知不足

日々の思索の中で気付いた事を書き連ねていきます。

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最近の記事

利益誘導政治と民主主義

利益誘導型の政党政治という問題、つまり政党が自らの利益のために動く政治という問題については、明治時代に帝国議会を設置する段階ですでに憂慮されていた。 当時はイギリスにならって、衆議院の上に貴族院を設置することで対応した。日本でいう貴族とは、元公家・元武家を主とする、国家功労者たる華族のことで、彼らは天皇の奉仕者となることを期待されていた。政党政治である衆議院の上で、「良識の府」的な振る舞いを期待されていたわけだ。実際にはもっとドロドロしたものがあったかもしれないけれど。 戦争

    • 「等しい」と「=」の無駄話

      皆さんは、x=y という数式をどのように解釈しますか? 「x と y が等しい」と答える人が大半だと思いますが、そう答えた方にはもう一歩踏み込んだ質問をします。 (「x に y を代入する」と答えた人は、ここから空気を読んでください) 「x」と「y」が等しいってどういう意味ですか? 「x」「y」は文字であり、x と y は名前である「x」も「y」も明らかに文字ですよね。 しかし「x という文字」と「y という文字」は等しいとは言えません。 こう重箱の隅をつつくと、次の

      • くじ引きの不公平性:二度引きルール

        東京都知事選挙が熱いですね。 選挙といえば? そう、くじ引きですね! 軽いものでは立候補届け出順(とポスター掲載場所)を決めるくじ引き、 重いものには票数が同じだったときの最終決戦くじ引きまであります。 (政治)人生を賭けたくじ引き、ぜったい面白いですよね。 お遊びではない大真面目なくじ引きでは、往々にして奇妙なルールが追加されることがあります。 くじを引く順番を決めるくじ引きを行うという、二度引きルールです。 そもそもくじ引きは数学的に公平だと証明されていますから、

        • 経済を「数字」で語るな

          経済を語るうえで「数字」は付き物だ。 金利に株価に消費者物価指数、GDPなど、数多くの指標が存在する。 だが、これらの「数字」は、経済のある一側面を切り取って、ひとつの数字に落とし込んだものに過ぎない。 「株価が上がれば、経済が上向く」のではない。 これは「経済の一側面が良くなれば、経済全体が上向く」という菅々しい清々しいほど無茶苦茶な主張だ。 「経済が上向けば、経済の一側面も良くなる(可能性が高い)――つまり、株価が上がる(可能性が高い)」のである。 「インフレになれ

        利益誘導政治と民主主義

          「有料記事」という信用の換金

          本記事は「新鮮な時事ネタ」ですが、具体的な名前を出すことが憚られるので、抽象的な表現に留めます。 読者の立場では真偽を判定することが難しい、 事件関係者や社会に重大な影響を与える「事実」について、 とあるメディアサイトが有料記事として公開しました。 まず第一に、このような記事は信用に値しません。 記事の内容が真実だと仮定すると、「事件関係者や社会に重大な影響を与える事実を、事件に無関係の他人が直接的に換金している」わけで、すでに倫理に反しています。 記事が信用できないか、

          「有料記事」という信用の換金

          本物の条件

          たとえば数学において、真なる命題とは、次の2つしかない。 無条件に正しいとして与えられたもの(公理) 論理に条件付けられて、1から導かれるもの しかしこの構造は、数学特有のものではない。 本物(または本物として意識に観測されるもの)とは、次の2つしかない。 先天的に与えられたもの 環境に条件付けられて、1から導かれるもの なぜか「偽物に見える」ものがあったら、それは条件を満たしていない。 どこかで気づかぬうちに、正しくない論理が適用されている。 もしくは、1の正体

          本物の条件

          アサクリ騒動考察・「存在しない」差別

          注意この記事はアサクリとまったく関係ありません。 アサクリのゲーム内容だとか、開発者の発言の是非だとか、弥助は侍だったのかどうか等については、まったく議論しません。 今回の炎上騒動が自分ごとに思えない方に向けて、ひとつの引っ掛かりを提供することを目指す記事です。 炎上の経緯ゲームメーカーUbisoftの最新作、「アサシン クリード シャドウズ」の公式トレーラーが2024年5月16日に発表されました。 ゲームの舞台は待望の日本・安土桃山時代!……なのですが、その発表内容に大

          アサクリ騒動考察・「存在しない」差別

          はじめに

          このnoteでは、私が日々の思索の中で気がついたことを、文章の練習として書き連ねて行きます。 抽象的でありながら主観的、あろうことか批判的な論も多くなりますので、ご容赦ください。

          はじめに