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ウォルター・デ・マリアと多面的な表象

ウォルター・デ・マリア(Walter Joseph De Maria,1935 -2013/American artist)

ニューヨークに居住する、アーティスト、彫刻家、インスタレーション、イラストレーター、作曲家。そのアートワークは、1960年代のミニマル・アート(ミニマムに本質を伝える)、コンセプチュアル・アート(conceptualism)、ランドアート( Earth art,environmental art)と関連する。
実に多くの表象を行った作家だ。

「彼は私たちの時代で最も偉大な芸術家の一人だと思う」- director Michael Govan(Los Angeles County Museum of Art )
それは、ウォルター・デ・マリアと何年も一緒に仕事をしたMichael Govanは、ウォルター・デ・マリアの作品の意義に、ある時、気づいた時の言葉だった・・。

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“Seen/Unseen Known/Unknown" at Benesse House, Naoshima

略歴とアートワーク-Walter De Maria

1935年、アルバニー(カリフォルニア州)で生まれる。
1946年までは、ミュージシャンの組織に属していた。
1953-1959年までカリフォルニア大学バークレー校で歴史と芸術を学ぶ。
画家としての教育を受けた後は、彫刻に転向し、そして、他のメディアにも関わっていく。
1960年代には、ウォルター・デ・マリアと彼の友人のラ・モンテ・ヤング(La Monte Young,1935- /前衛的な作曲)は、サンフランシスコ地域で演劇作品に参加した。
そのラ・モンテ・ヤングは、最初のアメリカのミニマル作曲家の1人だったかも知れない。

Boxes for Meaningless Work

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Boxes for Meaningless Work (無意味な仕事のための箱-1961)には、「ある箱から次の箱へ、前後に物事を移すなど。あなたがしていることは無意味であることに注意してください」という指示が刻まれていた。

ミニマルアート

1960年、ウォルター・デ・マリアはニューヨーク市に移り、1年後に妻のスザンヌ(スザンナ)と結婚する。
その1960年代から、ウォルター・デ・マリアの初期の彫刻は、ダダ(Dada-非合理/反ブルジュアの表象)、シュプレマティスム(Suprematism/限られた色彩と幾何学の表象)、構成主義(産業社会に反して、抽象的で厳格な構成主義芸術)の影響を受けていた。
その時から、ウォルター・デ・マリアは、シンプルな幾何学的形状と、ステンレス鋼やアルミニウムなどの工業的に製造された材料を使用した。これらの材料は、ミニマルアートの特徴だろう。
1960年後半には、ジョン・ケージ(John Cage,1912- 1992/アメリカの作曲家、音楽理論家、芸術家、哲学)とのジョイントも行われた。

Lower ManhattanのGreat Jones Streetでギャラリーを運営し、ジョセフコーネルの珍しい映画のコレクション、ロバートホイットマンのハプニングなどが行われた。そこでは、木で作られたウォルター・デ・マリアのミニマリストの彫刻を展示している。

ロックグループのメンバーとして

1965年、ウォルター・デ・マリアは、ニューヨークを拠点とするロックグループ「Primitives」のドラマー、また、The Druds(アーティスト/ミュージシャンのコラボレーション)のグループになる。              そのプリミティブには、ルー・リード(Lewis Allan Reed,1942 - 2013/アメリカのミュージシャン) とジョン・ケイル(John Davies Cale ,1942- /ロックバンドVelvet Undergroundの創設メンバー)が含まれていた。

その後のアートワーク-Walter De Maria

1968年と1977年には、カッセルのドクメンタに参加している。
1981年、ポンピドゥーセンター(Paris)で展示
2000年、2004年、直島-Chichu Art Museum (地中美術館)
その他、多くの展示や賞を得ている。

2013年5月、ウォルター・デ・マリアは、母親の生誕100周年を祝うために、カリフォルニアに行き、数日後に脳卒中を発病した。彼は、そこで治療のために留まった。
2013年7月25日、そのロサンゼルスで亡くなった、77歳だった。

ウォルター・デ・マリアと展示の在り方

ウォルター・デ・マリアは、可能な限り美術館のショーに参加することを避け、屋外や都市にインスタレーションを作成した。ウォルター・デ・マリアの作品はアメリカ国外でより広く展示され、ヨーロッパや日本で主な展示会を開催されている。

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一例として、“Seen/Unseen Known/Unknown" at Benesse House(直島)

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Walter De Maria

次回以降、ランダムになりますが、ウォルター・デ・マリアの代表的な作品でもある-Walter De Maria, The Lightning Field(Western New Mexico)-1977 に続きます。お時間の許す折に・・・

#ランドアート #ウォルター・デ・マリア #ライトニング・フィールド

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