発達障害者って自動車免許取得どうしてるの?

昨日の記事を書きながらふと「え、発達障害を持ちながら車乗れるの」って驚かれた方ももしかしたらいらっしゃるかな……と思いました。

ということで、本日は免許をどのように取得したかと、自分の免許取得に関する考えを書きます。

↓昨日の記事です📚

発達障害者の自動車免許取得(私の場合)

私の場合ですが、車の免許については障害発覚前に取得致しました。一般的な自動車教習所に通い、再講習を何度か受けていたくらいであとは他の方と同じように卒業致しました。

バイクの免許については、障害発覚後に取得致しましたので、少し普通の取得方法とは二点ほど異なる点がいくつかありました。

①障害者の受け入れ可能な自動車教習所に通った
精神障害の手帳を持ちながらの免許取得になる為、障害者歓迎かつ指導実績が豊富な自動車教習所に通いました。家からは少し離れていたのですが、そちらにお世話になることにしました。

指導表に障害有りと教官だけにわかるサインを記載して頂き、他の方が1対2で教わる中、上手くできない項目に対しては上級項目に移った後も何度も念入りに1対1で教えて頂きました。

卒業試験ではもちろん他の方と同様に、容赦なく厳しい審査が入りましたので、2度落ちました。何度も苦手な項目を繰り返し、3度目はほぼミスなく試験項目をクリアすることができました。

ちなみに最初「スピードを出した後の急停車」的な項目が怖く、毎回ブレーキでパニックになっていました。頭が真っ白な状態で操作がめちゃくちゃになってしまい……何度か繰り返すことでやっと冷静になり、慣れることができました。

ということで時間がかかりましたが、優しくも厳しい教官の皆様のご指導のお陰で、無事教習所を卒業することができました。こちらの教習所には今でも感謝しております。

②免許作成の際に精神科主治医の診断書が必要となる

免許作成の際、主治医の診断書が必要になることが分かり、別途主治医に診断書を作成して頂きました。もちろん診断書の作成は実費です。(私の通院している病院では作成費2500円程です)

③免許作成の際に免許センターで面接の時間が有る
 免許センターでは、申請書のような申請者の名前が書かれた紙が受付かどこかに並んでいたのですが、(うろ覚えですみません……)私だけ付箋が貼られていました。

そして、別で自身の障害について免許センターの方に面接を受ける時間があると言われ、8畳ほどの別室で面接を受けました。

敷居を挟んだ私の隣には統合失調症により免許停止になった方が来ていらっしゃったので、障害を持っている方の面談室だったのかな…と憶測ですが思っております。

そして無事、免許を受け取ることができました。取得した免許には障害者マークなどはなく、一般の方と同じ物です。

余談:一生懸命な姿は人の気持ちを動かす

余談ですが、私には障害者専門自動車教習所で教官をしている親族がいます。

以前威厳のあるお仕事に就かれてばりばり働いていらっしゃった方なので、最初その話を聞いた時驚いたものです。「実際、どのように考えながらお仕事されているんだろうな……」と。

しかし久しぶりにお会いし、その話題になった時「少しずつ生徒の運転が上手くなっていくのが本当に嬉しい」「わざわざ他県から通う生徒もいて、卒業してからも手紙を送ってくれるんだよ」と嬉しそうに話しておりました。

様々な障害を持った方がこられるようですが、どなたもとにかく一生懸命なので教える側もそれに応えるよう指導されているようでした。親族の方が柔らかい笑顔で話されているのが印象的で、心がじんわりしました。

私が障害者であることは家族以外の親族には伏せておりますが、一生懸命な姿は誰かが見ていて、人の気持ちを変えてくれるものだと思い、改めて私も頑張ろうと思わされました。

障害を持ちながらの運転に対して考えること

私が免許取得後運転をした時間は、車、バイク合わせても約10時間くらいではなかったのかと思います。正直自分自身もそれほど運転に対して自信がなかったのです。

車の免許を取得したのは自身の障害がまだ分からなかった時でしたが、実の親から見ても運転が危なく不安に見えるようで、車を運転する時は必ず助手席に乗ってもらい、練習場所も近くの広い公園の駐車場、そして結局あまり運転しない方がいい、と2回程しか車を貸して貰えませんでした。(妹は免許取得後普通に車を貸してもらい運転しています)

バイクの免許を取得したのは障害者手帳を持って数ヶ月後でした。夫をはじめ、身近にバイク乗り友達が増えたことがきっかけでした。

自身が運転に自信も適性もないのを把握した上でしたが、バイクに乗りたい気持ちが上回ってしまい、更にそれが私には数年ぶりの珍しく強い意志で自身でも驚いたこともあり、勢いで二輪免許取得に踏み切りました。

ただ、取得後バイクに乗る時には主治医と夫と乗る条件としていくつか約束をしました。

・コンサータを服用する
・日中の明るい時間帯のみ運転可能
・運転時は夫がすぐ前か後ろで一緒に運転し、ヘルメット付属の通話システムで指示を出す
・雨の日は絶対に乗らない
・気分がすぐれない時は絶対に乗らない
・普段混雑傾向にある道路では運転しない
・交通量の多い時間帯には運転しない
・狭い道は運転しない
・運転時は念入りに周囲の確認を行う
・長時間、長距離の運転はしない

そして、乗る時は必ず以上のことを守るよう心がけました。

主治医も免許更新の診断書を記載する度に「念の為言うけれどまさかの時は一度で幸せが吹っ飛んでしまうからね。君は極力車には乗らない方がいいよ。もしも乗る時は十分気をつけるんだよ。」5回程も話されるほど、運転には基本反対派です。

主治医は私のADHDのうっかり気質や、気分に波があることを把握されている上、すぐ寝てしまう睡眠障害気味の時代も知っているので、もちろん運転を進めません。

私も一般的に障害を持ちながらの運転が一般の方の運転より危険を伴うことを、ネット上で資料を見たり、沢山批判を目にしたりしましたので、痛いほど分かっています。

だからこそ、運転する時は前日から体調を整え、翌日コンサータの反動で体調が落ちることも踏まえてスケジュール調整しておりました。

私にとってバイクに乗っている時間は自分で機械を操り、風を感じながら、普段よりちょっと高い視点で道の真ん中から景色を見ることができる、新鮮でかけがえのない、心踊る時間でした。

運転できる条件が限られているからこそ、最新の注意を払い、その時間を楽しみ味わいました。

結局その後妊娠が分かり免許取得数ヶ月、合計乗車時間数時間でバイクを降り、出産後長期間のブランクを挟んでバイクに乗ることが怖くなり、ついにバイク自体も売ってしまいました。

それでも幸せな時間を過ごせたままバイクを手放せたので、今では立派な身分証明書ですが免許を取得したことに後悔はしておりません。

しかし先でお伝えした教官の親族の話では、障害を持ちながらも周辺の公共交通機関が充実しておらず、生活の為に運転せざるを得なくなりやむを得ず免許を取られるもいらっしゃるようです。

個人的にはいろいろな事情を持つ方がいらっしゃることを踏まえて「障害を持つ方は免許を持つな」ではなく、「自分の特性を把握しつつ、努力を重ねて最新の注意を払いながら安全運転している」当事者もいることを頭の片隅に置いておいて頂けるとありがたいな、と思います。

ということで、長くなりましたが運転免許についてのお話でした。

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