見出し画像

私の「棚卸し」①ーライフシフトを模索

 手術を先延ばしすると決めた私。
自分の生き方をあらためて考えよう、と思いました。自分にとって、死ぬ前に絶対に成し遂げたいこと、やりたいことは何なのか。残り時間(自由に動ける時間)が限られているなら、何を優先したいのか。

忙しくて流れに巻き込まれ、これらのことを考えたいのに見て見ぬふりをしてきた。今はいいチャンス、いや、むしろ取り組まなければいけないときだ。これらのことを改めて吟味して取捨選択し、1つ1つやっていこう、と決めました。

まず、以下の点に着手しました。

①   勤務先に、配置転換をお願い
②   自分の「棚卸し講座」に通う

私の仕事は不規則なうえ、突発的な事象に対応することが多く、気力・体力ともに負担もストレスも大きいものでした。そのため、勤務内容が規則的で、ある程度先読みが可能な職場への異動を願い出ました。規則的な働き方に変えたら体調に影響があるのか見極めたかったし、病気発覚からこの時に至るまで約半年間で心身共にかなり疲弊していたのも事実なので、少しペースダウンしたいと思っていました。

上司には病気についても、人間ドックの段階から常に伝えていました。何せ私自身もよく理解できていない状況で、上司もどこまで理解していてくれていたかは定かではありません。ですが、心情などを幸いにもすぐに理解してくれて、社内の別部署に異動することができました。

 ②の「棚卸し講座」は、以前テレビで見かけて気になっていたものです。自分自身の強みや得意なことを見極め、武器となるスキルを自覚し磨くのが目的です。満足のいく転職や納得いく生き方をするために、何をしているときに楽しいと感じるのか、何が得意で不得手か、どんなことにわくわくするのか、といった事柄を洗い出し、それが職業や働き方にどんな風につなげられるのか、を考える講座です。

参加者は、仕事や人生の経験をある程度積んだ30代以上が多く、ライフシフトを模索するきっかけで通う人が目立ちます。3カ月ほどかけて毎週末、通う必要があり、課題もその都度てんこ盛りとのこと。でも、これが今の私に必要なものだ!と感じ、えいやっと申し込みました。

同じ職場や環境に長くいると、どうしても同じようなスキルや知識、思考やバックグラウンドを持つ人が集まりがちです。でも、この講座では年齢、経験、志向もばらばらの人たちが集まってきます。

まずは自分の子供時代を振り返り、何が好きか、どんなことに興味を抱くのか、生きていく上でどんなことに価値を置いているのか、といった事柄を徹底的に洗い出します。そしてそれらを同じ講座に通うクラスメートに聞いてもらい、お互いに意見や感想を言い合うのです。社会の一員として仕事するなり生きていく限りは、「第三者」による評価や意見が大事だからです。


こんな風に自分の強みやこだわりを書き出し、どんなことができるか皆で口々に言い合います。

多様な視点の中で揉まれることを繰り返すと、斬新なアイデアがどんどんと生まれてきます。そうやって自分自身の「好き」や「これをやりたい!」といった事柄を研ぎ澄まし、最後には自分自身の未来予想図「ライフキャリアマップ」を描きます。

ライフキャリアマップとは、「今後、自分が何をしたいか」を、「●歳で●をする」と具体的に書き出していくのです。視覚で確認することで次にどんなアクションを取るべきか、そのためにどんな資源が不足しているのか、が見えてきます。そうすると、また次に取るべき行動がわかるのです。

自分自身では「役に立たない」「つぶしがきかない」と思っていたスキルや知識が他人から見たらとても斬新なものだったり、何の関連もないと思っていたジャンル同士でも掛け合わせたらより面白くなる可能性があったり。目からうろこのアイデアや視点が次々と生まれます。クラスメートは職種も業種も、年齢も家族構成も出身地もさまざま。もちろん趣味も価値観も多種多様です。彼らは、使い古した?私のスキルや知識も、新鮮で貴重なものだと教えてくれました。

 この講座で実践したこと、学んだことが現在に至るまで、本当に役立っています。自分自身を振り返り、何もかもさらけ出す作業は大変でした。でも、自分を再発見し、他人から評価されるのは心強い体験でもありました。みんなとわあわあおしゃべりする中で「こんなこともできる、あんなこともできるよ!」とお互いに夢を広げていくことができて、とても楽しい作業です。

学びもですが、この講座でつながった仲間もとても大切な財産です。

つづく…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?