小説・成熟までの呟き 45歳・1

題名:「45歳・1」
 2035年春、美穂の息子の健が中学校に入学した。詰襟の制服は少し大きかった。姉の日奈子と同じ学校に通うようになったのである。健は日奈子に、小学校と中学校の違いについて聞いてみた。すると日奈子は、「一番違ったのは、毎日制服のスカートを着ていることかな。私って普段はズボンばかりだから、スカートがスースーする感覚が落ち着かなくて・・。まあ今では慣れたかもしれないけど・・。まあ冬とかはスカートの下にジャージをよく着るからかえって落ち着くんだけどね。」と答えた。次に健は、「中学校って、小学校と違って規則や上下関係がはっきりしているの?」と質問した。日奈子は、「まあ確かに制服がある点を含めて、小学校に比べればやたらと規則があるなあとは思うな。まあ、大人に向けて1つ段階を進んでいるからかもしれないけね。それで上下関係に関してだけど、剣道部では統率を図るという意味では相手に対する最低限の敬意という意味ではあると思うけど、ある程度いると慣れていくのかなあ。まあ剣道部はいい人ばかりだったということもあるけど・・。まあ、入った部によって違うかもしれないけど何かあったら相談してみて。」と答えた。健は、「お姉ちゃん、よろしくお願いします。」と言った。日奈子は健にとって、一層頼りになる存在のようだ。健は、卓球部に入部した。その約1か月後、美穂は45歳になった。「2人の子供の成長が楽しみだなあ。」とワクワクしていた。

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