見出し画像

小児リハ始めました。第三章。

高齢者医療に嫌気がさしてきていたところに、私の目に飛び込んできたのが「小児リハ」の文字。 これは渡りに舟、とばかりに、小児リハビリテーション領域に飛び込んだ。


いや~。子供たちのかわいいこと、かわいいこと。何がかわいいって、手を抜かずに全力で生きているところがカワイイ。 


高齢者の場合、いくらでも寝たきりにならない方法はあるのに、どれだけ教えても、自らの意思で寝たきり街道に飛び込んでいってしまわれる。 


「寝たきりになりますよ」「認知症になりますよ」 といくら諭しても、「もう死ぬからええんや!!!!」と生きることを諦めて、怠惰に生きることを決め込んでおられるので、認知症になりオムツになり寝たきりなって何十年も長生きされる。


そこに持ってきて子供たちは、怠惰なところが一切ない。療法士がセオリー通り治療を行えば、必ず答えてくれる。 それが、カワイイ。


また、応援団の多さにも驚かされた。 高齢者の場合、高齢者を応援してくれる家族はまずいない。家にいると面倒だから施設に大人しくいてくれればいいだけなんです。なんて家族が大半である。


高齢者施設の在宅復帰率1%とか2%って数字がそれを物語っている。
施設のスタッフもできるだけ手間がかからないようにかからないように。と、そればかりで、寝たきり老人を大量生産している。

(寝たきりが一番介護の手間がかからず、介護施設も一番儲かるからだ) 


高齢者の味方が少ないのには、舌を巻くばかりである。 

そこに持ってきて、子供たちの応援団の多い事。多い事。医師、看護師、保育士、介護福祉士、療法士、家族。みんなが子供たちの味方である。 少しでも健常の子供と同じ生活をさせてあげたい。日常生活を普通に送ってもらいたい。みんなの気持ちがリハ室に溢れいている。 


一部、困った親御さんもおられるとのことだったが、それでもおおむねが子供たちの味方なのである。


そんな、味方だらけの高齢者なんて今まで何千人へたしたら、何万人と治療してきたが、まず見たことがない。


しかも、治療して治していい雰囲気がリハビリテーション室に充満している。
これは凄いことだ。高齢者の場合は、まず、治療して治すと医師や看護師、介護士、家族から鬼のようなクレームがつく。 


「なに年寄りを歩けるようにしてくれとんねん!!」
「こっちは一生懸命寝たきり作ってるのに、リハ職はなに勝手に治してくれとんねん!!!!じゃますんなや!!!!」
「トイレなんかどうでもええんや、オムツはめたらええんやから!!!!」
「BMIは12ぐらいが介護しやすーて、軽くてええんやよ!!!!年寄りに栄養与えてどうすんねんアホか!!!」
「家族は年寄りを治してほしいなんて誰も思ってないんやから、治療して治すんは療法士の自己満足だけなんやよ!!!」
「年より治してどうすんねん!!!売り上げ下がるやろが!!!!アホか!!!」 


と、いままでどれだけの罵詈雑言を様々なところで浴びせられてきたことか。そのたびに私は臍を噛む思いで、頬に伝う涙をぬぐい、血がにじむほど歯を食いしばって頑張ってきた。 


しかし、小児領域はそういう雰囲気が一切ないのである。もしかしたら、治してもいいのかもしれない。凄いことだ。本当に凄いことだ。高齢者医療では絶対に考えられない。


感動に次ぐ感動が毎日のように全身を駆け巡る。 小児領域って凄いところだ。治療してもいいなんて。治してもいいなんて。本当に凄いところだ。


21才から医療に携わってきて、数え切れないほどの医療機関を渡り歩いてきた。小児領域に入ってみて初めて患者を治しても怒られないところに出会うことができた。凄い。そんな医療・福祉機関がこの日本にあったなんて目からうろこでございます。ほんとうに素晴らしい。昇天してしまう思いでございます。

画像1

20年近く高齢者医療にかかわってきて、わたし的な感想としては、今現在はちょっと残念な領域と感じている。


でも、もしかしたら、治療してもいい大人がこの世の中のどこかにいるかもしれない。不幸にも病気になり障害が残った人の中に、「治療してほしい」「人生を取り戻したい」と望んでおられる人がもしかしたらいるかもしれない。


もし、自由診療が認められれば、世界中から患者さんたちが日本に集まってくる。日本人がダメでも、もしかしたら世界には、障害を治してほしい人、寝たきりになりたくない人がいるかもしれない。


そんな人たちが万がいち、私の目の前に現れた時に治療できるシステムだけは作っておきたいと思っている。せめて、私の手の届く範囲の患者さんたちは、治療できるようにしたい。


システムが無いなら、作るしかない!!!!!
誰もやらないなら、俺がやる!!!!!!
俺がやらねば誰がやる!!!響けキャシャーン!!!♬


と、ただいま絶賛システム開発中です。(笑)


(日本の医療・福祉制度の重箱をつつけば、やり方はあるのです。手間はものすごくかかりますが(笑))


「もう一度、トイレ動作を取り戻したい人」
「もう一度、買い物に行けるようになりたい人」
「もう一度、飲みに行けるようになりたい人」
「もう一度、温泉旅行に行けるようになりたい人」等々


本気で「もう一度」「もう一度」と願う人がおられるのであれば、お出会いできる日を楽しみにしております。

(*- -)(*_ _)ペコリ

それまでは、子供たちを治療しておきます。(笑)

2018年初秋。回想録第三章。

「小児リハビリテーション始めました」シリーズは三部作をもちまして終了です。今は手間暇かけて、日本の医療・福祉制度の重箱をつつくシステムづくりの準備をしている最中です。頑張るじょーー!!

(*- -)(*_ _)ペコリ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?