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地球の未来のため僕が決断したこと

地球の未来のため僕が決断したこと 〜気候大災害は防げる〜(ビル・ゲイツ著)

■ 510億からゼロへ

「最大のテーマ」
・温室効果ガスによる気候変動により人類は被害被る
・温室効果ガスは少しでもあると溜まり続け気温は上がり続ける
・現代文明にエネルギーは重要:所得と電気の使用量の関係は比例する
・気候変動により最も影響を受けるのは貧困農業従事者

「すべきこと」
1気候大災害を防ぐには温室効果ガスをゼロにしなければならない
2太陽光や風力発電をもっと効率よくする必要がある
3ブレークスルーが必要でそれを展開しなければならない

・炭素を排出しないものづくり、輸送、冷暖房の新しい手段が必要
・クリーンエネルギーのソリューション

■ なぜゼロか
・ガスは非常に長い間大気中に残る(現在のガスの5分の1は1万年後も残る)
・地球が暖かなるほど人間は生き延びるのが難しくなる
・石油、石炭、天然ガスを使っているがこれを燃やすとガスが出る
・気候においては数度の変化は大きな問題
-氷河期は今よりもマイナス6度だけ
-恐竜時代はプラス4度高い
-現在、場所によっては1〜2度高くなっている

■ 温室効果ガス
・主には二酸化炭素、他にもメタン(天然ガスの主成分)
・510億トンは二酸化炭素換算での排出量
・地球は宇宙にエネルギーを跳ね返す。問題は余分な温室効果ガスが貯まること。

「悪影響」
・ハリケーン、洪水、暴風雨が深刻化する
・蒸発の水が増え激しい雷雨
・ある場所では干ばつなのに、ある場所は暴風雨
・海面上昇

■ エネルギー源の移行は厳しい
・世界のエネルギー需要は50%増加見込み。
・途上国が発展するとより増える。
→今より多くのエネルギーが必要となる
・過去にも石炭から石油や天然ガスへの移行は長い年月がかかっていた
→これまでは新しいエネルギー源は安くて効率も良かった(それでも時間がかかった)
・他の課題を重要視する人もいる(健康や教育など)
・全ての国を同意させるのは困難(地球規模の協定が必要)
→完全に変化しながら、今までと変わらないようにする必要がある

□ 現状把握と対策方針へ
内訳の把握とそれぞれに対策が必要。KPIはグリーンプレミアム。

■ 全排出量(年間510億トン)のうちどれぐらいか
1 ものを作る(鋼鉄やセメント):31%
2 電気を使う:27%
3 ものを育てる(動物、植物):19%
4 移動する(飛行機など):16%
5 冷暖房:7%

■ グリーンプレミアム
・グリーンなエネルギーの方が化石燃料より高くつく(グリーンエネルギーの方が安ければ既に拡大する)
・誰でも利用できるコストである必要がある
・グリーンプレミアムの高いところを優先順位を上げる

■ 510億の27%(電気)
 発電はものづくりなどの他の項目にも影響するので重要

・経済面:化石燃料はあまりにも安いので風力や太陽発電のクリーンなエネルギーはコストがかかる
・安定供給:常に安定供給が必要なため、太陽光と風力は課題
 → 新しいクリーンエネルギーが必要
・原子力による発電:安定した供給が可能。核分裂ではなく核融合は可能性がある
・地熱発電:地域環境に影響する
・排出する炭素を回収するソリューション(炭素を空気から直接回収)

■ 510億の31%(ものを作る)
・大量の資材を作っている。セメントを1トンと作れば二酸化炭素も1トン発生する
・炭素以外のものづくりの方法が必要
・セメントが最も課題:炭素回収が必要
・炭素ゼロの電気を使う
・プラスティックが炭素を吸収する可能性がある
・資材の量を減らす(リサイクルや再利用)

■ 510億の19%(ものを育てる)
・農業では亜酸化窒素とメタンの排出が多い。
・合成肥料は大きな発明
 →食物が多く栽培できるように
・牛の放牧地などの森林破壊も影響

■ 510億の16%(移動する)
・ガソリンは安いので、エネルギーの移行が困難。
・輸送は4番目で意外に低い
・自動車をたくさん買っている発展途上国。先進国はやや減少傾向

■ 510億の7%(冷暖房)
・空調装置は現代経済を支えている(コンピュータやクラウドも)
・オフィスのエアコン以外にも、暖炉と温水器が課題
・古いエアコンは効率が悪い。正しい情報を知らせる必要性。
・可能な限り電化へ。

■ 貧困国の温暖化への適用
・栄養不良の適応(下痢やマラリア、食糧不足など)
・アフリカは温室効果ガスへの影響は2%で少ない
・気候変動による影響が今よりも支援が必要
・天気予報、災害の時の一時避難、災害後の医療など
・温暖化による飲料水の不足。

■ ジオエンジニアリング
・太陽光の吸収を人工的に減らす
・雲を白色化させる →地球全体での合意形成が必要

■政府との協力
・基準や義務付けることで政府が促進
・新エネルギー発明家へのインセンティブ
・建物のオーナーへの認識
・政府の政策が基準を修正する必要がある
・エネルギーの移行によって勝者と敗者が生まれるので敗者への配慮
・やりやすいこと以外に蓄電、クリーン燃料などにも挑戦が必要
・市場/技術/政策は3つが違いに補完し合うことが必要
→太陽光と風力は電力需要の一つの対策にすぎない

■ゼロに向けた計画
・開発
 1これからの10年でクリーンエネルギーの研究開発予算を5倍にする
 2高リスク高リターンの研究開発に資金を増やす
 3研究開発を最大のニーズとマッチさせる
 4政府は始めから産業界と共同する
・政府は低炭素なエネルギーを自ら利用する(最も効果的な購入者)
・クリーンなものは高価になるので政府は民間にインセンティブを与える
・市場へのインフラ構築
・新しいルールを策定し、新エネルギーに有意な環境を作る
・炭素税、排出物に値段をつける →炭素税の料金は空気回収に使えばよい
・クリーン製品基準(情報の表示義務)
・発電所であれ、車であれ、古いものはインセンによって終了させる

■自治体
・道路や建物をどのようなエネルギーで作る(企業を採択する)かを選択する
・ゼロを目標にする/計画の策定/研究に資金提供する国は目的をもつ
・気候変動を意識しない国交などは結ばない(低所得国を除く)
→巨額の投資が必要となる
→気候への投資は長期的、リスクも高い

■一人一人にできること
・政治プロセスに参加する(政治家は気候変動以外にも取り組んでいる)
・自分自身の炭素排出を減らすことではなく低炭素へのお金を払う意思を示すこと
・省エネルギーの家電を買う、電球を変える、リサイクル商品を買う
・電気自動車にする →企業が反応(量産)することで商品が安くなる

■民間企業ができること
・社内炭素税を導入
・低炭素の研究開発を推進
・製品をたくさん買うので、クリーンエネルギーを使う、低炭素商品を買うなど
・多くの有望な研究者が資金で断念しないように手助けする

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