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行動を変えるデザイン 心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する

行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する(Stephen Wendel 著)

■ 行動変容デザイン:行動に働きかけるプロダクトの作り方。目標は人が何かをしやすくすること。

1心の働きが行動の決定にどう作用するか理解する(理解)
2企業やユーザーの目標に対して、変えるべき行動を探索する(探索)
3設定した行動をデザインする(デザイン)
4測定と分析で効果を改善する(改善)

■心は行動をどうやって決めているか
・脳内の熟慮と直感の2つの心理モード(二重過程理論)
・アンカリング、曖昧さ効果(曖昧なものは本能的に気持ち悪い)、利用可能性ヒューリスティック(思い出しやすいものに信頼)
・心のリソースは限定的(記憶力の限界、注意力の限界、決める力の限界)
・あまり考えずに過去の経験から習慣で行動することが多い
・意思決定プロセス

→シンプルで簡単なものが大事
→過去の報酬を期待する
→慣れているものがいい
→失敗したくない意識

習慣は作ることができるがやめるのは難しい

■行動モデル(CREATE アクションモデル)
1キュー(Cue):行動のきっかけが必要(外部のキュー、内部のキュー)
2反応(Reaction):関連する記憶や直感的な自動的な反応が起こる
3評価(Evaluation):行動した方がいいか評価する(メリットやコストなど)
4能力(Ability):自分がそれをできるかどうか
5タイミング(Timing):今それをする必要性があるか

そして実行(Execute)

・行動のたびにCREATEのファネルは繰り返される(2回目以降も変わる)

■行動を変える3つの戦略
1チート戦略(楽をさせる)
2習慣化戦略(習慣を作る)
3意識化戦略(意識的な行動を助ける)

1チート戦略
・デフォルトにする
・ついで化する
・繰り返す行動を自動化する

2習慣化戦略
・キュー+行動+報酬
・習慣を変えるにはキュート報酬を乗っ取る

3意識化戦略
・どんな場合も自発的に行動を変えるには意識的な選択段階をふむため単純化する

■何を達成するか
・ターゲットアウトカム(目指すべき成果)
・ターゲットアクター(成果を達成する人は誰か)
・ターゲットアクション(どのように成果を達成するか)

ターゲットアクター(ユーザー)を調査する
・どういう行動をとっているか明文化
・行動ペルソナを作る
・理想的なターゲットアクションを選択する

■コンセプトデザイン
1行動を構造化する
・行動リスト(ビヘイビアプラン)を書き出す
・実用最小限のアクションまで削ぎ落とす
・あわよくばチート化(自動化、デフォルト化)

2環境を構築する
・行動をとるようにキューを出す
・習慣に関するフィードバックループを生み出す
・障害を取り除くか回避する

3ユーザー自身を準備する
・ユーザーに必要な情報を与え、行動を教育する
・未来のために過去の行動を物語る

■コンセプトからインターフェイスデザインへ

デザインパターン
・タスク管理
・リマインダー
・友人へのシェア
・ゴールの記録

インターフェイスの見直し
・選択の過負荷を避ける(選択肢を最小限に)
・認知の過負荷を避ける(わかりやすさ)
・なんでもデフォルトにする
・友人との約束は緊急性を作ることができる(社会的責任は強制力がある)
・報酬の希少性

■測定する
・CREATEファネルのそれぞれでどんな障害が起きているか確認する
・ユーザーの実際の行動を観測する
・ABテストや多変量テストを回す。統計的検定。

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