胸アツな男たち。
今回はとても個人的な気持ちをを綴らせていただきます。どうぞお付き合いください。
本を書く、という作業はとても孤独な作業です。
しかし、本は一人では作れない。そこには「編集者」や「出版社」がいる。
僕は書く。それをまとめ、形にするのは編集者であり、編集者が出版という「現実」を作る。
先月、僕は大変幸運なことに、自身の小説作品を世に送り出せた。
僕は「小説家」になりたかった。20代後半くらいから馬車馬のように小説を書きまくった。
以前出版した『人生をひらく不思議な100物語』も、ノンフィクション的な要素のある掌編集だけど、やはりもう少し長い物語で自分を表現したかった。
だから、別にこれをゴールなどとまったく思わないが、「かつての夢が一つ叶った」というのは事実として嬉しく思う。
しかもこうして、
これは千葉県内の書店だが、文芸書コーナーに置かれてたと知人から連絡があったのは嬉しかった。どうしても「スピリチュアル」のジャンルに置かれるのだが、僕としては「エンタメ小説」として書いたのだから。
ちなみに『幸せになりたいの』という物語をKindleで出版したが、こちらはあくまでも自費出版であり、こうして全国流通ができるというのは、出版社による力である。
これは非常に幸運なことだと思う。このような機会を作っていただいたClover出版さん、そして、何より、編集者の「小田美紀さん(男性です!)」に、感謝をしたい。そして、このご縁を繋いでくれた、友人の奥平亜美衣さんにも深く感謝を申し上げたい。
編集者
編集者の小田さんとは、本が仕上がる中で当然色々とやりとりはあった。文章のこと、校正のこと、装丁とか諸々。
書き手と編集者って、難しい立場があり、本来はお互い「フェア」なんだろう。しかしそこには「出させてもらう」という謙虚な気持ちで書く作家と、「書いていただく」という編集者の立場があれば理想だろうけど、実態はあれこれ見聞きする限りはどちらが下で、どちらかが上になったりもするだろう。
謙虚さはあれど、もちろんそれでも「仕事」として、意見はきちんと伝えないとならないし、作品として妥協はできない点は伝えないとならない。ちなみにこちとら毎回「これを言ったら出版なしって言われるかも…」とリスクを感じる。
残念ながら、僕は出版社に強気に出れる「売れっ子作家」ではないので、「書いて欲しいなら書いてあげてもいいわよ?」みたいな立場ではない。
だからむしろ「出させてください〜」と下に出て然るべきかもしれないが、それでも自分の文章に妥協はしたくない。
そんな“やっつけ仕事”はしたくもないしされたくもない。それならこんな本なんか出ないで自費出版でもしようと覚悟していた。
そもそも今の時代は、「出版社が本を売る」時代ではなく、作家のインフルエンサーとしての影響力が大きく作用して、ある程度売れたら、そこから出版社も乗ってくる、という業界の動向もあれこれ見聞きする。だからほぼ無名の作家で、インフルエンサーとしてもパッとしない僕ごときが強気に出れるわけない。
そんな中で、すれ違ったり、感情がぶれたり、荒れたりもする。しかし、小田さんの気持ちを聞きながら、お互い納得のいく形でこうして書籍になった。
しかし、このブログで書いたけど、
スピリチュアルジャンルでは、実は「小説スタイルは売れない」という定説もある。(知人にスピリチュアル、自己啓発の作家がたくさんいるのでその辺の事情は詳しいです)そのリスクを持って、小説作品を引き受けてくれた小田さんなんですが、彼のことを僕はまだちゃんとわかってなかったなぁと思いました。
メルマガの文面で…
どうしてそう思ったかというと、実は4月10日になるそうですが、Clover出版社のメルマガで、こんな文面が掲載されます。
イベントのお知らせなどもあったので、先日あらかじめメルマガの文面を送っていただいのですが、僕にとって何よりの誕生日プレゼントであり(先日は僕の誕生日でした)、小田さんと一緒に仕事ができてよかった…。この本を小田さんと形にできてよかった、心からそう思った瞬間でした。
こちらがその4月10日配布予定のメルマガの文面です。ぜひお読みください(小田さんに掲載許可をいただいてます)。
掲載おわり
(この後は、僕の出版イベント云々の告知なので割愛します)
*
時代の流れとしては、長ったらしい小説よりも、ショート動画コンテンツが主体です。そしてスピリチュアルと呼ばれる精神世界も、「自己啓発」的なお要素と、「ご利益信仰」の合わせ技の「メソッド(方法論)」ものがメインストリームかもしません。
小田さんも書いていた通り、
というのが多くの人の実感ではないでしょうか? 何より人の心を癒し、浄化し、感性を向上させるアート(芸術)よりも、すぐに役立つ、コスパ重視、タイパ重視がもて囃される時代です。
ただ、僕は二極化していると思ってるし、アナログと呼ばれる部分に「本当の価値」を感じる人たちがいることも知っています。僕自身そのパワーを信じているのでこうして歌や小説で表現活動をしているのですが、一人の「実用書」を中心に作ってきた編集者が、こんな風に思ってくれたことは、もうこれは、今ドキな言葉で言うと、
胸アツ…
でした。感動で、胸が熱くなりました。
ちなみにゲーテの「若きウェルテルの悩み」は、僕もかつて非常に感銘を受け、大きな影響を受けた作品の一つです。
小田さんとはそういう文学の話や、音楽の話、他にも中国古典の話など、色々と趣味が合う部分がありました。そういう気の合う方と巡り会えたというだけでも、人生の幸運です。
男と仕事とは
僕はこのnoteでも書いた通り、基本的に女の人が好きだし、女のために生きていると自負していますが(笑)、それでもこうした「男同士」の胸アツは、人生における最高の瞬間のひとつです。
男って、不器用なもんです。男は学生時代を終えると、なかなか友達ができないと言います。でも「仕事」があると、男は何かがつながります。仕事を通して友達になるのです。(逆に、仕事がないとなかなか友達になれないんですけどね…)
もちろん「仕事」といっても“なあなあ”な関係じゃなく、ある程度ガチな場合に限りますが、その真剣のぶつかりの中で弾ける火花があります。
それは火花なので一瞬かもしれません。しかし、その火花はこの世界で尊いものの一つだと思っています。その火花に、男は魅せられるのかもしれません。後先考えず振り下ろした剥き出しの刀同士の、その一瞬の煌めきを。
ちなみにこれは今までも何度か、僕自身男同士のぶつかり合いの中で感じました。時に真っ向から対立しながら、同じ目的に向かった時にそれが起こる。
昔の青春映画のような「殴り合って、最後は笑い合って、親友になる」みたいなベタな展開はなかなかないけれど、あの感覚って事実ですし、男同士にしかない感覚なのでは? と思います。
(もちろん、殴り合わないででも分かり合えるのが一番ベターです 笑)
本を書く、というのは最初に書いた通り孤独な作業です。こうしてnoteに一回限りの文章とか、ましてブログのようなものを書くなら、僕は息を吐くように無限に書けますが、長編の物語となるとそうはいかない。
しかし、この孤独な作業が、こうして一人の編集者と出会い、形になり、さらに終わった後にこんな胸があつくなるような言葉をいただけこと、大変嬉しく思います。
そしてこれからも、胸が熱くなるような仕事をしたいと思います。そしてやっぱり僕にとって人生の醍醐味とは、こうして表現を形にして、それを誰かとまたコラボレーションして、別の形に変化して、そして誰かの役に立ったり、誰かを喜ばせるということなんです。
つまり、この世界で「仕事」と呼ばれるものですね。それが一番面白いし、楽しいこと。胸アツなことです。
☆ 出版記念トークイベント
北海道札幌 4月16日(日) 15時〜17時 札幌コンファレンスホール
福岡博多 4月23日(日) 17時〜19時 アクロス福岡
イベント参加2000円 イベント参加+書籍 3500円(札幌、博多)
東京 5月13日(土) 14時〜16時 秋葉原Lounge
大阪 5月21日(日) 14時〜16時 アルファオフィス247(大阪市営地下鉄堺筋線 長堀橋駅 徒歩3分 大阪市営地下鉄御堂筋線 心斎橋駅 徒歩8分)
お申し込みの電子チケットはこちらのサイトから。
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