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川面に泡沫の 写真展などの「キャプション」と「ステートメント」について

写真展などで「キャプション」と「ステートメント」という言葉が使われます。たいていはどちらも文章なのですが詩なども使われるようですね。ここではとても簡単に私なりに整理してみました。

「キャプション」は説明文です。「キャプション」は相手のためにあります。それで客観的に分かりやすく書く必要があります。作品の理解を助けるために書くのですから難解な文章や言葉はNGです。難解な言葉を使うのならその説明もあったほうがいいです。「キャプション」は「テーマ」と関連していると思います。

いつ、どこで、どういう人々やモノゴト、出来事を撮ったのかの説明です。作品を見る時のきっかけ、ヒントにしてもらうために書きます。作品の入り口で興味を持って中に入ってもらうためなのですが、あまり説明し過ぎるのは好ましくないと思います。作品を「このように見てください」という誘導になってしまうと、見る人は自分の思うように見たいのに、自由に見れなくなってしまうからです。

いっぽう、「ステートメント」は声明文です。「ステートメント」は自分のためにあります。それは意思表示であり主観的なモノです。自分の写真観みたいなモノを今回の作品で反映させたことを書きます。自分が必要と感じたら難解な文章や言葉を使ってもよく、伝わることは最優先のことではありません。極端な場合、作品と直接には関係ないことを書いてもいいのです。

自分が思うことを写真展などでやりたいカタチで発表したのですから、伝わらなければそれはそれで受け入れるしかありません。写真展に限らずSNSなどでも、伝わるかどうかは発表しないことには分からないのです。「ステートメント」は「コンセプト」と関連していると思います。

「ステートメント」にはポエムのような表現もあるようです。ただ、詩も表現、アートなので写真がメインなのか分かりにくくなる気がします。もしかすると詩のためのイラストレーションに写真がなってしまうことも起こり得ます。小説の挿絵みたいに、ですね。

もちろん写真と詩をセットで作品とすることもできますが、両者をバランスよく扱うことは難しくて、言葉のほうが目立つように思うのです。「ステートメント」では説明的な要素はないほうがいいと思います。

               (2024年4月中旬・大阪ミナミ、道頓堀)

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