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随想録

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随想をまとめました。
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2014年6月の記事一覧

生命の源泉

生命の源泉

〜関わり〜【2】

 そういえば、しばらく釣りに行っていません。

 小学校から二〇代の半ばまで当時の友達や家族と川釣りに行っていました。
 川釣りと言っても人によって好みが違うのは面白い所です。
 ボクはどちらかと言うとウキ釣りでエサの付け替えをしたりウキ下の調節をしたりして様子を見ながら釣るのが好きでした。大物を狙うより細くてしなやかな竿の当りを楽しむ感じです。竿が敏感だとたいして大きくなくて

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想いを形に

想いを形に

〜あるがままと思うまま〜

 作品を制作する際の取り組み方は様々だと思います。何しろ創作活動は幅が広くて奥が深い。生きることそのものが創作活動かもしれないとすら思います。

 あるがままに撮る姿勢と思うままに撮りたいと言う想い。
 あるがままに描きたい姿勢と思うままに描きたいと言う想い。

 ボク自身の取り組みを考えてみると「あるがままの表現」と「思うままの表現」は少し違うような気がします。

 

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想いを形に

想いを形に

〜組み立てる〜

 ホンの短い期間、宅配便のアルバイトをしたことがあります。
 配達ではなく仕分けが仕事でした。全国各地から集まってきた荷物を配達先別に仕分ける仕事です。
「いいかぁ!お前たちの代わりなんていくらでもいるんだからなぁっ!」
 人は、こんな言葉をはっきり口にすることが出来るんだと言う軽い驚きとアルバイト仲間の冷ややかな態度が印象に残っています。
 働いているのはほとんどがアルバイト。

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想いを形に

想いを形に

〜時間旅行〜

 創作活動を続けていると楽しいことばかりではなく、時に苦しいこともあります。発想が浮かばないのに締め切りが迫っていたり、想い描いたイメージになかなか近付くことができない時も苦しいです。
 そして、創作活動を続けたいのに現実的な状況や問題があって続けられなくなることもあります。そんな時は、創作活動以前に問題解決に取り組まなくてはなりません。そう言う問題に限って次の問題に繋がっていたり

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想いを形に

想いを形に

〜選択肢〜

 昔、東京へ仕事探しに出たことがあります。
 どうすれば絵を描く仕事に就けるのか模索していたということもあります。その時は既に写真の仕事を経験していました。その世界にはボクの想い描いたような生活はなく、撮影の予定が入れば休日もなくなるような日々の中で希望を見出せなくなっていました。軌道修正の必要を感じていました。いくらか社会の厳しさらしきものも経験していたもののまだ夢を捨てることも出

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜【6】

 ボクが現在住む地方に移住してから山を見て歩いていると以前住んでいた地方で見られたキノコとは種類が違うような気がします。環境が違うので当然の話です。山にはブナやコナラなどの広葉樹が多く、秋の山の色は真っ赤というよりオレンジ色が強い気がします。赤く色付く広葉樹として代表的なのはイロハカエデでしょう。他にもカエデ類の葉の色は赤くなるものが多いと思います。カエデだけではなく漆の

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜【5】

 父が山菜採りやキノコ採り山歩きを好きだった影響で子供の頃から山歩きに親しむ機会に恵まれていたのかもしれません。父はもちろん山菜やキノコが目的で山に入っていました。ボクはと言えば、山菜やキノコが目的と言うより山を歩くことそのものや写真を撮っている方が楽しかった気がします。

 秋、キノコの季節になると近所でもキノコの姿が見られるようになります。近所に出るキノコと言うと子ど

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜【4】

 いろいろと知識を蓄えつつも実際に初めて食べる山菜や野草に挑戦しようとすると勇気がいるものです。それぐらい慎重でないと誤って毒草を食べてしまうことになりかねません。
 ヨモギやニリンソウの若芽と間違いやすい植物として注意換気されている猛毒のトリカブトは、猛毒などと想像もつかないほど美しく涼し気な花を咲かせます。野生ですから当然「トリカブト!猛毒注意!」なんていうプレートを

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜【3】

「え〜っ!?雑草食べてるの?」

 毎日食べているわけではなくて、春、美味しい時期に少しばかり食べる程度です。実際、成長してしまうと筋張って来たりエグ味が強くなったりしてとてもじゃないですが食べられない代物だったりします。
 そもそも野菜と山菜と野草の分類はとても曖昧です。もう一つの分類として山野草と言う呼び方もあります。
 たとえばフキノトウって野菜でしょうか?山菜でし

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜【2】

 山菜採りには暗黙のルールがあると言う話をしました。でも、ボクは野草の採取マナーがイマイチよく解っていません。そもそも野草を採取するのにルールなんか必要ないのかもしれません。山菜とは違い道端で採取することも出来ます。地域性もあるかと思います。道端と言っても都会から田舎まで、はたまた山にだって道端はあります。どうせ除草対象として邪魔者扱いして草刈りしてしまうなら遠慮は要らな

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生命の源泉

生命の源泉

〜大地を食べる〜

 この町に移住してから以前にも増して山菜や野草を食べるようになりました。
 都会はコンクリートやアスファルトで大地に蓋をしてしまい。その価値を見出す事は難しくなっています。

 父が山菜好きでしたので、以前は時々一緒に出かけていました。そのため興味はありつつも、言われるままに採取していましたから、自分で判断して採取するようになった今とでは気持ちの持ち方が違います。

 山菜や茸

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雑草の資格

雑草の資格

〜グラウンドデザイン〜

 家庭菜園を作っている方ならおそらくコンパニオンプランツと言う考え方をご存じかと思います。

 先日の随想で「天使の取り分」というお話をしました。そして天使と悪魔が別の存在とは限らないということ。
 実際、畑に種を播いただけですとまもなくほとんどを食べ尽くされてしまうこともあるわけです。「これは天使の取り分よりはるかに多いな」とガッカリします。まるで虫に餌を与えているよう

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天使と悪魔

天使と悪魔

〜天使の取り分〜

 お酒を醸造する樽から数%が蒸発して失われることを「天使の分け前」とか「天使の取り分」と言うそうです。ちょっと調べたら映画やドラマのタイトルになるほど有名なお話のようです。

 ボクの住んでいる地方は果樹が多く、この時期は道端から手の届く所にサクランボがたわわに実っていることもあります。以前、長野県を通りかかった時、街路樹にリンゴが使われていて驚いたことがありますが、地元では飽

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黙して語る

黙して語る

〜作品のあり方〜

 noteでは、多くの著名な方がご活躍されています。最近、漫画を読んでいないこともあって存じ上げないままにフォローして後で驚くこともあるのです。
 そんな折、若い頃に夢中になって読んでいた漫画家の方をnoteでお見かけし、改めて作品に圧倒されています。

 瑞々しさもきらめきもあの頃のまま。ゆるぎない世界観がふいに再現されて呆然としてしまいます。

 Mutsumi Hagii

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