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『CURE (1997)』を初めて観た日。

ずっと観たくて仕方なかった映画。

Netflixで配信されていることを知り、
今日に日付が変わったタイミングで加入した直後に初見。

殺し方はさまざま、
ただその後胸部を"X"の形に切り裂く残忍な手口が特徴の殺人事件が連続で発生。 

「俺さ、あんたの話が聞きたい」

加害者は事件前に皆、
記憶を失った様子で街をさまよう謎の男〈演:萩原聖人〉に出会っており、
男によって殺人を犯すよう催眠をかけられていた。

なんとしても犯人を追い込みたい刑事〈演:役所広司〉と冷静に事件を見守る精神科医〈演:うじきつよし〉、
そして謎の男は一体何者なのかに迫るサスペンス。

視聴後胸の中でぐるぐるぐるぐる疑問が渦巻き、
そのまま眠りについて起床、
この記事を書いている今も同じ状態が続いている。

まるで謎の男に催眠をかけられたかのように、
この作品が頭から離れない。

火、水、風、
本当に事件は終息したのか、
そう思い込まされているだけじゃないのか、
あの突如現れた廃墟は謎の男が作り出したイメージの中に引きずり込まれていたんじゃないか、
刑事が催眠にかからなかった(かのように見えただけの場合もあるかもしれないが)のは
根底に揺るぎない"怒り"があったからなのではないか...

こうやってあれこれ考えを巡らせられる映画、嫌いじゃない、むしろ好き。
作品全体に漂うスモーキーな雰囲気がたまらない。

そして役者陣も魅力的。

謎の男 間宮邦彦を演じた萩原聖人さん。
まるで子どものような語り口、気だるく、故意であるのかそうでないのか分からない振る舞いをする姿がとてもハマっていた。
刑事 高部賢一を演じた役所広司さん。
事件に関わるうちに、どんどん内包していた怒りが露呈して人が変わっていく様にゾクゾクさせられた。
精神科医 佐久間真を演じたうじきつよしさん。
怒りを抑えきれなくなっていく高部をなだめながらも、一方で冷静さを保っていた自身がじわじわと間宮によって侵食され、静かに蝕まれていく様子が印象的だった。

今思うことは、もう一度観たいということ。

やはり一度観ただけでは拾いきれていないものがあるし、また新しい気づきが得られるかもしれない。

リリースされたBlu-ray買っちゃいそう。

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