2023年のエンタメを振り返ろう


今年買って良かったものランキング第1位、高橋一生フィギュア(9,900円)。
来年の3月に発送される。ポーズをどうしようか、何を添えて飾ろうか、ケースにでも入れようかと想像してみるが、一足先にやってきたのは来年がもう2日後に幕を開けるという衝撃の真実だ。正月番組は退屈しないが、ワンパターンなCMに疲れてずっと見ていたことはない。格付けチェックはやる度に自信を無くす。今年もストラディバリウスと格安楽器の聞き分けがつかないのだろう。特番と違いサブスクリプションは途中で広告が入らないから、今年はその種のストレスを感じる人はこちらを多用するのもいいかもしれない。

一週間前にSpotifyを始めた。年会費を賄うために、お世話になったタイムズカーを解約した。乗らなければタダだと思っていたが知らない間に毎月800円くらい維持費で引かれていた。乗ったのは3回ぐらいだったからいい客でいられたと思う。カモではない。さて、毎月定額を払うことでエアロスミス、セックスピストルズ、キングクリムゾンなど漫画の世界でしか知らなかったアーティストに触れられるのは文明の進歩の良い面だろう。スパイスガールズの曲はこちらをとにかく安心させる芸人がイギリスでショーをしたときに流れていて記憶に新しい。邦楽では「織姫」(水曜日のカンパネラ)、「アップルパイ」(aiko)、「Mad Hope - Short」(星野源)、「タイムセール逃してくれ」(サバシスター)あたりをよく聴いている。ラジオ番組のラインナップも豊富で有難いが、権利関係が複雑ならしく曲やジングルはカットされているため、radikoは優位を保っている。ただ、過去回や終了した番組を聴けるのは強みといえるだろう。また、人が作ったプレイリストは面白く、「M-1グランプリ サウンドトラック」なるそれでは、おなじみの入場曲などの元ネタを知ることができる。トイストーリーを見たら笑っちまいそうだ。

さて、今年の映画は『愛にイナズマ』ももちろん良かったが、『シン・仮面ライダー』が自分の中で快作だった。シンシリーズの中では興行収入が伸び悩んだようだが、万人受けしない作風であったためある程度納得はいく。この作品は、「仮面ライダーってそもそも何だ?」という疑問への答えだ。特撮といえば昨今はCGの急激な発展もあり、現役のテレビシリーズに代表されるような煌びやかな変身や武器の印象が強い。しかし本作では冒頭で怪人と戦闘になる際、容赦なく血が噴き出る。劇場で見たときはひっくり返りそうな衝撃を受けた。シン前作の『シン・ウルトラマン』ではそういったリアリティは強調されなかっただけに、世界観に強烈に惹きこまれた。同時に、ヒーローとしてでなく、戦士としてのライダーを描いていくというメッセージを叩きつけ、観客へ映画の方向性を示している。仮面をつけたままで生身の人間に触れる(触れてしまう)シーンはライダーが改造人間であることを再認識させる今までありそうでなかった良いシーンだ。劇中音楽も有名なテーマを踏襲しており、大音量で聴くに値する。設定が少し複雑なので一度では理解が難しいかもしれない。長澤まさみの使い方が世界一豪華な映画。本当に贅沢なシーンなので注目してほしい。

ドラマではこちらも話題になった日曜劇場の『VIVANT』が最高だった。ネタバレ厳禁系の作品のため詳しく書けないのがもどかしい。映像クオリティがドキュメンタリーレベル。大規模なモンゴルロケが行われ、現地の人気俳優をメインキャラクターの一人に据えている。もちろん物語も抜群に面白い。駆け引きがテーマの一つになっている。一話毎に目まぐるしく展開が変わるものの、爽快感に溢れ、視聴者を疲れさせることなく広大な世界観に放り込んでくれる。主演の堺雅人の演技が光る。続編を強く希望する。

あ字数が迫ってきた。漫画は『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』、本はオズワルド伊藤氏の『一旦書かせていただきます』、今年読んだという枠では金原ひとみ氏の『蛇にピアス』が素晴らしかった。全部自信を持ってお勧めできる。

今日はこれで終わり、今年に別れを告げろ宜候!

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