見出し画像

過労による症状を臨床心理士/公認心理師が記す〜自身を事例として〜

「働きすぎて本当にそんな症状出るの?」ということを、自ら体験することになってしまったので、せっかくなのでシェアします。

お仕事が忙しい方その他やストレスが多い方に読んでもらい、過労死を防ぐことに少しでも参考になればと思います。

過労死(Karoshi)とは

過労死とは日本語発祥のワードで、英語でもKaroshiと呼ばれます。(overwork deathという訳も)

過労死(かろうし、英語: karōshi, overwork death)とは、働き過ぎによる過労のため死亡すること[1]。重い作業負荷と長時間労働を原因とする心血管発作(脳卒中、心筋梗塞、急性心不全など)による死亡、および関連する作業障害を指す社会医学用語である[1]。労働災害の一つである。また過労自殺(Karojisatsu)とは、働き過ぎや職業性ストレスの高い労働環境に起因する自殺のこと[1]。過労や長時間労働はうつ病などの精神障害や燃え尽き症候群を引き起こしがちで、その結果自殺する人も多いため過労死に含められるようになった。
この現象は日本で最初に確認され、日本語の「カロウシ」は国際的に採用された[1]。2002年にローマ字の「karōshi(カロウシ)」という語句がオックスフォード英語辞典にも掲載されたが、英語: overwork death でも通用する[2]。国際労働機関(ILO)は、過労死は日本の重要な社会問題であると報告している[1]。この現象はアジアの他の地域でも広まっている(Wikipediaより)。

「過労死って、働きすぎでどうやって死ぬの?」と思うかもしれません。正直私もあまり想像ができませんでした。ですが、今回仕事が次から次へとあることで、「いや、これは本当にこのまま続けたら死ぬんじゃないか。」と想像ができる程度にまでは症状が色々出てきてしまいましたので、思い切って仕事を減らすことに。

どんな症状が出てきたのか、自分自身をひとつの事例として書き留めたいと思います。

ストレスによって発現した症状

精神疾患の原因を考える上で、昔から大きく外因(性)、心因(性)、内因(性)の3つに分けて考えられてきました。

外因:事故や外傷、身体的な疾病によって精神症状となっている場合。
心因:ストレス因。心理社会的要因、つまりいわゆるストレスによって精神症状となっている場合。
内因:遺伝的要因など、外因でも心因でもなく、原因がよくわからないものも含めたもの。トラウマ因も含まれると思われる。

ここで書き記す「過労」はいわずもがな「心因(ストレス因)」にあたります。「過労は精神疾患なの?」という疑問もあるかと思いますが、厳密には精神疾患そのものではありません。ただ、過労によって生まれる症状でつけられる病名は、DSM-5といわれる精神疾患の診断と統計マニュアルでは「身体症状症」という名前で記載され、これまで一般的に「心身症」という名称で呼ばれてきました。

心身症、あるいは身体症状症とは、心理的ストレスが身体症状となって出てくるもののことを言います。

私は、そこまで精神症状としては出ていないのですが、基本的には身体症状として数多くの症状を体験することとなってしまいました。どのような身体症状が変遷してきたかについて、次で述べたいと思います。

過労と思われるストレス因による身体症状の変遷

様々な症状が出てきたため、最初はストレス因と思っていなかったものも少なくないのですが、「ストレスの増加によって増悪」「ストレスの大きいイベントの終了による改善」が何度も繰り返され、その度同じ症状が見られたことから、ストレスによるものだったのか・・・と気づくに至りました。

2018年:体調が悪いとき、中耳炎、結膜炎、アレルギー性?の気管支炎を繰り返す。

2019年:がんばってイベントが終わった直後に風邪を引いていたけど、風邪は引かないように(葛根湯の適正使用)。一時、両耳中耳炎・両目結膜炎の状態になる。

2020年1月:インフルエンザにかかる。

2020年2月〜7月
:入眠困難になったり、眠れるようになったりの繰り返し。常に疲れている状態。咳が出てきて、ずっと治らない。コロナか何かかと思って色々検査するが、特に異常なし。

2020年8月
:最高に疲れている状態が続く。8月末には体調を完全に崩す。貧血状態、易疲労状態。

2020年9月
:9月10日に精神的に崩れる。抑うつや不安が強いわけじゃないのに、感情が不安定になった。これを期に仕事を減らそうと決意。でも、仕事がそんなすぐに減るわけもなく、少しずつ減らす。

2020年9月〜12月
:12月10日くらいまでずっと発熱状態。もともと低体温(35.5度くらい)だったのに、36.5〜37.3度くらいで3ヶ月間推移。両耳が交互に(右耳のほうが多い)耳鳴りがし、聞こえにくくなる。動悸がすることも。マシになるときと、酷くなるときを繰り返す。12月10日ごろに急に熱が下がり平熱に。

2021年1月
:12月〜1月は基本的に落ち着いていたが、仕事が始まったらすぐに右耳が聞こえにくくなる。1月20日くらいに急激に咳をする回数が減る。耳がマシになったと思ったら、また朝にマルチタスクすると耳が聞こえにくくなるなど、ギリギリの状態。
40〜50分くらいやや集中・緊張すること(具体的には授業やZOOMでのミーティング)をすると、動悸がし出す。それを2〜3回続けると、体温が上がってくる。

上記のような様々な症状に見舞われてしまいました。それぞれの症状を専門的な言葉になおすと、心因性咳嗽(せき)、心因性発熱(発熱)、易疲労感、緊張性頭痛、入眠困難、早期覚醒、中途覚醒、アトピー性皮膚炎、中耳炎、結膜炎、動悸(期外収縮)となります。

「この動悸が頻繁に起きると、循環器系の病気になるんだろうなぁ」と思いました。脳血管疾患、虚血性心疾患が過労から生じた場合、心不全(突然死)で亡くなる可能性があります。なので、さすがに仕事は控えて、仕事を小一時間しては休憩、小一時間しては休憩・・・というのを繰り返すことにしました。

実践すること

・仕事を減らし、45分に1回は必ず(長めに)休憩を取る
・できるだけ休める日には完全に休む日や時間を作る。
・食事は、元々私は遺伝的に悪玉コレステロール値(LDL)が高い方なので、コレステロール値を上げる食材を減らしたいです。具体的には、卵やうなぎ、ビール、いくら、レバー、肝系、チーズ、イカ、マダコ、車海老など。
・運動は適度に。朝にラジオ体操と、週1回程度ヨガに通います。

いま徐々に実践をしていますが、また良いお知らせができたらと思います。

まとめ

ということで、最初は風邪の引きやすさ、中耳炎や結膜炎、耳鳴りや聞こえにくさ(突発性難聴?)、疲れやすさ、眠りづらさなどがでてきました。

それが、何度も何度もよくなってはまた悪くなり・・・が続くようになり、両目両耳結膜炎と中耳炎になりました。また、それが治ってしばらくすると、インフルエンザを契機になったのか咳が止まらなくなりました。止まらない咳に続いて、発熱が3か月続き(こんなに続いたことは人生初なのでびっくり)、動悸も頻繁に生じるように。

ちょっとやそっと休んだり(連休)、リラックスしたくらいでは、ストレス因で現れたと思われる症状がなくならず、結局咳は10か月以上続き、熱は3か月続くなど、積み重なったストレスで発症した症状はなかなかなくならない、ということを体験しました。

今では、小一時間緊張しながら集中していると、動悸が始まるという感じで、45分くらいの集中が限界・・・となってしまいました(体調がいいときは、多少長くても大丈夫ぽいけど、あまり無理するとこの耐えられる時間がもっと減るんだろうな)。無理をして根を詰めて長時間働いてきたのが、結果として1日に働ける量が激減ということを招いてしまいました。はっきり言って自業自得です。

このようにして、心臓にきた負担が一気に押し寄せてくるのが心筋梗塞による過労死なんだろうな・・・と、奇しくも身体で実感してしまいました。
今後は、自分の身体をよりいたわりたいと思います。

みなさまもこのような状態になる前に、上記のような症状が出てきたら、早め早めにセルフケアしてくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?