をリアルなものと感じだしたのは、『ブラック・ジャック』が売れた頃から。
むしろ小学校高学年や中学生時代から、アサノさんにとって逆手塚治虫ブームが起こっていったのだった。
特に、日本テレビの24時間テレビの第一回目放送から、八作に亘って製作された2時間スペシャル手塚アニメシリーズは非常にセンセーショナルだった。

手塚治虫は、虫プロの倒産を以て、「金食い虫でしかないアニメはもうやらない」と宣言していたのであったが、このオファーに対してあっさり禁忌を破ったのであった。恐らくは、世界初の2時間テレビアニメに取り組む、ということにも心惹かれたのであろう。

そんな訳で、久し振りに作られた手塚アニメ『100万年地球の旅 バンダーブック』。


アサノさんとしては、ブラック・ジャックが動き、伊武雅刀が声を当てただけで、もう十分に感激なのであった。

(だって伊武雅刀だよ。デスラー総統だよ。スネークマンショーだよ。子供達を責めないでだよ。ハイ、ドウドウ。因みに、翌年からは野沢那智にスウィッチしたけど、これまた嬉しい。だってアラン・ドロンだよ。スペース・コブラだよ。パックインミュージックだよ。え? 判んないって? そりゃそうだ。さもありなん)

そして、この『バンダーブック』は、24時間テレビ内で最高の28%という高視聴率を記録した。
これにすっかり気を良くした手塚治虫は、翌年、また翌々年と2時間スペシャルを制作し続け、その陰で制作スタッフは脱走者続出の地獄の現場を体験するのであったが、まぁそれはいいか。

(続く)

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