「頭の中のタンス」と読書で語学レベルが上がる話
ムーミンの本を何回も読んでいます。『ムーミン谷の冬』と『ムーミン谷の彗星』はそれぞれ50回以上は余裕で読んでいる気がする。
こういう感じで語学勉強に役立てています。
①まずは日本語版を読んでストーリーをほぼ覚える
②フィンランド語版と日本語版を交互に読んでさらに内容を覚える
③フィンランド語だけで読んで、どうしても疑問に思った時は日本語版を開く
④フィンランド語で音読する
⑤オーディオブックを聞く
⑥オーディオブックを聞きながら紙の本を読む
⑦オンライン会話サイトのitalkiで講師に「自分の言葉で」内容を細かく説明する
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つまり本の高い語学レベルより、自分に合ったレベルでムーミン本の要約ができる
⑧italkiの講師にはその要約を文字化してもらう
⑨そのフィンランド語を暗記カードのAnkiに全部入力する
⑩Ankiで何回もテストする
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これを延々と続けています。
オーディオブックで聞きながら紙の本を読む
自分の言葉レベルにした本の要約を、Ankiで繰り返し覚えているかテストする
このふたつは永久的にずっと続ける。
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ポイント
自分の好きなページは強調、自分の感想もitalki講師に伝えてフィンランド語にする。
「私はこのページがすごく好き。ムーミンとスナフキンが初めて会った瞬間だから」
「ムーミンは冬うつ病だと思う」
「冬の暗さの中でキャンドルが太陽の存在みたい。北欧の暮らしでキャンドルの大事さが本からも伝わってくる」
こういう自分の感情や「わくわく」が詰まった、自分の言葉でできた文章は特に頭に入りやすいです。
Ankiは写真イラストと一緒にイメージでも覚える
著作権の関係で私のAnkiフラッシュカードの中身は公開できないけれど、必ず文字と一緒に写真やイラストがセットになっています。
だからムーミン関係の文章にはネットで拾ったムーミンのイラストや写真がたくさん。そのもイメージで丸ごと覚えています。
いつか思い出そうとしたときに、思い出しやすくなるから。
覚えた言葉はある日突然頭の引き出しから飛び出す
こういうことがありました。
フィンランド語の教科書でitalkiの講師と文法の練習をしていました。定番の講師は何人かいて、この人は私がムーミン本を何度も読んでいると知らなかった人。
ある時、教科書に「迷う」という現在形の動詞が出てきたんです。
その時、私はその動詞を初めて見たので、なんだかわかりませんでした。
「うーん?うーん?なんだこれ?あれ。見たことあるかな?ないかな?似たような単語、ほかにあったかな?」と考えていたら、
ふと、
途方にくれたスニフのイラストと「道に迷った」という「迷う」の過去形がふわっと浮かんできたんです。
このスニフのイラストと文章はAnkiに入れていたものでした。
頭の中のAnkiに出てきた過去形と、教科書にある現在形が似ていたから、「これ、同じか?」と思った。
それで私は「あ、迷うって意味?」と突然言ったんです。
講師は「あさきは単語量が豊富だよね」と言ってくれたので、
「これムーミンの本で多分どっかで出てきた。スニフが『ぼくは道に迷った』っていう文章を丸暗記してた」と言ったら、
講師がびっくりして、
「それだよね、外国語って本来はそうやって身に着けていったほうがいいよね」と言っていました。
他にも私は「ドアを開ける」系の文章の格の活用をあまり間違えない。なぜなら『ムーミン谷の冬』でムーミンはドアとかをよく開けているから。
たくさんの単語や例文に触れていると、最初はごちゃごちゃした状態で頭のタンスに詰め込むことになるけれど、ある日突然、
「はい、お探しのものはこれでーす!」ってタンスから出てくることがあるんです。
読書を続けていてよかったなと思った瞬間でもありました。
頭のタンスのなかの書類は最初はごちゃごちゃでも、時間が経って、何回も出し入れをして、タンスの中を探して、夜は寝たら(睡眠大事ね)、いつのまにかタンスの中は少しずつ整理されていきます。
ムーミンの本で政治や選挙の単語はないから、その辺のボキャブラリーは増やせないけど、文法の確認や日常単語を増やすには最適なので、これからも何回も読み続けます。
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