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物理数学の世界 #8 〜行列と行列式〜

物理数学の世界。始まります!

前回はベクトルの内積と外積について扱いました(補足でアインシュタインの縮約記法にも触れました)。

今回は行列と行列式について。線型代数学の代表格とされる行列(行列式)ですが、これまでとは違い独特な演算方法でもあるので、注意して見ていただけたらと思います。

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整理したノートを公開

実際にノートにまとめてみました。行列の基本的性質でも書いている通り、積(AB)と積(BA)は必ずしも一致はしません(積の非可換)。ここが行列ならではの特異な性質です。

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行列式の計算(サラスの方法)は3行3列まで適用可能な手法ですが、物理学の世界は3次元まで扱うことが多いので、頻繁に使うことになります。覚えておいて損はないかと思います。

逆行列は具体的な計算となると面倒くさいですが、流れを知るぐらいで十分だと思います。

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行列の存在意義

行列を使う意味ですが、一言でいうと「同様の性質を持つ数や数式を行列という形でひとつにまとめて記述することで、 計算を簡単に行える」というものです。

ノートでは2元1次連立方程式を例に挙げているので、あまり恩恵を感じられないかもしれませんが、これがn元1次連立方程式となれば、話は違います。

コンピュータの技術が発達した現代では、数値演算はコンピュータが速く正確に行います。行列により計算の過程がシンプルな形に落とし込まれているので、変数が増えたとしてもすぐに答えを得ることができます。

この恩恵を受けているのは、物理数学に限られた話ではありません。例えば、2次元データの線形近似に使われる最小二乗法という方法がありますが、これも連立方程式が基礎になっているので、当然のように行列が使われています。

また、普段の生活でも利用されている検索エンジンのアルゴリズムに関しても、行列が深く関係しています(固有値・固有ベクトル:機会があれば書きます)。

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おわりに

今回は数学(線型代数)の代表格とも言える行列について扱いました。

私の仕事のCAE(Computer Aided Engineering)においても、この行列の概念が利用されています。基礎中の基礎である単元です。

本格的なことは大学から習うことになりますが、ぜひ行列の効力を体感してもらえたらと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。なるべく毎日更新する気持ちで取り組んでいきます。あなたの人生の新たな1ページに添えたら嬉しいです。何卒よろしくお願いいたします。

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