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#3 歩く木物語 〜成長の限界〜

全5回にわたって、ARUKUKI誕生の物語をご紹介していく「歩く木物語」。今回は第3回「成長の限界」です。

前回までの記事はこちらです。

#3 歩く木物語 〜成長の限界〜

つまらない男と迷惑な女が出会い、結婚をした。

私たちはお互いのシャドウに自覚的であり、対人支援のプロフェッショナルでもある。お互いに前の結婚の時には、望まない結末(離婚)を迎えることとなったけれど、今回の結婚は大丈夫だ!と希望を持っていた。

価値観も合うし、対話をする時間も意識的に持っているし、お互いの弱みもさらけだせる。

しかし、その希望も数か月で打ち砕かれた。2人の間に小さな違和感が現れ始めたのだ。

​夫婦の間で、つまらない男と迷惑な女のパワーが無意識に発動した。おくちゃんは場の雰囲気を明るくしようと一生懸命になった。こっちゃんは、そんな彼を見て、面白いと思っていないのに愛想笑いをした。

そして、2人はどんどん疲弊していった。

私たちは関係性を良くしようと、旅行に出かけたり、対話をしたり、同じ分野の勉強を始めたり、様々なことにチャレンジした。

しかし、関係性は悪化の一途を辿り、頻繁に不毛な喧嘩をするようになった。ついに、こっちゃんが絶望した。お互いに「夫婦で成長していけると思っていたけれど、この関係にうんざりしている」ことを認めた。誰も悪くないし、お互いに努力しているのも理解していたけれど、私たちにとって大切なことがだんだんとぼやけていくようだった。

​私たちは自分たちだけではこの課題に向き合えないことを痛感し、夫婦カウンセリングを受けることを決めた。

夫婦の間に第三者が入ることで、これまで無意識に抱えていたものに気がつけるようになっていった。そこで言われて救われた言葉がある。

「喧嘩出来るのは大切なことですよ」

​お互いに大切にしているからこそ意見をぶつけ合える。お互いに譲れないからこそ喧嘩が出来る。そう気がつけたところから、私たちの関係性はシフトし始めた。

(第4話につづく)

ちょこっと解説

ここから先は第3話のちょこっとした解説だよ!

おくちゃん・こっちゃん夫婦は対人支援のプロフェッショナルであり、人の心の働きの知識や関わり方の経験が豊富ではあるが、自分自身のことは死角領域だらけである。

だからこそ、対人支援者であっても定期的にコーチングを受けたり、カウンセリングを受けることが必要だと言われている。
2人もそれまで、個人でセッションは受けていたが、それは主に個人の内面を取り扱うものだった。

夫婦の間には関係性がある。2人でセッションを受ける場合は、個人の内面ではなく「関係性」を扱う。第三者が入ることで、夫婦の関係性の中に、先祖代々から受け継がれてきている文化やシャドウなど、自分たちでは気づけなかったことに自然と気がついていけるようになる。その気づきが癒しと成長につながっていく。

​夫婦に限らず、チームや組織の関係性にも第三者の支援や伴走が効果的であることが近年注目されている。


ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回は「#4 歩く木物語 〜本当に見つめるべきもの〜」につづきます!

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