『テンシンシエン!』第43話
◆「Next Step ?」
2021年6月2日、水曜日
今日は10時からNEKSTの二次面接。
昨日のフューチャーコンサルティングは、なんとも後味の悪い面接になってしまった。
変にあれこれ画策し、面接に臨むということは、双方に何のメリットもない・・・そんな当たり前のことに遅ればせながら気づく。
最近、就活の調子が思いのほか良かったので、少し調子の乗っていた。今日はちゃんとした二次面接をしよう。
気持ちを切り替えなければ・・・
「あっ!・・・その前にDavisの井村さんに連絡だけでもしておこう。」
Davisの井村さんからは、フューチャーコンサルティングの二次面接に際して、とても的確な指導をいただいた訳だし、理由はともかく、結果的に私はそれに報いることができなかった・・・
「9時10分か。電話でいいな。」
”トゥルルルルル・・・トゥルルルルル・・・トゥル・・・”
「This is Executive HR Firm Davis・・・”#$%&’ speaking.」
「えっ・・・英語? 」
そっか、Davisって、外資系だから外国人スタッフが多いのか・・・
「What ?」
「あ・・・I'm Sawamura・・・Ken Sawamura.
I want to talk Ms. Imura about Second interview of Future Consulting. May I talk ?」
「Sure ! Ms. Imura ? !! I'll check soon. please wait a little bit.」
在宅勤務が続いていたことも会って、ここ最近、英語を使う機会なんてなかったけど・・・まだ、なんとかなるな。
「Hello ? Samow ? san ? Sumow ? san ?」
「Yes. I'm Sa, Wa, Mu, Ra.」
「OK, Sawamow-san ?」
もう名前なんてなんでもいいや・・・
「Yes・・・」
「She works from home today, so she hasn't come to the office.
Please contact her by e-mail.
If you are in a hurry, I will give you your cell phone number. You need ?」
「I see・・・I'm not in a harry, so I don't need it. I'll contact her by e-mail.」
「Excellent !! Anything else?」
「Nothing. Thank you so much.」
「Welcome !」
”プツ・・・プープープープー・・・”
「ふう・・・後でメールするか・・・疲れた・・・。おっ少し早いけどそろそろ時間だな。」
PCを立上げ、Outlookを開く。
エリートコネクション黒澤さんから届いたTeamsのアドレスをクリックして接続を待つ。
「おはようございます!エリートコネクション黒澤です!」
「っ!」
びっくりした・・・相変わらず声がでかい。これにはなかなか慣れない。
「おはようございます。沢村です。本日もよろしくお願いいたします。」
「おはようございます!沢村様!今日は株式会社NEKSTの二次面接となりますが、今回はですね、沢村様の上司になられるかもしれない方、新事業企画室 室長の木崎様が面談されます。木崎様、準備はよろしいでしょうか?」
「あ、あぁ・・・だ、大丈夫です・・・あっ、沢村さん、よろしくお願いいたします。えっと木崎正 47歳です・・・先月から新事業企画室で室長をやっていて、えっと、なんだっけ?えっと・・・あっ・・・と言うことで、本日はよろしくお願いいたします。あっ、これはさっき言ったか・・・」
「沢村です。本日はよろしくお願いいたします。」
「そ、それでは、面接を始めさせていただきます。えっと、あれ?履歴書がないな・・・あれ?おかしいな。少しお待ちください。さっきまでここにあったんですけど・・・あれ?」
なんだか木崎さん、とっても頼りなさそうな人だけど・・・大丈夫か?
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?