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〜〜波待ち日記〜〜 「お主、デキるな…?」と思う瞬間

10月18日(月)マンリービーチ
コシ

前日ビュンビュンと吹き荒んでいた南風がだいぶ弱まり、水温が一気に上昇したマンリー(南半球ゆえ、日本とは逆の現象になる)。ハイタイドなのも手伝って、今日は風波ながらも、なんとかライド可能な厚めのブレイクを堪能できた。

このぐらいのサイズで人が少なければ、パドルで消耗することもなく、無限にサーフィンできそうな気分になってくる。

しかし、子供たちが下校する前には家に戻らねばならない。

まあ、20本以上乗ったから充分だろう。

最後の1本を乗り終えてリーシュを外すと、僕は自分に言い聞かせたが、やはり未練がましくビーチを振り返った。

その時である。

一人の少女サーファーがビーチに降り立ったところだった。歳の頃は12、3、長女と同年代といったところだろうか。

その時の僕は、「キミ、学校は?」などという野暮な疑問を持つことはなかった。なぜなら、その子を一眼見て

「むむ……お主、デキるな…!?」

と感じていたからである。

陸の上でも滲み出る”上級者のオーラ”

サーフィンを見る前から、明らかに”デキる”佇まいを持つ、剣豪のようなサーファーがいる。

エントリーする前の準備運動をしている時。下手したらビーチではない陸上で見た時でさえ、”デキる”オーラが迸っているサーファーが。きっと、皆さんにもそういう経験があるだろう。

僕が、「お主、デキるな!?」と感じるポイントを洗い出してみる。

1.ビーチにボードをノーズからブッ刺す

準備運動の時コレをやるサーファーは、大抵かなりの上級者だ。僕もマネして何回か試みたが、なんだかボードが折れそうな気がして、深くノーズを埋めることができなかった。

それにしても、普通にビーチに板を置けばいいと思うのだが、ボードをブッ刺すことによって、何かいいことがあるのだろうか?もしあるのであれば、ぜひご教示いただきたい。

2.ボードのステッカーチューンがこなれている

ステッカーの数、レイアウト、全体のバランス——上級者のボードはそれらがパーフェクトである。スポンサーがついていて、それらを貼ることが義務となっているような上級者は、これまで貼ってきた場数が違う。職人なのである。

僕も、プロの真似をしてノーズにサーフブランドのステッカーなどを貼ったことがあるが、どうもおさまりが悪い微妙な仕上がりにしかならなかった。

3.リーシュのバンドをウェットスーツの裾の中にしまう

これはある種のティップスでもあるのだが、フルスーツやシーガルなどを着ている場合、裾を一回まくって、足首に直接バンドを巻き、その上から裾を被せると、サーフィン中、リーシュのバンドがクルクル回転しなくなり、結果、足に絡まりにくくなる。

これをやっているサーファーは、やはり上級者が多い気がする。ちなみに僕も、ミック・ファニングがやっているのを見て取り入れた。

4.黒目の色素が薄い

紫外線によるものなのだろうか、上級者には、なぜか黒目の色素が薄くなっている人が多いと感じる。つまり、それだけの時間を海で過ごしている、という証なのだ。

5.日焼け止めが派手

上級者は、肌に馴染む乳液タイプの日焼け止めなど使わない。彼らが使うのはスティックタイプの効果が強力なもの、そしてその色は真っ黒、真っ白、オレンジなど、とにかく派手だ。その日焼け止めで覆われた顔は、「これから波を狩りに行く」という迫力を醸し出す。まるで戦闘民族の戦化粧のようなのである。

はたして少女サーファーは…?

その少女は上述した1.〜3.、そして5.を兼ね備えていた(オージーだから元々目の色は薄く、4.は判別不能)。

準備運動を終えた少女がパドルアウトする。

パドルの雰囲気からして、もうそれは確信に変わったが、僕はバスの時間を気にしつつ、少女が一本目の波を掴むまで見守った。

すぐにセットが入った。僕にとってはコシサイズでも、少女にとってはムネカタの波である。

はたして、少女は深いボトムターンからフェイスを一気に駆け上がり、惚れ惚れするような切れ味鋭いリッピングで、綺麗な扇型のスプレーを撒き散らしたのである。

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