見出し画像

Renovation Works|ワンルームで回遊?ゆとりを楽しむ愛犬たちとの日々

インテリアの仕事に就いているNさん。リノベーションの予定もない頃から、WEBや雑誌を眺めては理想の部屋のイメージを膨らませていたといいます。物件を探して出会ったのは、真四角の部屋の中央にバストイレ等の水回りが纏まっている、ユニークな間取りの約90平米の部屋。リビング一面を覆う掃き出し窓に通りの木々の緑が溢れる景色に一目惚れで購入を決意しました。とはいえ、間仕切りで仕切られ暗い空間も多かった室内。期待と不安を抱えながら、いざ、アートアンドクラフトへ!リノベーションのテーマは「回遊」。7件の賃貸暮らしを経てワンルームの便利さを実感していたことから、個室は不要、広さはゆとりに活かし、愛犬2匹と悠々と過ごせるワンルームを目指しました。

エントランスホール。壁紙はモリスヘリテージカラー『ivory』。「光の加減で色の見え方が変わり、また建具のペイントの白とも引き立てあっていて、とても気に入っています。(Nさん)」
エントランスから寝室に抜ける動線。収納の扉は木目を生かしたレッドオーク色に塗装。
床はアンティーク風タイルのレンガ貼り。「広々と作って頂いた玄関は部屋の外の景色まで抜けて見えて開放的で、出かける前も帰宅後もゆったりとした気持ちにさせてくれます。(Nさん)」
エントランスとリビングの間の”ホール”はゆとりを楽しむ空間。「使い方を楽しく試行錯誤中です。ちょうど撮影時には、ここにクリスマスツリーを飾りたい!と思っていた夢が叶えられたところでした。(Nさん)」
キッチン腰壁にはレンガタイル。海外のインテリアのイメージ写真から、ブリック色のタイルで、立体的な箱のようなスペースに。キッチンの横の細長いスペースは、もっと面白い使い方ができないかと考えているところだそう。
配管処理のために出来る床段差も軽いステップやアールにすると印象的に。「階段のアールのラインは、図面で見たときから心躍りました!(Nさん)」
キッチンはL字型。カウンター下は、扉の無いシンプルなつくり方をすることで使い勝手良く。
ダイニング横のデスクカウンター。メイクやドライヤー、パソコン作業など雑多な用事がここでできるおかげで、ダイニングテーブル上に何もない状態を保てているそう。厚み36㎜の「Fumed pine」を天板に。浴室の小窓とも良いコンビネーション。
洗面台から鏡越しに外のグリーンを眺められたらと、浴室からベランダに向けて小窓を設置。「この窓のおかげで洗面所にも自然光がほんのり入り、またリビング側から見たときにも窓枠内の景色がちょっとしたアートのようで気に入っています。(Nさん)」
リビングの正面にはディスプレイを意識した本棚。窓も取込みランダムな棚のデザインに。
天井は躯体現しで壁紙と色合せした塗装で程よいラフさ。質感のある建材は存在感が違います。
マンションの管理組合からの要望で急遽採用した、遮音フローリング。表面に天然木が貼られているので木の表情が活きています。
LDKを進んでいくと、ラバトリー前の愛犬たちの空間へ。ゲートの存在も違和感なく、みんなが伸び伸びと過ごせる空間に。突き当りはベッドスペース。
ゆとりのある室内でここだけはコンパクトなベッドスペース。隣接して大容量のW.I.Cと洗濯機置き場があり、使い勝手は抜群!
洗濯機を敢えてラバトリーの外に出したのは、W.I.Cとの動線を重視したから。スチームアイロンも直ぐにかけれるように、洗濯機横にはフックを壁づけ。
プランニングの中央、コア部分はラバトリーとバスルームに。このコア部分を回るように進んでいくと1周してエントランスホールへ。
ラバトリーは一転して、壁紙はモリスヘリテージカラーの『brick』。「真っ白の無機質な空間になりそうだったところ、一森さんが提案してくださり思い切って最後にブリック色を選びました。完成までドキドキでしたが、このカラーにしたおかげでシンクやカウンター、ランプ、ペーパーホルダーなどのパーツが一気に纏まったと感じます。生活していて色々な角度からこのラバトリーの壁の色がちらっと覗くのが好きです。(Nさん)」
ラバトリーの中のトイレ。床はホワイトカラー目地入りのPタイル、クロスはアートアンドクラフトおすすめの塗装に近い質感のホワイトクロス。
違う趣の空間を通り抜けていくのがおもしろいのです。



入居者の声

キッチンから臨む、リビングダイニングの景色が好きです。主に勤務先のインテリアショップで購入し集めてきた家具や雑貨がしっくり馴染み、一段上がったキッチンから、その光景越しに造作棚の窓の景色を眺めては幸せな気持ちになります。(初夏の頃この窓一面にハナミズキの花が満開になり感動しました!)
要望はいざ纏めてみるととりとめもなく、伝わるか不安でしたが、打ち合わせでは写真一枚一枚一緒に見ながらこのイメージのどの箇所に魅力を感じているか確認してくださり、好みを丁寧に汲み取ってくださったのが印象的でした。約3か月間の打ち合わせ期間で熟考した間取りに身を置き一つ一つ選んだ建材を見る度触れる度、理想以上の住まいに仕上がった喜びを日々感じています。回遊できる間取りは本当に便利で、暮らしていて楽しさも感じます。犬たちもすぐに回遊できる造りを把握して、先回りしたりしながらぐるぐる追いかけっこしていてこの間取りを楽しんでいるようです。(Nさん)

OUTLINE

物件名/N邸
所在地/芦屋市
構 造/RC造
築年月/2001年
竣工月/2023年3月
施工面積/89.14㎡

*工事費:非公開

写真:平野 愛

担当者より

「問い合わせたいくつかの会社でお話する中、一人暮らしのリノベーションは少数派なのだと感じるような場面があり少々不安を覚えていました」Nさんが初対面でされたお話です。(そんな方、実は多いのです)その不安感たるや…私たちの「オトナのひとり暮らし」への想いをお話し、深く理解していただいたその初日のことが忘れられません。
希望の建材に出会うまでたくさんの時間を費やしていただき、設計途中でマンションの規定により急遽フローリングを変更しなければならないハプニングなどが起こりましたが、いつも迅速にご対応いただいて感謝しております。そして、何よりも楽しかったです!ありがとうございました。(一森)

STAFF

アーキテクト:一森典子

コンサルタント:上原にいな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?