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ヘンテコNo.1 未知との遭遇 |デビルズタワー 【ワイオミング州】

すでに車旅は3日目。
早朝サウスダコタ州からワイオミング州へ向け車を走らせる。

実は前夜ちょっとしたトラブルがあった。
サウスダコタ州ラピットシティのAirbnb(民泊)を予約していたのだが、オーナーに連絡がつかず予定外の車中泊となってしまったのだ。

Airbnbのカスタマーセンターは真摯に対応してくれたのだが、予定は狂うし、深夜まで振り回されるしで、疲労がどっと押し寄せ我々二人の間の空気が不穏に陥ったのはいうまでもない。

一息つこうと適当な店を探すも、この日は7月4日の独立記念。
日本の元日のように、普段なら深夜まで営業している店もことごとくクローズ。頼みの綱のマックにさえ振られたのだった…

独立記念日の花火があちこちで上がっていたが、なんとも皮肉な気持ちも湧いてくる。

旅の最大の敵は、トラブルそのものではなく車内の我々2人の不穏な空気。

トラブルは旅の醍醐味というけれど、書いてる今はそう思えても渦中の心中はヤイノヤイノしていた。

とりあえず寝て忘れようと、寝袋に潜り込み一夜をあかすことに。
サウスダコタは夜間の気温が涼しく快適な温度で寝られたのが不幸中の幸いだった。

事故じゃないし、宿泊費も決済されていない。
こんなんことで車内の空気を悪くするなんてもったいない。


気を取り直して、旅を続けようか。

巨木の切り株現る

車を走らせていると、突然ポコっと岩山が現れる。
まだかなり遠いはずだが、存在感が凄まじい。

やってきたのはワイオミング州デビルズタワーナショナルモニュメント。

スティーブンスピルバーグ監督による映画『未知との遭遇』でUFOがやってきた場所として有名だ。

フォン、ファン、フォン、フォーン・・・

「未知との遭遇」を知らずとも、宇宙、UFO好きなら、脳内で自動再生される不思議な音楽は、この映画の中で流れる曲。でしょ?

かくいう私も、この映画をちゃんと見たことはない。

「デビルズタワー」とyoutubeで検索すると、ほとんどが都市伝説とか不思議系、宇宙系のもの。
ご興味あればぜひ。

なんか、いる!
少しずつ近づいていく
アメリカ初のナショナルモニュメント
ふもとには巨石がゴロゴロ



ふもとからの高さは386メートル、頂上の直径は91メートルの広さがあり、しかもその頂上面は真っ平なのだそう。

地質学的には柱状節理と呼ばれる溶岩が冷えて固まってできたものというが、デビルズタワーの構造は地質学的に説明がつけられないことばかりだという。

近くに寄って見ると木肌のような縦方向の筋が付いていることがわかる。

本当に切り株みたいだ。

都市伝説界隈ではかつて巨木だったという説が有名らしい。

ネイティブアメリカンの伝承では巨大なグリズリーベアがつけた爪痕と伝わるという。

ちょうど朝日がUFOのように
勇敢なロッククライマーが頂上を目指す
人との対比でどれほどの大きさか伝わる
緩めのビジターセンター
お土産やさん
もはやデビルズタワーグッズでもない
Close Encounters of the Third Kind
『未知との遭遇』という邦題、天才だと思う


デビルズタワーとふもとをぐるり一周散策することができる。

頂上へ続く整備された道はなく、目指すにはロッククライムするしかないようだ。

この日も何人か挑戦中の人がいた。

彼らの姿は米粒のように小さくしか見えないのに、声だけはよく響き渡り、パートナーとコミュニケーションをとりながら登っていく様子がよくわかる。

かつての冒険家が頂上を目指した際の梯子も残されているが、新品だった当時ですらいつちぎれるかわからないような心無いロープでよくぞあの岩を登っていったものだ…

探検家、冒険家という人を突き動かす好奇心のエネルギーはとてつもない。

私は岩を登る根性も勇気もないが、新しいものを見てみたいという好奇心に支えられ日々生きている。

デビルズタワーは私にとっても「未知との遭遇」だった。
数あるアメリカの奇岩の中でも、ヘンテコNo. 1と言っても過言ではない。今のところ。

ヘンテコに出会ったエネルギーを摂取し、次の目的地へ進もう。

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