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夜な夜なベッドの上で

 普段ならとっくに寝る時間なのに、脳みそが暴れ出している。
 神楽坂で食事をして帰り、お風呂に入ったまでは良かったのだが、Apple Musicから流れてきた「ダンスホール」という曲が、底抜けにポップだったせいなのか、テンションが全く落ち着かない。

 缶ビールを1本ドーピングして無理やりベッドに入ってみたものの、全然眠れる気配がないので、どうしたものかとノートPCをベッドルームへ持ち込んで、寝ころんだまま暗がりでキーボードをカチャカチャ鳴らしている。

 今日は例のごとく皮膚科へ行って、その後例のごとくギンレイホールで映画を観た。3週連続でギンレイホールの最後列左端のシートにお世話になっている。
 今日は是枝監督の『ベイビー・ブローカー』という映画を観た。

 『ベイビー・ブローカー』は、その名の通り赤ちゃんを違法で売ろうとする人たちの話だ。色々な事情があって、自分が生んだ赤ちゃんを捨てることを選択する母親が出てくるのだが、その母親が叫ぶ「産む前に殺すのと、産んでから捨てるのどっちが悪いの」というセリフが印象的だった。

 ちなみに先週ギンレイホールで観た『セイント・フランシス』という作品では、主人公が映画の最初の方で中絶をして、その影響で数カ月間ずっと生理みたいな出血が止まらない、という中絶後の身体のリアルが描かれていた。



「女性の選択肢」という表現についてここ最近よく考える。

果たしてそこに、本当に選択肢はあるのだろうか。

仕事をしたり転職したり結婚したり子供を産んだり下ろしたり、それは果たして本当に私が、そして彼女たちが選択していることなのだろうか。

女性に限らない。

そもそも人生に選択肢なんてあるのだろうか、と。

それでも「社会」という私自身が勝手に頭の中で作り上げた形のない何かは、案外容赦なく我々がした選択の、その正誤を問い詰める。

「なぜその会社を辞めるのか。」
「なぜ子供が欲しいのか。」
「なぜ離婚したのか。」
「なぜ起業したいのか。」
「後悔はないか。」

声を(ほんのちょっとだけ)大にして言いたい。

理由なんてきっとわからなくて良いし、後悔はこれまでも、これからも、腐るほどあるはずだ。

 最後に急に思い出した映画を紹介します。作品の内容は覚えていないんだけど、最後に出てくるキャッチコピーは、公開当時の2009年、何かともがいていた若かりし私に親友が贈ってくれた、大切な大切な言葉だ。

 久しぶりに予告編観たら、音楽がすごく素敵なので、これをBGMに眠りに着こうと思います。おやすみなさい。良い一日だった。




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