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ときどき無性に電話したくなる田舎の母の話

私の実家は遠い。

電車なら新幹線、車なら高速道路を使って半日がかりにはなる距離です。

そして田舎。

ハトやスズメではなく、ヤマバトの鳴き声で目を覚ます地域です。


実家の母

そんな実家に住む母は、遠いところに住んでいながらも、私のピンチにはいつもかけつけてくれました。

定期的に何日か滞在して、子守りもしてくれました。

思えば私はコロナ騒動の前まで、何か困ったら母に電話しようと、いつも心のどこかで母に頼りきりだった気がします。

もちろん、離れているので、いつも近くにいるような気軽さとはほど遠いです。

それでも、私の育児において、どうにもならない時の切り札のような存在でした。


「実家が遠い」は育児における大きな痛手

母も子供が好きなので、いつもよろこんで子供たちと過ごしてくれました。

ただ、ここ数か月、もうかなり長い間、母と会っていません。

コロナでの困りごとは数多くあれど、私のような「実家が県外」の母親にとって、この、長距離間の人の行き来が制限された状況は、かなりの痛手だったのではないでしょうか。

これまでは、長期休暇だって実家に帰ってしまえばなんとかなりました。

でも、今回はそれはできない(私はコロナ疎開はしません)。


母との電話

こう何か月も母と会えずにいると、母と電話したくなってきました。

しかし、電話は電話であまりにハードルが高い。

我が家は、電話で外部と落ち着いて離せるだけの静かな環境がないのです。

それに加えて、特に娘は、私が電話しだすと急に嫉妬するのか、私を見て!と余計なアピールを始めます。

高いところによじ登ったり、いたずらをしたり、電話を奪い取ろうとしたり。

息子は息子で、なんだかわからんけど母が誰かと会話していることにソワソワするのか、急に部屋の中で走り込みをはじめたりものを投げたり、運動し始めます。

そして何よりうるさい。

電話をするということは、我が家にとってとてもハードルが高いことです。

子供が寝てから・・・と思っても、子供が寝る時間それすなわち母も寝る時間です。

「しょうがない、明日にするか」

その連続で今日があります。


母に話したい

でも、子供たちの保育園や幼稚園や療育がはじまったら時間できるんじゃない?

そうも思います。
でも、今はまだ、通える頻度も時間もとても少ない、

子供を預けている間の時間の価値が高すぎて、スーパー、銀行、役所を周って家事したらおわりです。

母との電話の優先度がどんどん下がってしまう。

母には私以外にも話をする相手はいますし、一人暮らしでもないので、特別私からの連絡を待ってるわけではないかもしれません。

でも、私は日々の育児の中で、母に話したいことがどんどんどんどん蓄積していきました。


誰かではなく「母に」話したい

私のように障害児を育てていると、「悩みをきいてくれる人はいますか」「相談できる相手はいますか」「カウンセリングどうですか」その手の話がわんさか入ってきます。

もちろん、誰かに話をきいてほしいし相談したい。

でも私は、どんな有能なカウンセラーでも、どんなに知識豊富な発達の専門家でもなく、

母に話を聞いてほしい。

そんな時間があるならば、母に電話したい。

それが本音だったりします。

こんな風に実家の母を思う人、私の他にもいないでしょうか。


母に話したいことが、いっぱいある。

だれかに話を聞いてもらいたいんじゃない、本当は、たった一人に話を聞いてもらえる時間が欲しい。


明日こそは、母と話したい。

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