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コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 (Philip Kotler, Kevin Lane Keller 著)

PART1 マーケティング・マネジメントの理解
 第1章 21世紀のマーケティングの定義
  マーケティングの重要性
  マーケティングの範囲
  市場に対する企業の方針 
  基本的なマーケティングのコンセプト、トレンド、タスク
 第2章 マーケティング戦略とマーケティング計画の立案
  マーケティングと顧客価値
  企業の戦略計画および事業部の戦略計画
  事業単位の戦略計画
  製品計画:マーケティング計画の性質と内容

PART2 マーケティングのための情報収集—
 第3章 情報収集と環境調査
  現代のマーケティング情報システムの構成要素
  社内記録とマーケティング・インテリジェンス
  データを組み込む
  マクロ環境の分析
  デモグラフィック環境
  そのほかの主なマクロ環境要因
 第4章 マーケティング・リサーチの実行と需要予測
  マーケティング・リサーチ・システム
  マーケティング・リサーチのプロセス
   第1段階:問題、意思決定の選択肢、調査目的の明確化
   第2段階:調査計画の策定
   第3段階:情報の収集
   第4段階:情報の分析
   第5段階:調査結果の報告
   第6段階:意思決定
  マーケティングの生産性の測定
  売上予測と需要測定

PART3 顧客との関係構築
 第5章 顧客価値、顧客満足、顧客ロイヤルティの創造
  顧客価値、顧客満足、顧客ロイヤルティの構築
  顧客生涯価値の最大化
  カスタマー・リレーションシップの育成
  顧客データベースとデータベース・マーケティング
 第6章 消費者市場の分析
  消費者行動に影響を与えるのは何か
  鍵となる心理的プロセス
  購買決定プロセス:5段階のモデル
  消費者の意思決定に関するその他の理論
 第7章 ビジネス市場の分析
  組織購買とは何か
  企業購買プロセスの関係者
  購買プロセスと調達プロセス
  購買プロセスの諸段階
  BtoB カスタマー・リレーションシップのマネジメント
  公益機関市場および政府機関市場
 第8章 市場セグメントとターゲットの明確化
  市場細分化のレベル
  消費者市場の細分化
  ビジネス市場の細分化基準
  標的市場の設定
 
PART4 強いブランドの確立 
 第9章 ブランド・エクイティの創出
  ブランド・エクイティとは何か
  ブランド・エクイティの確立
  ブランド・エクイティの測定
  ブランド・エクイティの管理
  ブランディング戦略の立案
 第10章 ブランド・ポジショニングの設定
  ポジショニング戦略の立案と伝達
  差別化戦略
  製品ライフサイクルとマーケティング戦略
  市場の発展
 第11章 競争への対処
  競争要因
  競合他社の特定
  競合他社の分析
  マーケット・リーダーの競争戦略
  その他の競争戦略
  顧客志向と競合他社志向のバランスをとる

PART5 市場提供物の形成
 第12章 製品戦略の立案
  製品の特徴および分類
  差別化
  製品とブランドの関係
  パッケージング、ラベリング、保証(ワランティとギャランティ)
 第13章 サービスの設計とマネジメント
  サービスの性質
  サービス企業のマーケティング戦略
  サービス品質の管理
  サービス・ブランドのマネジメント
  製品サポート・サービスの管理
 第14章 価格設定戦略と価格プログラムの策定
  価格設定の理解
  価格設定
  価格適合
  価格変更の実施と反応

PART6 価値の提供
 第15章 バリュー・ネットワークおよびチャネルの設計と管理
  マーケティング・チャネルとバリュー・ネットワーク
  マーケティング・チャネルが果たす役割
  チャネル設計の決定
  チャネル管理の意思決定
  チャネル統合とシステム
  コンフリクト、協調、競争
  電子商取引におけるマーケティングの実施
 第16章 小売業、卸売業、ロジスティックスのマネジメント
  小売業
  プライベート・ブランド
  卸売業
  マーケット・ロジスティクス
   
PART7 価値の伝達
 第17章 統合型マーケティング・コミュニケーションの設計とマネジメント
  マーケティング・コミュニケーションの役割
  効果的なコミュニケーションの開発
  マーケティング・コミュニケーション・ミックスの決定
  統合型マーケティング・コミュニケーションの管理
 第18章 マス・コミュニケーションのマネジメント:広告、販売促進、イベント、パブリック・リレーションズ
  広告プログラムの作成と管理
  媒体選択と効果測定
  販売促進
  イベントと経験
  パブリック・リレーションズ
 第19章 人的コミュニケーションの管理:ダイレクトマーケティングと人的販売
  ダイレクト・マーケティング
  インタラクティブ・マーケティング
  セールス・フォースの組織設計
  セールス・フォースの管理
  人的販売の原則

PART8 長期的成長の実現 
 第20章 新製品の開発
  新製品開発の課題
  組織による調整
  開発プロセスの管理:アイデア
  開発プロセスの管理:コンセプトから戦略へ
  新製品開発プロセスの管理:開発から商品化へ
  消費者採用プロセス
 第21章 グローバル市場への進出
  グローバル市場での競争
  海外進出すべきかどうかの決断
  参入市場の決定
  市場参入方法の決定
  マーケティング・プログラムの決定
  カントリー・オブ・オリジン(COO)効果
  マーケティング組織の決定
 第22章 ホリステック・マーケティング組織のマネジメント
  マーケティング・プラクティスのトレンド
  インターナル・マーケティング
  社会的責任マーケティング
  マーケティングの実行
  評価とコントロール
  マーケティングの未来

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■1章
□マーケティングとは
・マーケティングとは人間や社会のニーズを見極めてそれに応えること。ニーズに応えて利益を上げること。
・マーケティングとは(アメリカマーケティング協会)顧客に向けて価値を創造、伝達、提供し組織及び組織を取り巻くステークホルダーに有益となるように顧客との関係性をマネジメントする組織の機能および一連のプロセス
・マーケティングの狙いはセリングを不要にすること、顧客を知り尽くし製品・サービスが顧客にぴったりと合うものになりひとりでに売れるようにすること。

□販売とマーケティング
・マーケティングコンセプトは1950年代に生まれ、「市場に出して売る」から顧客志向の「感じ取って応じる」という方針に移行した
・レビット:販売は販売者のニーズに焦点を当てる、マーケティングは購買者のニーズに焦点を当てる

□ホリスティックマーケティング以下の4構成
1リレーションシップマーケティング(CRM中心)
2統合型マーケティング(マーケティングコミュニケーション)
3インターナルマーケティング(社内)
4社会的責任マーケティング(環境や社会)

■2章
価値提供プロセス
・顧客からのフィードバックをゼロに。製品改良の時間をゼロに。購買時間をゼロに。組み立て時間をゼロに。不良品をゼロに。

成長機会
・既存市場/新規市場 × 新製品/既存製品

マーケティング計画
1エグゼクティブサマリー
2-0 状況分析
2-1 市場サマリー
2-2 SWOT
2-3 製品
2-4 成功の鍵
2-5 重要課題
3-0 マーケティング計画
3-1 ミッション
3-2 マーケティング目的
3-3 財務目的
3-4 標的市場
3-5 ポジショニング
3-6 戦略
3-7 マーケティング調査
4-0 財務情報
4-1 損益分岐点分析
4-2 売上予測
4-3 経費予測
5-0 コントロール
5-1 実行
5-2 マーケティング組織
5-3 リスク

■3章
マクロ環境の分析
・経済環境、デモグラの変化、ニーズトレンド変化、自然変化、技術的環境

■4章
マーケティングリサーチ
・マーケティング測定尺度
「認知度」「市場シェア」「相対価格」「苦情件数」「顧客満足」「流通供給力」「顧客総数」「好意的評価」「顧客維持率」

・収益性分析
・需要測定
空間レベル(国、地域、顧客)×製品レベル(業界売上、企業売上など)×時間レベル(短期、中期、長期)

■5章
顧客価値、顧客満足
・顧客満足度の測定
・顧客データベース、CRM、顧客生涯価値

■6章
□消費行動
・文化的要因(民族的背景)、社会的要因(所属グループ、家族)、個人的要因(年齢とライフサイクル、職業、経済状況)

□動機
1フロイトの理論:行動は無自覚に形、サイズ、素材、色など特定のイメージや感情を連想する
2マズローの理論:重要なニーズから順番に満たされる
3ハーツバーグの理論:不安要素の排除だけでなく、満足要素。

□顧客の購買決定プロセスを理解する

■7章
購買プロセス
1購買フェーズ(問題認識、ニーズリスト化、製品仕様、事業者選定、選択、発注、結果検討)

2購買クラス(新規購買、修正再購買、単純再購買)

■8章
市場細分化:セグメントマーケティング

1均質型選好(消費者全員が同じ選好の市場)
2分散型選好(人によって大きく異なる市場)
3クラスター型選好(複数のクラスターがある市場)
・ニッチマーケティング
・地域マーケティング
→細分化が進むとワントゥワンマーケティングへ発展する

・地理的細分化:ライフステージ、所得、性別、世代、社会階層
・行動による細分化:決定役割、行動変数(使用頻度、態度)
・ビジネス市場の細分化:小規模企業へのマーケティング
・段階的細分化:初回見込み客、新規顧客、得意客

■9章
□ブランドエクイティの創出
・アメリカマーケティング協会:ブランドとは売り手の商品やサービスを識別させ、競合他社のものと差別化するための名称、記号、デザインあるいはそれらを組み合わせたもの。

□ブランドの役割
・消費者の行動に影響を及ぼし、将来も持続する収益の保証を与える法的財産の貴重な部分。

□ブランドエクイティ
・ブランドエクイティとは製品やサービスに与えられた付加価値。企業にとって心理的価値と財務的価値を持つ重要な無形資産となる

1製品パフォーマンスの知覚向上
2ロイヤルティ
3競合他社への対抗力
4マージンの拡大
5値上げに対する消費者反応の非弾力化
6値下げに対する消費者反応の弾力化
7マーケティンングコミュニケーション効果の増大
8ライセンス付与機会

□ブランド拡張:確立されたブランドを利用して新製品を導入することをブランド拡張という(サブブランドとも言われ、既存ブランは親ブランド)

■10章
ポジショニング
・ターゲット市場のマインド内に特有の位置を占めるように設計する行為(見込み客のマインド内に製品をポジショニングする)

・差別化戦略
1製品による差別化
2スタッフの差別化
3チャネルの差別化
4イメージの差別化

■11章
□競争への対処
・マイケルポーターの5フォース(業界の競合、潜在的参入者、代替品の脅威、買い手の交渉力、供給業者の交渉力)

□マーケットリーダー
・マーケットリーダー、マーケットチャレンジャー、マーケットフォロワー、マーケットニッチャー
・リーダーは総市場の拡大を目指す
・マーケットチャレンジャーの戦略(マーケットリーダーを攻撃する)
・マーケットフォロワーの戦略(リーダーに追従する)
・マーケットニッチャーの戦略(ニッチ市場でリーダーになる)

■12章
製品戦略
・製品による差別化:形態、特徴、品質、耐久性、信頼、修理可能性、スタイル(印象)
・デザイン
・サービスによる差別化:注文の容易さ、配達、取り付け、顧客トレーニング、、コンサル、メンテナンスと修理

製品とブランド
製品の価格設定
パッケージと保証

■13章
サービスの設計とマネジメント
1純粋な有形財(石鹸など製品にサービスが伴わないもの)
2サービスを伴う有形財(コンピュータなど)
3有形財とサービスの混合(レストランは食べ物とサービスの混合)
4若干の付随サービス(飛行機は移動がメインサービスで付随して機内食)
5純粋なサービス(マッサージ、ベビーシッターなど)

■14章
価格設定
1マークアップ価格設定:コストに利益を乗せる方法
2ターゲットリターン価格設定:目標のROIを生むように価格を決定する
3知覚価値価格設定:顧客の知覚価値を基準に決定する
4バリュー価格設定:高品質な提供物にかなり低い価格をつけ顧客ロイヤルティを獲得する
5現行レート価格設定:競合他社に基づいた価格設定
6オークション型価格設定

■15章
チャネル設計
・排他的流通
・選択的流通
・開放的流通

チャネルメンバーへの教育、チャネルメンバーへの動機付け(報酬制、関係性など)

■16章
小売業

■17章
統合型マーケティングコミュニケーション
・マーケティングコミュニケーションとは、企業が自社の販売する製品やブランドについて消費者に直接的か間接的に情報を発信し、説得し、想起させようとする手段
・広告、販売促進、イベント、PRパブリシティ、ダイレクトマーケ、人的販売

■18章
マスコミュニケーション

■19章
人的コミュニケーション
ダイレクトマーケティング
(長期的なリレーションシップを構築するため)

・ダイレクトマーケティングの原型は営業訪問
・セールス戦略と組織は密接な関係、セールスレップ

STEP1年間売り上げに応じて顧客をクラス別
STEP2望ましい訪問頻度でクラス別
STEP3各規模クラスの顧客数に必要な頻度をかける
STEP4セールス一人あたりの年間訪問回数を決定
STEP5必要なレップ数を決定

■20章
新製品の開発
1これまでにない新製品
2新しい製品ライン
3既存製品ラインへの追加
4既存製品の改良
5リポジショニング
6コスト削減

指針
1潜在顧客との共同開発
2従業員のプロジェクト
3従業員に遊びの時間を与える
4手放す時期を知る

市場テスト
・セールスウェーブ調査:初回に無料で試した消費者に割引価格で提供する・シミュレーション型テストマーケ:モニターに広告を提示したのちに実際の購入をテスト
・コントロール型テストマーケ:調査対象店舗で価格やPOP、陳列位置などをテスト
・テスト市場:代表的な都市を選定

■21章
グローバル市場

□海外進出
・海外市場の中に国内市場よりも利益を上げる機会が多いとわかった場合
・より大きい顧客基盤が必要な場合
・単一市場への依存度を減らす場合
・性能の良い製品や低価格のグローバル企業に自社の国内市場が奪われる可能性がある場合
・顧客が海外に移転した場合

□リスク
・海外顧客の選考を理解しているか
・外国ビジネス習慣を理解してその国の人々と付き合っていく方法を知っているか
・外国の規制
・国際経験の方法なマネージャーが不足していないか

□市場参入
・間接輸出(子会社設立、セールスレップ、代理業、ジョイントベンチャー、ライセンス付与)と直接輸出

1直接導入:製品に全く変更を加えずに国外市場に導入する
2製品適合:現地の状況に合わせて変更を加える

・製品:変えない/適合させる
・コミュニケーション:変えない/適合させる
・全くの新製品

■22章
ホリスティックマーケティングとマネジメント

・市場マネジメント組織:特定の顧客グループのニーズに合うように組織される
・マトリックスマネジメント組織:市場マネージャー×製品マネージャー
(多様な市場に多様な製品を提供している場合)
・事業部組織

□創造的マーケティング組織の構築
・全社的な顧客志向意識の養成
・製品中心ではなく顧客セグメント中心の組織編成
・質的・量的な調査を通じた顧客理解の促進

マーケティングは部門に分かれて行うのではなく、ホリスティックに考えなくてはならない。マーケターはカスタマーインサイトを徹底し、顧客を個別に対応する必要がある。


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