語彙の増やし方
語彙力は、思考力に直結する。
これは先日の記事でもお伝えした。
この記事の中で
子どもの語彙を増やすためには、
ドリル ではなく、親子の会話 である
と、締めくくったのだが、
そこをもう少し具体的に掘り下げていきたいと思う。
たとえば
大河ドラマから戦国武将への興味が芽生えた子どもと、
連休を利用して城に観光に訪れたとする。
天守閣
物見やぐら
外濠
内濠
城壁
石垣
城門
岡崎城、
徳川家康
武田信玄
信玄餅
甲斐
…
城には子どもにとって
聞き慣れない言葉がたくさん転がっている。
子どもにとって聞き慣れない言葉に対して
大人が
その子がこれまでに有している
知識 や 経験 とつながるように、
その新しい、聞き慣れない言葉を
子どもの知っている言葉で
子どもが理解できる表現で
「あ~、そういう意味の言葉ね!」と、
理解できるかたちでかみ砕いて説明してあげる。
物見やぐらの説明だったら、
「物を見るためのやぐらで、物見やぐらだって。
ここから敵を見はったり、敵が来たら矢を放ったりしたらしいよ。」
「やぐらって、この前のサザエさんのお祭りのシーンで
真ん中にあったような高い台のことね。」
「○○の好きな将棋の守りの陣形のひとつにもやぐらってあるよね?」
「高いところに登ったら、よく見えるっていうけど本当かな?
○○はどう思う?何か高いところ登ったことある?」
外濠、内濠の説明だったら、
「濠、城をぐるっと囲むでっかい水たまりのことだね。」
「城が真ん中にあって、
城から見て近いほう、内側にあるのを内濠、
遠いほう、外側にあるのを外濠と言うらしい。」
「ドッジボールでも中・外、同じ内と外の漢字を使って
内野と外野って言ったりするね。」
「野球でも内野と外野って言うね。
あれはどこから見て内、外なんだろう?」
「外堀を埋めるっていう言葉は、
城を攻める時にはまず外濠を埋めてしまえって
ところからきた言葉らしい。」
石垣の説明だったら、
「石でできた垣で、石垣だね。」
「垣ってあれね。
『この竹垣に竹立てかけた』にも出てくる垣のことね。
竹で作った家の周りをぐるっと囲ったやつが竹垣ね。」
こうした経験や体験に基づく
親子の会話を通して
子どもがこれまでに形成してきた
知識 という名の 網 を少し延ばしてあげることで
新たな言葉は獲得される。
新しい言葉は、あくまで、
子どもの 知識 や 経験 の先にあるもの、
子どもの これまで と結びつくことで
はじめて獲得されるものであって、
決して語彙力アップを謳うような
ドリルを用いて増やしていくものではない。
ドリルで出会う言葉は必ずしも
子どもの 知識 や 経験 と直結していないから。
というのは理解して頂けるだろうか…。
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