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【靴屋の小話】ミシン、漉き機とあの日の思い出

こんにちは、blueoverチームのzuccoです。

大阪市内のうつぼ公園近くにあるblueoverの旗艦店『struct』ではもちろんblueoverの靴たちが並んでいます。

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お店の奥には私の作業場として作業台やミシン、漉き機を置いています。

その作業場ではサンプルを作るために縫製したり、底付けしたりをしています。型紙の作成や修正、革の裁断は別の場所で行っているので、いないことも多々あります。

もし、ご来店の際にお会いできましたら、ぜひお声をかけてください。

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ミシンと漉き機

写真の手前から漉き機、ミシン、作業台が並んでいます。

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ミシンはポストミシンという製靴用のミシンです。

漉き機は革を薄く漉く機械になります。

詳しい機械の説明は別の会でお話しますね。

靴屋になりたかった私

大学生のとき、靴作りを仕事にしたいと思い、志しましたが、私は農学部で遺伝子の研究をしていました。

大学に行っているのだから、靴の学校に行くと親には言い出せず、お金もなく、靴の企画はできないかと就職先を探しましたが、美術系の出身者しか公募は受け付けておらず、靴の販売員になりました。
販売員をしながら、休みの日は靴作りを職人さんに教えてもらう日々を1年半続けていましたが、靴作りにもっと携わりたくて、販売員を辞めました。たぶん23歳か24歳。
仕事を辞めた後は靴作りを教えてもらう時間を増やしました。平行して、地元から離れて暮らしていたので、アルバイトもしていました。
深夜や早朝バイトをしながら、日中は靴作りを教えてもらう。
ネットカフェや、スーパーの品出し、宅配便の荷分け、食品工場、バーの接客など色々しました。

しかし、そんな両立生活は、睡眠不足を招き、長く続けることは出来ませんでした。下宿代、光熱費で、バイト代はほとんどは無くなりお金が無かったし。  

なりたかった自分とのギャップを埋めるため


大学生のときに描いていた自分と、
実際の自分のギャップが大きくて、辛いときもありました。
そんななか、ミシンと漉き機を見つけました。

当時、靴作りを志す人が割と多かったので、
ミシンや漉き機は品薄でした。
欲しい欲しいと、アンテナを張っていた中のいただいたお話でした。

他にも欲しいという人がいたようでしたが、
情熱が伝わり、譲っていただけることに。

ミシンは確か22万とか。
漉き機は7万だったかな。

漉き機は12万くらいが多かったので、状態も良かったし、破格で、姉にお願いして、お金を借りて、ミシンと漉き機を手に入れました。

※作業台はミシンを買ったときに、その職人さんに押し付けられました。処分にお金もかかりますもんね。 

いまだったらもっと安く手に入ると思います。

姉に毎月少しずつ返しました。(姉に感謝)
ミシンと漉き機が家に来たおかげでモチベーションが上がり、個人で受ける仕事の幅が増えました。
修理屋さんで働いていたときも、自分のミシンがあったから、効率がぐんと上がりました。

そして今

昨日、昔靴作りを教えていただいていたお師匠から、出産のお祝いで、子どもの靴をプレゼントしていただきました。いまは徳島県にお住まいですが、仲良くしていただいています。
ご迷惑をたくさんかけたけど、仲良くしていただけるのは、本当にありがたいことです。
あのとき、ミシンと漉き機を買って、個人的に仕事を受けたり、自分の靴を作って販売したりしたことで、もしかしたら少し認めていただいていたのかもしれません。
靴作りと関係ないアルバイトはただのお金のためだけど、ミシンと漉き機があることで、靴やカバンに関わることで仕事を受けれますもんね。

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靴をプレゼントいただき、色々思い出したのでした。
お金がない私をお家に呼んでいただき、サンマをご馳走してくれたときもあったな。

何かなりたい自分があるとき、
やりたいことがあるとき、
無理矢理にでも自分を投じると
状況は変わるのかもしれません。

structの場所

私たちの旗艦店、structはうつぼ公園のすぐ近く。木々の背が高く、今の季節気持ちがいいです。

〒550-0003 
大阪府大阪市西区京町堀2丁目3−4 サンヤマトビル 1階
定休日:火曜、水曜
営業時間:12時〜20時

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読んでいただいてありがとうございました。

zucco


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