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(今日のランド・アート)Michael HeizeのLevitated Mass(空中浮揚する塊)と奈良の石舞台古墳

「Levitated Mass」(浮遊する塊)LACMA (Los Angeles County Museum of Art-2012年)は、ランド・アートとして、近年極めて著名だ。視覚と認識と言う概念を考える現代アートだろう。そして、それは、奈良の石舞台古墳に近似してないだろうか?

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Fig.Levitated Mass

マイケル・ハイザー(Michael Heizer,1944- US)
当初は、大規模な重機まで使った70年代の作品もあるが、「Levitated Mass」(浮遊する塊)-Los Angeles County Museum of Art-2012年
「Levitated Mass」(浮遊する塊)で、マイケル・ハイザーは何を伝えたかったのだろう?
その展示おいて、「運搬と設置にだけに、なんと1000万ドル(約10億7,146万-2020.7.22現在)もかかった、美術作品だ。」というのが、スタンダードな視点かも知れない。
ただ、LACMA( Los Angeles County Museum of Art)に展示されているから、それはランド・アートなのかも知れないのだ。多様な視点(見る者の極)は、実に多感で多様だ。
それは、日本国内では、奈良の石舞台古墳を連想するのだが・・
奈良の石舞台古墳に「Levitated Mass」(浮遊する塊)が、そっと置いてあれば、どうだろう?
現在(2020年)、石舞台古墳は、時間軸の遡って、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)世界文化遺産に、暫定リストに記載されている、それは、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群として、本薬師寺跡などの仏教寺院、高松塚古墳、キトラ古墳など共に、この石舞台古墳は、そう言う位置づけなのだ・・・

奈良の石舞台古墳 02

Fig. 石舞台古墳(奈良県明日香村)


視覚と認識行動科学と言う事まで、話がそれてしまった。
ただ、このマイケル・ハイザーをはじめ、何人かのランド・アートの作家たちが、ご健在だと言うことは嬉しい、このランド・アートの展開の先の極(作家の表現)が見る事が出来るからだ。


(註)ランド・アートの発生:
既存の芸術や社会体制から自由を求めて、また、対抗して、パフォーマンスが生まれたのと相まって、「ランド・アート」(アース・ワーク)と呼ばれる作品傾向が、コンセプチュアル・アートとして、閉鎖的なギャラリーの空間や、やはり限られた都市空間から解放されたいという理念に基づいて1960年代後半から70年代に潮流の様にショートスパンで発生した。
それは、その大自然の場から切り離されない性質や、やがて、消え去る非恒久的な性質を通して無限の時空と対話することになる。そして、その表象は、自然状態をずらして認識化することになる。
その鳥瞰的な水平の構造は、過去の伝統的な彫刻や壁面上の絵画に構造を相対化してもいる。さらには、無限の時空との対話による存在論的な場という点で、ナスカの地上絵の様に、古代文明の遺跡と共通しているだろう。その後、多様な流れとなる訳だ・・・


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