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『すばらしき世界』を観ました@Amazon Prime

えらいもん、観ちまったなぁ。

西川美和監督!素晴らしよ。
是枝班で修行したって聞いたことあって、それから追いかけるように西川監督作品を観てる。

今回も面白かった。
役所広司の演技には、見入る物がありましたよ。

観ていて苦しいのだが、見続けたい思いの方が勝つんだよ。
そんな映画。

中野大賀もめちゃくちゃ良かった。
チョロ、良いお父さんやったんやなぁ。って思うよ。

人生のほとんどを刑務所で過ごした元ヤクザが出所してシャバでどう暮らしていくか。
原作があって、作者は実在の人物を取材して本にしたようである。

普通に生きていくことの苦しさがうまく表現されていて
観ているこちらも苦しくなっていった。

ヤクザの縦社会。刑務所での規律。
これが染み渡っている主人公にとっては、世間は中途半端でズルくて汚い。

「俺は正しいことを正してるだけじゃないか」と言わんばかりの表現に、
そうか世間は結構良い加減で中途半端、半端もんが往来を歩いてるんだなぁと感じ入ってしまった。

そんな彼の生きづらさにやっぱりちゃんと見てくれる人がいて、
支えて理解してくれる人達がいる。

生活保護を受けた際にも行政に人に「携帯電話を持つことは贅沢ではありません。世間と繋がりを持ち続けてください」とあえて進めていた。

人は繋がりを断つと生きにくくなるもんなんです。
「繋がり」を感じるだけでも良いのかもしれませんが、
やはり、ネット、VR、AIでだけでは限界があるのだと思います。

音声だけでもいい。電話で話すだけでもいい。
誰かとの繋がりを大事に、心を、潤すメンテナンスをすることはとても重要な健全な生き方、暮らし方だと思います。

役所広司の演技に魅了されながらも、そんなことをつい考えさせられる作品でした。

西川監督!本当に良い作品をありがとう。


⚫️東川哲也 official web site
http://asone-labo.com

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