小説・成熟までの呟き 31歳・2

題名:「31歳・2」
 2021年秋、美穂は夫の康太・1歳の日奈子と共にオリーブの収穫の時季を迎えていた。美穂のその頃の髪型は三つ編みだった。独身だった頃にはしなかった髪型だったが、落ち着い性格になったためか三つ編みが似合う。3人の間の営みは、笑顔が溢れていた。康太は、「こういう形の幸せっていいなあ。夫婦互いのできることやいい所を合わせることで心地よい家庭環境って築けるのかもなあ。そうすることで、子供にもすくすくと育ってほしい。そんな大切のことを教えてくれて、美穂、ありがとう!」と言った。すると美穂は、「私が幼い頃から当然のように思っていたことだから、何も教えてなんていないよ。ただ私が自然に振る舞っていただけ。今思えば、山浜市の緑に囲まれた環境に育ったことも、私の情緒を豊かにしたのかなあ。それに春は多彩な花を観賞して、夏には海で泳ぎ、秋には紅葉の明るさを感じて、冬にはスキーをして・・。子供にも、そんな四季による多様な変化を味わってほしいなあ。」と言った。美穂は、新たな家庭に幸せを見出している。

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