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星の王子さま、禅を語る【読書感想】

禅僧である重松宗育さんの著書「星の王子さま、禅を語る」を読んでみた。


禅の目線を通して物語を読んでいくと、星の王子さまの本質的な部分を更に感じられ、面白い本に出会うことができた。

鏡越しの自分

星の王子さまで1番有名なこの台詞。

いま、ここでぼくは、ほんの外側を見ているだけなんだ。
いちばん大事なものは、目には見えないんだ。
サン=テグジュペリ  
星の王子さま

そして、「星の王子さま、禅を語る」はこの一文からはじまっていく。

ずっと前から気になっていることがあります。
「化粧台の鏡に向かっている女性は、一体、何を見ているのだろうか‥」
重松宗育
星の王子さま、禅を語る

私はこの一文に少しドキっとした。
メイクやスキンケアをする時、「おっ!今日はお肌の調子がいい‥♪」とか、外側の自分を確かめたくて、鏡越しの自分を当たり前のように見ていたから。

鏡にはものの表面が映りますが、決してそれだけではありません。
そこには二つのものが写っている。
目に見える自分の姿と、その後ろにあって目には見えない自分の心との2つです。
重松宗育
星の王子さま、禅を語る


そこで、星の王子さまが言っていた「いちばん大事なものは目に見えない」に繋がっていく。

心がそこに映っていても、「見る目」をもたない限り見えません。
目玉は外側に向いてついているので、あいにく外側のものしか見えない。
心を見るには、心の眼、つまり「心眼」を使わないと見えないのです。
重松宗育
星の王子さま、禅を語る

いちばん大事なもの

外側の自分も大事。
でもいちばん大事なのは、内側の自分。
見ようとしないと、見えない。


忙しいこの世の中では、自分を内観するような時間を意識してもたないと、なかなか難しいのだと思う。
でも、内側を見ようと意識する自分になることは、いつだってできる。
日常生活を送る上で、禅の教えを取り入れていきたいなと思った。

そして、この話以外にも様々な禅の目線で捉える星の王子さまが続いていく。

禅語である「主人公」や「空即是色」など、分かりやすく書かれている。
昔読んだ禅の本をもう一度読み直したくなり、禅を知らない方でも心に響く一冊だと思います。

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