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#2)クリスト&ジャンヌ=クロードの亡き後のアート・プロジェクト「凱旋門のラッピング」

クリスト&ジャンヌ=クロード(Christo and Jeanne-Claude) は、ご夫妻は、「クリストとジャンヌ=クロード」名義で創作を行い、布で景観や施設を一時的に包むアートプロジェクトを主にを展開した、その流れを垣間見る。そして、亡き後も、それが続けられるのは、表象には、コンセプトが重要だということだろう。そこには、スタッフ(クリストとジャンヌ=クロードスタジオ)の表象の原点についての問いかけもあるだろう・・・

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Fig.l’Arc de Triomphe, Wrapped-2021

略歴-Christo & Jeanne-Claude
1968年、*ドクメンタ4(documenta 4)のプロジェクト(ドイツ、カッセル)あたりから、その活動は始まる。
1969年、「梱包された海岸」(オーストラリア)
1983年、「囲まれた島」(アメリカ、フロリダ州マイアミ)
1985年、「梱包されたポン・ヌフ」(フランス、パリ):セーヌ川にかかるパリ最古の橋を完全梱包
1991年、「アンブレラ・プロジェクト」(アメリカ、カリフォルニア州および、日本、茨城県):太平洋を挟み、カリフォルニアの砂漠地帯に1760本の黄色の傘を、茨城県の水田地帯に1340本の青色の傘を同時期に点在させた。(註)アンブレラ 日本=アメリカ合衆国1984-91
・・・・・・・
2009年、妻のジャンヌ=クロードは、75歳で死去し、その後はクリストのみでプロジェクトを実施していた。

2016年、浮き橋を布で包み島と島を結んだローティング・ピアーズ(イタリア、イゼオ湖、2014-16)
2018年、The London Mastaba(ロンドンのハイドパーク内にあるサーペンタイン・レイクに、7506個のドラム缶を積み上げた)
2020年、そして、クリストは、パリの凱旋門を梱包する作品「l’Arc de Triomphe, Wrapped」(包まれた凱旋門/Project for Paris, Place de l’Étoile-Charles de Gaulle)を発表する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で2021年9月に延期。

訃報を伝えたクリストとジャンヌ=クロードスタジオ(クリストの事務所)は、Twitterで「クリストとジャンヌ=クロードは、ふたりの亡き後も進行中の作品を継続することを常に明言してきました」している。それは、凱旋門のラッピングは予定通り行われるという事だ。

Christo et Jeanne-Claude | Exposition | Centre Pompidou

Christo interview: "Every interpretation of my work is legitimate" | Art | Dezeen


(註)*ドクメンタ(documenta)とはドイツ連邦共和国中央部(かつての東西ドイツ国境付近)、ヘッセン州の古都カッセルで1955年以降、5年に一度行われる現代美術の著名なグループ展である。


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