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にんげんの理想とか現実とかギャップとか<AS生作品紹介・その1>

いよいよ来週の2/21(日)ー23(祝)に学校開催(予約制)で公開される卒業制作展に向けて、AS生の展示作品の紹介をしていきたいと思います。

まずは、O.Mさん。現代美術の分野でこれまで絵画からインスタレーションまで様々な作品を手がけてきました。今回は学校での大型のインスタレーション作品の公開を目指し、目下、制作に取り組んでいます。

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あなたの理想はなんですか。あなたはどんな現実の中で生きていますか。そして、その現実とあなたの理想に、どのようなギャップが生まれていますか?

私には、とてつもなく大きな理想があり、生きてしまっている現実があり、そしてその現実と理想の間に大きなギャップを抱えて生活しています。私はそのギャップを抱えるにはとても重く、邪魔で、つらいです。ギャップは私を苦しめます。

理想やその人が生きる現実、そのギャップの内容は人それぞれ異なり、それに対し自分自身がどう感じるかも人それぞれ異なるでしょう。また、自分以外の人間の理想や現実やギャップの見方も人それぞれ違って見えるのでしょう。

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さて、私の作品テーマは「理想」「現実」「ギャップ」です。タイトルも「理想 現実 ギャップ」です。はっきり言って私は周りの人間から「どうして?」と思われるような人間だと思います。私は周囲の立派な人間に比べると、「だめにんげん」だなと感じる時があります。周りの人がすごく立派に見えます。だから、自分を含めたこの現実がすごく辛くて、その辛さを埋めるかのように、私の理想は、とても高いのです。当然、その間のギャップはとても大きい。私は自分で自分を苦しめるのです。

特に2020年はそのことが頭を支配していました。他のことを考えようと思っても、なかなかできないでいました。そしてできない自分をまた責めました。しかし時間は私の方を見向きもせず、進んでいきます。私は焦りに焦りました。どうしよう、何かしないと、何かしないと私は、私はもっと.......。

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そこで私は閃きました。ならいっそのこと、2020年の私の頭の中をそのまま表してみればどうかと。今の私にできるのはこれしかないが、これがベストかもしれないと。「頭の中をそのまま表す」ことが上手くいかなくても、その大元にあるものは私が嫌でも毎日考えてしまうよく知るものだから、ある意味、迷走することはないだろう、と。このような経緯で今回の作品を制作しました。

甘い理想だけで固められた、その意味自体がグロテスクにも思える塊。死体のような自分が積み重なり山となり、自分の前に立ちはだかる壁。誰かを何かを気遣うことなく、ただ川のように、風のように流れる時間。

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今の私が考える理想と現実とギャップから、私の考えを感じ取っていただいても、別のことを感じ取っていただいても、特に何も考えないで見ていただいても、正解はないと思います。あなたの理想、現実、ギャップはなんですか。少しでも作品に興味を持ち、この記事を読んでいただいたことに感謝いたします。

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今回の集大成の増殖を完了したO.Mさんの作品「理想 現実 ギャップ」は、232教室にて展示公開いたします。ぜひ、ご高覧ください!

●阿佐ヶ谷美術専門学校 卒業・修了制作展 (予約制にて公開)

12/21(日)ー23(祝)10:30-18:00      https://www.asabi-sotsuten.com

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