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開幕!怪奇派プロレスラー総選挙

超が付くほど久しぶりの更新となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

「怪奇派プロレスラー総選挙」なるものを開催しております。
投票所はこちら→ https://kaikiha-so-senkyo.skull.jp/
皆さまが選んだ怪奇派プロレスラー・トップ3を投票いただいております。

おそらく投票受付は来年の1月中旬ごろまでと見込んでおります。
なぜかと言いますと、来年2/8土曜に開票イベントを新宿ネイキッドロフトで行うことが決定しているからです。
ランキング形式で投票結果を発表できればと思っております。既に多くの投票を頂戴しておりますが、来年の2月は先過ぎるのかチケットの動きはまだ鈍いです。是非ともご一考ください。

ネイキッドロフト詳細ページ
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/naked/132072

チケット購入ページ(イープラス)
https://eplus.jp/sf/detail/3138460001

イベントの詳細ページには「百花繚乱、魑魅魍魎――。プロレスファンの心を掴んで離さない歴代の怪奇派プロレスラー(たぶん)300名ほどから選ばれるのは誰だ!?」と書いてあるんですが、この段階ではエントリー総数300名ぐらいだろうとタカをくくっておりました。
今現在、あれよあれよという間にエントリーが1,000名近くにまで膨れ上がりました。もしかしたらまだ増えるかも知れません。この人数規模なのにプルダウン選択式ってのがもう怪奇だ、というご意見も頂戴しております。その通り!
ちなみにプログラム面はカテプロの前田さんが全て手作りで構築しています。エントリーもプログラムもイベントも手作りです。どうかお手柔らかに楽しんでいただけたら幸いです。

怪奇派とはなんぞや&エントリー地獄

プロレスの捉え方は十人十色”的”でありますし、怪奇派なんて言ったら余計に曖昧なテーマです。
この企画が走り始めてからというものの、怪奇派の定義やボーダーラインを聞かれることが増えに増えてメッッッッッッッッッチャクチャ苦悩しています。もちろんカタいこと言わずに楽しんでいただいている人の方が多いですけどね。
何をもってして怪奇派なのか。雑に一言で言うと「知らんがな」です。俺が決める立場ではありませんし、境界線を提唱する気はゼロ、一切毛頭ありません。そりゃ開催しちゃったんだから言われても仕方のないことですし、ある程度のご批判や異論みたいなことは受けるでしょう。ただ「どっからが怪奇派なのか」は選挙とは別のお話でございます。さらにただ、どっから怪奇派なのかなぁと宴席で語るのは楽しいですよ。聞かれちゃうと答えようがないので困るだけで。
今回のエントリー基準を強いてあげれば、公式サイトやプロフィール、記事、各書籍をdigって、怪奇派として括られているのを見つけたり、できるだけ記載を確認して増やしているわけです。さらに有識者・関係者によるツイートや当人による自薦、そしてイチ選手に対して多くの他薦など。なのに1,000名もの数に到達してしまった恐ろしさ。中でも多くは書籍やサイトを参考にさせていただきました。

リスペクトすべき書籍やサイト

これらがなかったらこれだけのエントリー数は不可能だったでしょう。尊敬の念をこめていくつか紹介させてください。

ミック博士の昭和プロレス・マガジン第31号http://www.showapuroresu.com/magazine/magazine31.htm
まずは「怪奇レスラー総進撃」として特集を行っているこちらの書籍から。私は中野ブロードウェイはタコシェさんで買い逃したので、PDF版で購入させていただきました。
特筆しておきたいのは、既にこちらのマガジン内の企画で「怪奇レスラー人気投票」が行われていることです。ちなみに開催・発行は2013年です。気になる順位は是非とも誌面で確認してみてください。その名の通り「昭和」のレジェンド怪奇レスラーたちがズラリと名を連ねます。
怪奇レスラーを語るには、まず読んでおきたい一冊です。

ミック博士の昭和プロレス・マガジン第36号
http://www.showapuroresu.com/magazine/magazine36.htm
こちらも類似となる「怪奇レスラーの逆襲」という特集号です。31号でも十二分に怪奇レスラーの歴史を学べますが、こちら36号でさらに手厚く紹介され、索引もできて分かりやすい。
この辺の時代を調べると意外なレスラーが怪奇レスラーとして括られていることも分かる。例えばヒーロー的存在で認知されているミル・マスカラスも、詳細が不透明だった頃は怪奇派として伝えられていた等、いかにも非・情報化社会な時代背景も楽しめます。今回の選挙で「え?バリバリのベビーフェイスなのになんでエントリーされてんの?」と疑問に思うレスラーが何名かいるかと思いますが、そういった事柄も拾っていってのことです。勉強させていただいております。
そういや昭和の時代は”派”がつかないんですね。いつ頃から言われだしたのだろう?

プロレス怪奇御伽噺 - 週刊ゴング編集部
https://www.amazon.co.jp/dp/4930943620/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_SiOYDbWW0W3P0
こちらは怪奇レスラーの紹介だけではなく、怪奇なエピソードを主にまとめた一冊。
「金貨を腰に巻いたまま大西洋に沈んだ怪人」なんて見出しだけでグッときちゃいますよね。上記2冊を読んでさらに深堀りしたい方におススメです。

悶絶!プロレス秘宝館 Vol.3 
https://www.amazon.co.jp/dp/4401700147/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_HrOYDbT06VNBS
ボリュームが半端じゃない「悶絶!プロレス秘宝館」の第3弾に「悶絶!怪奇レスラー大百科」というコーナーがあります。大百科の刊行宣言はディープなプヲタから大いに期待されたでしょうが、手塚先生のルードウィヒばりに途絶えてしまいました。怪奇レスラーのねつ造座談会なんてのもありますよ。
秘宝館はVol.1~3までなのでコンプリートしてみては。サブカル色強めのプロレス本。

原色怪奇派図鑑
http://www.asahi-net.or.jp/~qy3i-hmn/
URLの時点でレジェンダリー。説明不要なほどネット黎明期から高名なサイトですが、一応ご紹介しますと、いわゆる”ど”インディー系の選手がズラリと掲載されているのです。このサイトがなかったらそっち系の怪奇派レスラーは網羅できませんでした。確実に。

VANTAGE - Right On Time
https://youtu.be/JPKLnQO_eTs
ちょっと普通に好きな一曲紹介させてください。

鈴木健.txtブログ「怪奇派の“派”とは何か? 子ども心に不思議でならなかった」
https://ameblo.jp/kensuzukitxt/entry-12256490646.html
オールナイトニコプロ「怪奇派について語ろう」の詳細が書かれています。こちらでも怪奇派プロレスラーの投票が行われています。アンケート機能が使えるニコ生ならでは。
女子、新日、全日、インディー、海外などジャンル別に行われたのが特徴的。

ハッスル
http://www.hustlehustle.com/
そう、あのハッスルのオフィシャルWEBサイトは今も墓標のように存在するのです。不気味なぐらいそのまま。最終更新はどうやら2012/3/16のようです。
ハッスルといえば何と言っても「高田モンスター軍」にとんでもない数の怪奇派と言えるレスラーがウヨウヨいます。ハッスラーズのページでソートができますよ。
思い起こせばエスペランサーvsムタ withボノというビッグカードは、怪奇派同士による大戦だったことが分かります。

ローカルプロレスラー図鑑2016&2017
http://supertakoyakimachine.com/lwd/
100万円を超えるクラウドファンディングを行って出版を達成したことでも話題なこの図鑑も、エントリーに相当役立ちました。たこ焼きマシンさんの力作です。

そのほか、各年の選手名鑑やパンフレット、ムック本など挙げたらキリがないほど参考にさせていただきました。引き続きレコードマニアばりにdigりたいと思います。

怪奇派に思いを寄せて

怪奇とは、辞典曰く…

[名・形動]
1 あやしく不思議なこと。また、そのさま。
2 姿かたちが不気味なこと。また、そのさま。グロテスク。

ターザン山本!氏曰く…

送り手と受け手、その相互関係が歪ながら絶妙なバランスで成立するプロレス、ひいては怪奇派プロレスラー。言い方はおかしいですが、我々に素敵なちょっとした嘘をついて煙に巻いて消えていく怪奇派プロレスラーたち。軒昂としたいくつもの幻想を抱かせてくれました。最も心地良く人を騙してくれたのは、一体誰なのか。この選挙でその片鱗ぐらいは分かるかも知れません。

投票開始以来、様々なご意見をいただく中でも多いのは「ほとんど知らない!」というものです。無理して知る必要はあまりないと思いますし、それでもムタ、テイカー、カブキらは知られている凄みがあるので、それは票に表れてしかるべきだとも思います。
ここでは参考の一つとして、同じようにdigりたがりの人に向けた一つのきっかけとして、何名か紹介してみたいと思います。

20世紀最高の怪奇派!フレンチ・エンジェル

1940~50年辺りにこの選挙を開催していたらぶっちぎりでこの人が一位を獲ったことでしょう。

先端巨大症(身体の骨の節々や先端が異常に肥大し成長する)という希少な疾患を抱えていたプロレスラー。人呼んで「恐怖の類人猿」。
プロフィールによると、ロシア生まれのフランス人で、母親は自殺して父親は蒸発、パリの見世物小屋に預けられていたが、アメリカのレスラー一行にスカウトされ、海を渡ってアメリカの血でプロレスラーとして売り出されると瞬く間にメガ・スターへと駆け上った(とされる)。
高い一般認知度まで手に入れた背景には、持って生まれた愛すべきキャラクターもさることながら、1940年代のアメリカはテレビが普及していったこともあるかと思います。
メガ・スターらしく、検索するといくつもの写真がヒットします。怪奇レスラーらしいおぞましい写真から、キレイに着飾ったものまで色とりどり。
大変悲しい生い立ちですが、最期は仲間たちに看取られて息を引き取ったそうです。解決しようのない人生の難題を、プロレスで打開して生き抜いた不屈のプロレスラー。

他にも外見上の怪奇さを売りにして名を売ったレスラーは多数いて、無毛症のスカル・マーフィーも怪奇レスラーとして非常に名高い。高身長が売りのスカイ・ハイ・リーやモンスター・ロシモフ(アンドレ・ザ・ジャイアント以前のネーム)、270キロを超える超巨漢レスラーだったヘイスタック・カルホーンやマイティ・ジャンボーなど、一目で浮世離れした風貌と分かるタイプで、どなたもナチュラルなのにインパクトは絶大です。
ナチュラルタイプではありませんが、類人猿つながりで忘れちゃいけないミッシング・リンク。その名の通り猿から人への進化の過程で見つかっていない幻の生物という意味です。

テレ東の「世界のプロレス」、「プロレス★スターウォーズ」と日本での露出も多く、今でも脳裏に刻まれている人は多いでしょう。実際、現時点の票も厚い。

恐怖度ナンバーワン!
マイク・カーシュナーのスーパー・レザー

いにしえの話から一気にタイムスリップして、自分が体験した怪奇派を一つ。

いやもう、同じ体験をした人は間違いなく共感してもらえると思うのですが、ホントに怖かったんですよ。でもまたなぜか会場に足を運んで恐怖におののいて逃げまどいに行ってしまう。W★ING、Iジャ、FMWのマットで暴れ回ったのはご存知の通り。
スーパー・レザーの入場がアナウンスされ、轟音とFACE OF THE DEADが鳴った少し後にオイルの焼け付く臭いが会場を包む。大男が火花をあげてチェーンソーを振り回しながら徘徊すると、我先にと逃げ惑う観客が恐怖感を伝染させていく。自分の座席もへったくれもなくなり、いつレザーがまた追っかけてくるか分からない恐怖で皆一様に立ち往生。
他にもレザーはいたし、リック・パターソン版だって良かった。他のホラー映画から飛び出したジェイソンもフレディもキーパーもブギーマンもいて、みんな怖かった。だけどやっぱり、カーシュナーのレザーだけは別格なんです。
今はもう、レスラーが客席に雪崩れ込んできても逃げない光景を目にすることが多いでしょう。あ、いや、二人だけいたな。バラモン兄弟が。客席をグチャグチャにしてくれ願望が止まりません。

最多&最長の怪奇概念!ザ・マミー

スゲェ雑に説明すると、包帯グルグル男です。

マミーは大きく分けて二つ、昭和の時代に登場したベンジー・ラミレス版のマミーと、鶴見五郎率いる国際プロレスプロモーションを中心に現れたマミー。
他にもマミーは超多数存在して、ブラック、ブルー、レッド、スーパー、クローン、シャドウ、空手、メカ、獣神メカ、ウォーキング、蛇界などが現れました。海外ではSMW、WCWで同ギミックのレスラーが存在。派生数でいえば最多なのでは。

そして、特筆すべきマミー系譜のヒット作・メカマミーは2005年に出現。

07年には獣神メカマミーが誕生、18年にはメカマミーが久しぶりにALL DOINのマットに登場し、サバイバル飛田とシングルマッチを敢行。
UDONプロレスの四国怪奇派軍団には、マミーラミレスが出現し、2019年現在に確認が取れています。空手マミーもSECRET BASEなどで直近の確認が取れる。
で、元祖であるベンジー・ラミレス版マミーの登場は1961年なんですよ。
なんと58年も前なんです。そっからずーっとマミーはプロレス界に存在し続けているんです。まだ続きそうだし。
投票対象としてはバラけてしまうので選挙という戦いにおいては不向きかも知れませんが、怪奇派を語るうえで外すことのできないレスラーというか概念です。順位がどうあれ公開収録時にはもっと手厚く紹介したい所存でございます。

同名・類似にお気を付けください

マミーもレザーも派生しまくっているので投票間違いが懸念されます。というか既に間違い投票が確認されています(任意のコメントで分かる)。でも、実際に当時どれがどのレザーだったのか、そこまで深く考えずにその場を思いっきり楽しんでいた人もいると思うし、投票する側にそこまで正確性が求められるモンじゃございませんので、あくまで気楽に捉えていただければと私は思います。

一応、ちなみにレベルにですが、他にも間違えやすい派生・重複選手を簡単にご紹介しておきます。

まずはトップ争いが予想されるザ・グレート・カブキ。英語表記はThe Great Kabuki。昭和58年に日本に逆上陸を果たすと一躍大ブームを巻き起こした、怪奇派でありながら言わずと知れたスター選手で、引退後の現在もバラエティ番組の出演が多数あり、書籍も直近で出ています。
そんなカブキ選手ですが、実は二代目で、元祖が存在するんです。

レイ・アバーノという日系ギミックレスラーとして同じく米国で活躍していたフィリピン系と言われる選手です。カタカナにするとザ・グレート・カブキで全く同じ。カブキの英語表記が「Kabooki」なので、ここで見分けをつけます。全米初のペイントレスラーとも言われ、こちらもこちらでなかなか有名です。投票の際はお気を付けくださいませ。

続いてケンドー・ナガサキ。泣く子も黙る落ち武者スタイルの装い。本名の桜田一男としても有名です。
こちらも元祖が存在して、ピーター・ソーンリーというイギリス人が同名を名乗っていました。

その名の通り剣道ギミックの恰好をしていますが、キャッチコピーは「センセーショナル・マスクド・柔道・エキスパート」と色々渋滞しています。64年にデビューしているそうです。
マイナーなレスラーではなく、本国のイギリスでの人気は国民的で、オーストリアにドイツ、日本やカナダなど世界狭しと転戦。ビル・ロビンソンやリヴァプールの風になる前の山田恵一(フジ・ヤマダ)との対戦経験もあったそうです。
ちなみに桜田先生もソーンリー先生も自伝を出版されています。
同名の選手がいる場合は「○○版」と表記してありますので、投票の際の参考にしてください。

それでは来年2/8土曜
新宿ネイキッドロフトでお会いしましょう

このように数名触れただけでもこの深度。
デトロイトの帝王と言われる名プロモーターでありながら晩年まで怪奇派スタイルを貫いた希少な存在のザ・シーク、今年ますます怪奇派度を高めた現役トップランカーと思われるブレイ・ワイアット、テイカー以前のWWF怪奇派トップだったジェイク "ザ・スネーク" ロバーツ、DDTファンタジー路線の象徴であり唯一無二の蛇界・ポイズン澤田JULIE、ぬらりひょん級の怪奇派総大将であるケビン・サリバン、ムタに次ぐ天才の怪奇派・新崎"白使"人生、WWE王座を3度も戴冠しハードコアスタイル&怪奇派でトップを獲ったマンカインド、TNAのハードコア路線を支えたアビス、本名のまま怪奇派に転向して現役最後までクチを開かず幕引きしたプロ中のプロ・飯塚高史、思いっきりパクったうえにあそこまで振り切れるのはさすがとしか言いようのないグレート・ニタ、大が二個付いちゃってる大・ポーゴ大王、もはやレスラーと呼んでいいのか不安な怪奇中の怪奇・原始猿人ヴァーゴン、FMWエンタメ路線の気合いを感じたバイオモンスターDNA、遅咲きの大輪の花を咲かせたノットヒューマン・PCO、暴動込みで忘れられない海賊男、スーパー・ストロング・マシン引退興行で感じた魔界倶楽部の絆、カリスマ性すら発揮したウィロー、カテプロの推しである井上雅央似の足立区の巨大モグラ等々! 一票を投じるに値する選手は山の如し! 死ぬほどいらっしゃいます。
怪奇派がいかに横に広く縦に深いか、何となくでも伝われば幸いです。というか私がそれを痛感しています。

皆さまと一緒に結果を楽しみにしたいと思います。どうか清き怪しき一票をお願い致します。

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