見出し画像

ビジネスエリートのためのリベラルアーツ 哲学

ビジネスエリートのためのリベラルアーツ「哲学」(小川 仁志 著)


はじめに

不確実で曖昧で複雑で予測困難な時代、何が起こるかわからない時代で生き抜くにはこれまでとは違う能力が必要。教養をベースとした強靭な思考力すなわちリベラルアーツが必要。

・混沌とした事態を分析する力
・正解がない中で決断する力
・難問を解決する力
・新しい価値を生み出す力

教養(リベラルアーツ)とは
何らかの事柄を考えるための基礎となる知識や思考の型。古代ギリシアでは奴隷ではなく自由に生きるものに必要とされた技術・技芸(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽の自由七科)

哲学とは
物事の本質を探究する営み、自分を取り囲む世界を言葉によって理解し、意味づけるための道具。概念の創造。隣接分野として、思想、宗教、倫理がある。宗教は神を信じることであるが、哲学は疑うこと。倫理はルールであるが、哲学はルールを作る基準に役立つ。

・哲学の分類
地理:西洋哲学、東洋哲学
時代:古代ギリシア、中世、近代、現代
対象:形而上学(抽象的な問いを考える)、認識論、倫理学、論理学

歴史上の哲学者

・ソクラテス(古代ギリシア)
問答法、当たり前に思っていることを相手に質問することで考えさせること。
・プラトン(古代ギリシア)
理想(イデア)を探究する。理想を求めることを重視。
・アリストテレス(古代ギリシア/プラトンの弟子)
フィリア:相手のことを自分と同じように考えるという倫理。
・デカルト(近代フランス)
我思う、故に我あり。徹底的に物事疑う思考。心身2元論は課題となった。
・スピノザ(近代オランダ。17世紀最大の哲学者)
神なしには存在できない。
ホッブス(イギリス、社会契約説:無秩序を避け、みんなでルールを守る)
・ルソー(フランス、ホッブスとは異なる社会契約論。)
・ベンサム(イギリス、功利主義:少数よりも多数の幸福を最大化する方が正しい)
・ロック(イギリス、生まれながらの生得観念はなく博士で生まれる)
・カント(ドイツ、批判:人間の本質とは何かを探究)
・ヘーゲル(ドイツ、物事を発展させる原理)
・マルクス(ドイル、社会主義の生みの親)
・ショーペンハウワー、ストロース、ニーチェ、ウィトゲンシュタインなど

人類が経験したことのない問題に対して

・AI:人間とは何か、機械に意識はあるのか、他の人間に意識があるのかどうかも本当はわからない。人間と同じ常識を持つとは限らない。
・インターネット:デマの思考感染、過剰結合。
・監視社会:データによる超監視社会、過去の監獄パノプティコンのよう。
・バイオテクノロジー:クローン人間
・環境問題:人間中心か自然中心か
・資本主義:格差、シェアリングエコノミー
・グローバリズム
・宗教対立:
宗教同士の対立
・テロ:新しい形の戦争。パキスタンだけでも33の武装組織。シリアは何100もの戦闘集団がある。政治として利用される場合は正当行為になる場合も。

哲学の仕方

・哲学するとは、疑う、関連させる、整理する、それは創造するというプロセス。
・物事の意味を自分の知識と論理と言葉を使って再構成する営み。
・本:入門書、解説書、古典の3種類

この記事が参加している募集

#ビジネス書が好き

4,095件