【エッセイ】なにもいらない
なにもいらない、と思う。
それが物ならなおさらだ。
物はいつか手放さないといけない。どうにも手に負えない。
そしてあらゆることがひどく面倒だ。
このごろは、空腹でも食べることをあきらめてしまうときがある。買うのも用意するのも、食べるという行為すらおっくうだ。
でもやっぱり、お腹がすくと力が出ない。
よく食べ、よく動き、よく休もうと思っていた。今年の始めころのことだ。
そんなのは意識するまでもないと思っていたのに、そうそううまくはいかないらしい。
今なら、食べず、動かず、天井を見つめることを選んでしまいそうだ。
なにもいらない、と頭の中で繰り返す。
なにもいらない。
手始めに、面倒という感覚を手放してしまいたい。
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