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誕生日おめでとうとは似つかないメッセージを、26になる君に贈る。

近すぎて
あまりに自分と近すぎて
見えないものって

誰にだってあると思う。

大人になってやっと見られるようになったものもあると思う。

私にとってそれは
自分の弱さや過去のつらかった気持ち。

旦那がいつもそばにいてくれる安心感から
受け入れられるようになったもの。

東京に来て
土地を離れて見られるようになったものごと。

その見られなかったもののひとつに
「聲の形」
という映画がある。

映画を仕事のひとつとし
作る側にまわったわたしにとって
夢中になって物語に入り込むということは
ご無沙汰であった。

作り方を知ると
どうしても
作り手の視点で見てしまい
分析的な視点になる。

するとできなくなったのが
入り込むということ
熱中するということ。

大人になって気づいたことだが
私は比較的、人より冷静なタイプで
物事を冷めた目で見る傾向にあり
それは分析的視点が強いためというのもあるが
熱中を避けることにより
自分の心を守っているのだと思う。

そして、聲の形を観ようと思ったのは
今日誕生日の親友が
その話に出てくるある女の子を
「本当にひどい奴で共感できない」と言っていたので
観てみたくなったのだ。

そしてこの物語を観るに至ったのは
すすめたのがその親友だからで
その親友が、この物語のテーマであろう
「いじめ」から私を救ってくれた過去があり
彼女に対しての全信頼を置ける
全信頼を置けると心から言える友達は
きっと彼女一人だけであろう人物からの
勧めだったからだ。

それくらい、私にとって「いじめ」というテーマは重く
こわい。

憎らしいし
悲しい。

さて、今日はそんな親友(彼女はとても面白くて明るく、やさしい。でも隠れ繊細さん。そんなところが私は好き。)の誕生日なので
明るい話をしたい、と思うけど
私は明るい話が苦手である。

自己防衛本能からか、暗い話が落ち着くのだ。

だからごめんね、会ったときに楽しい話をするから
ここではこの映画の感想を淡々と述べてみる。
そしてそれとともに、親友へのメッセージをここに記そう。

石田の話から送るメッセージ

まず、私はこの物語を観て
とても尊敬した石田の話を題材に。
なぜなら、自分の過ちにどこまでもまっすぐ向き合って
受け入れてきた人
だから。
弱い心を、無理に変えようとしなかった人だから。

そして私は、それができなかった、と思った。

無視や悪口がつらくても
相手があやまれば「いいよ」と許し
仲いいふりをした。

大学生になってばったり会っても
「ひさしぶりー」と何にも覚えていないようにふるまった。

見て見ぬふりをしていた「友達」のことも
「しょうがない」と笑ってごまかし
自分の心を無視してきた。

それは私がいいこだからだったんじゃなくて
私は自分のことを大事にできない
自分の心を守ることができない子どもだったからだ。

いつだって幸せそうに
笑っていなきゃと思ってた。

そのまま社会人になって
そして限界が来て心の調子を崩したとき
笑っていなくてもいいと思えるようになった私は
きっと成長なんだと思う。

だから親友へ。
つらいことがあった日は
明るくいなくていいのだ。

繊細を隠さなくても、隠れちゃったらそれでもいいけど
私ができることは少ないが
絶対否定はしないから。

川合の話から送るメッセージ

つぎに、親友が大嫌いと言っていた
川合さんについての話をしよう。

親友は彼女を受け入れられないと言っていたが
私は彼女について、わからなくは、なかった。

自分と人の愛し方がわからなくて
まちがった愛し方をしてしまっているだけなのかもと思ったり

小さいころに大事な人から愛されなかったのかもと思ったり

要は、すごく悪い極悪人ということではないと思った。

でも、こういう人が一番たちが悪い
ということは、少ないが濃い社会人生活の中からわかってきた。

川合さんのように、自分のことが大好きで
自分の解釈が100%と思い込んでいる人は
少し、いやかなり、たちが悪い。

親友は人の見極めがとても上手で
しかも強くもふるまえるから
きっと大丈夫だと思うけど

もし、たちの悪い先輩や後輩や同僚にぶつかることがあったら
一緒になって愚痴を言おう。

これも社会人になってわかったことだが
信頼できる人との間で愚痴をこぼすことは
大変心が救われる。


最後に


私はこれを書いていて
こんな話を送れる友達がいることが
とてもうれしく誇らしい。

そして年々
話の内容が恋バナから受験の話から
将来の話や現実の話夢の話
どんどんジャンルが広がって
深まっていくのがとても楽しい。

来年はどんな話をしようか。
おばあちゃんになったらどんな話で笑いあおうか。

今年も素敵な年になりますようになんてありふれたメッセージではなく
君には、今年もたくさん面白いネタ仕入れて来いよ!
という言葉を贈って
この手紙を締めくくろう。

それでは今日もありがとう。
25歳も精一杯生きててくれてありがとう。
お誕生日おめでとう!!



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