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理系男子が微分方程式を語る

理系的なことを書き続けてマガジン化する。今回で2回目なので、まだマガジン化はしない。

今回のテーマは「微分方程式」である。一次方程式とか二次方程式は中学校で見聞きしているはず。方程式なので、何かしら解が存在するという点は同じだ。決定的な違いは、解が何かしらの関数だということ。

初見の方でもわかるように書きたいと思うので、ぜひお付き合い頂きたい。

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なぜ微分方程式が必要なのか

そもそも微分方程式とはどういうものなのか。見た目はイラスト(下記)に書いている式の通りだ。高校で学習する「微分積分」が土台であり、大学の理工系の学部に行かない限り遭遇することはない。

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上記のイラストでは、一般解(x)を変数(t)の関数として求めている。一般解は任意定数(c)が登場するのが一般的だが、これは不定積分(積分範囲が任意の場合の積分計算)を行うためである。

微分方程式が登場する場面は案外あるのだが、最も登場する機会が多いのは物理学である。単純な力学の話である質点(質量のある仮想的な点のこと)の運動論でも引き合いに出されるくらいだ。

下記は質点の自由落下について、運動方程式(微分方程式)から変位量(x)を変数(t)の関数として求めた過程である。

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高校で理系方面に進んだならば、物理学の授業で習う公式でもあるだろう。定数の重力加速度(g)による等加速度直線運動であるが、なぜ変位量で1/2の係数が付いてくるのか。疑問を持った人もいるだろう。

その疑問も微分方程式から説明できる。加速度は変位量の時間による2階微分として定義されるため、逆に加速度(定数)を時間で2回積分することで、1/2の係数が付いてくるという算段である。

ここまで見てもらえるとわかるように、物理学を深く理解するには、微分方程式を正しく扱えることが必須なのである。他の分野に関しても、深く理解するには高度な数学の知識が必要になることが多いのだ。

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微分方程式で理解がシンプルになる

微分方程式の重要性をつくづく感じた体験がある。かつて個別指導塾で講師のアルバイトしていた時の話だ。当時は理系分野の担当をしていた。

高校生を相手に物理学を教える際に、公式を覚えることに注力せざるを得ない場面に多く遭遇してきた。本当なら微分方程式を利用して、公式の導出過程を定着させた方が効率的なのに。状況次第で教えたこともある。

これに関しては、微分方程式の未学習は当然ながら、微分積分の知識も十分に定着しないという、カリキュラムの事情がある(特に三角関数や指数・対数関数の微分積分は高校生では習わないはず)。

私も高専の1年目の時は物理学の授業で「公式」を頭に入れ続けざるを得なく、なかなか辛い時期があった。微分方程式を習得したのは3年目の頃だったが、微分方程式を入れることで、これまでの公式の点と点がシンプルな線として繋がり、感動したことを覚えている。

カリキュラムとして仕方ないところもある。そこで、大学生の方には、微分方程式を土台とした物理学の理解に積極的にチャレンジしてほしい。私も微分方程式に慣れたことで、公式として詰め込んでいたことが、流れとして理解することができるようになった。

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おわりに

理系的な話題の第2弾ということで、今回は「微分方程式」の話を書いてみた。

物理学を深く知るには、微分方程式の知識が欠かせないのだが、数学を得意とする私としては喜ばしいことだった。微分方程式に救われたとさえ思っている。

高校レベルの微分積分も内容的に難しいので、何かと躓いている方もいるかもしれないが、せめて微分方程式の必要性が伝われば嬉しい。それをきっかけに、また理系の道を邁進してほしい。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今後も理系的なことを書き続けたいので、お楽しみに。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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