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5.17 米議会でUFO公聴会 半世紀ぶり

 戦争やら何やらで、暫く鳴りを潜めていたかに見えた、UFO/UAP ディスクロージャーが、ようやくまた動き出しそうだ。
昨年6月(まだ1年と経っていない!)にUAPタスクフォースの報告書が公開された当初から、開催を求める声が多数上がっていた議会公聴会が、ついに開かれるという事で、アメリカのUFOコミュニティでは今、この話題で持ち切りとなっている。

下院情報特別委員会テロ対策・防諜・核拡散対策小委員会が、17日東部時間午前10時から、国防総省の「空中物体識別・管理・同期グループ(AOIMSG)」に関する公聴会を公開と非公開で行うのだが、公聴会と言っても議員が色々な人を呼んで公式に意見を聞く場であり、非公開にも出来るようだ。

AOIMSGについては、設置が発表された昨年11月からメディアでも取り上げられているが、当時、上下両院の超党派議員達が審議していた、国防権限法(NDAA)のUAP対策条項を、ペンタゴンが牽制する目的で、わざと感謝祭の休暇時期に発表したのは明らかだった。
結局、NDAAは若干の修正を経て可決、大統領署名されたが、その中で6月までに設置が要求されている「UAP対策室」の条件を、AOIMSGが満たせるのか懸念する声が、最初から上がっていた。

今回の公聴会に呼ばれたのが、現在、AOIMSGの責任者となっている、
情報・安全担当国防次官( USD(I&S) )の、ロナルド・モールトリー氏と、以前のUAPタスクフォースに関わっていたと推測される、スコット・ブレイ海軍情報局次長である事からして、公聴会の主目的は、NDAAの遵守確認と思われる。
というのも、これも新NDAAの規定に従って行われた、ペンタゴンから関係議員へのUAPに関する機密ブリーフィングの内容に対して、NDAAで指導的役割を果たした、カーステン・ギリブランド上院議員(民主党)や、マルコ・ルビオ上院議員(共和党)らが、相次いで大きな不満を表明していたのだ。

また、公聴会について最初に報じたニューヨーク・タイムズなどの詳細記事によれば、アンドレ・カーソン 対テロ・対情報・対核拡散小委員会議長は、「これは公共の関心が高い分野なので、過度の秘密主義は謎を解く障害となり得るし、潜在的な脆弱性に対する解決策を見つける妨げにもなり得ます。
この公聴会は、軍のパイロットや民間人のパイロットによる報告を取り巻くスティグマ(汚名)を減らすため、国防総省が講じることが出来る措置を検討するものです。
アメリカ国民は、政府と情報機関のリーダーが、国家安全保障上の潜在的なリスク、特に我々が十分に理解していないリスクを真剣に評価し対応することを期待し、それを得るに値します。」
と言い、アダム・シフ 下院情報特別委員会委員長は、
「UAPについて、そしてそれらが我々の国家安全保障にもたらすかもしれない潜在的リスクについて、まだ学ぶ事が沢山あります。
アメリカ国民は完全な透明性を得るべきであり、連邦政府と情報機関コミュニティは、UAPの報告を文脈を理解し分析する上で重要な役割を担っています。
公聴会の目的は、現代における最大の謎の一つについて、情報機関コミュニティの専門家やリーダーから直接話を聞く機会を国民に与え、真実と透明性によって過剰な秘密主義と憶測の連鎖を断つ事です。」と述べている。

中間選挙まであと半年と迫ってきたので、このままでは自分達の再選が心もとないと考えての人気取りだと穿った見方も出来るが、この世界的な緊張状態の中、今も自国の領空を毎日のように好き勝手飛び回っているUAPに対して、巨大な予算を食う米軍が何も出来ていないという事実は、まともな政治家なら我慢ならないに違いない。
元UAP捜査官のルイス・エリゾンド氏は先月のインタビューで、議員達が、「高解像度のビデオや、非常に繊細なプラットフォームから撮影された写真を、毎週のように受け取っているのは事実です。
今週もまた、2つの異なる作戦域から、非常に興味深い事件が発生したという情報が入ってきています。」と述べている。
それはまた、UAPが口シアや中国のドローンだという説を強く否定しているのではないだろうか。(日本のメディアでは、いまだにそんな見方を言う事が多い。)
仮にアメリカ国内の秘密兵器開発だったとしても、こんな時期に一般兵士に危険が及ぶ(目撃者の健康被害が多数報告されている)テスト飛行をしたりはしないと思うが、ならば一体、何処から飛んで来るというのか。
地球外だろうが地球内部だろうが、異次元だろろうが未来からだろうが、我々の知らない高度文明が何処かに存在すると考えるしかないのではないか?
公聴会を開いても、まだそこまでは分からないか、分かっていても公表しないだろうけれど、それはそれとして軍がUFO/UAP問題をスルーしてよいはずがない。
アメリカの議員達には、しっかりと監視して貰いたいところだ。

半世紀前のUFO公聴会 - あの元大統領も求めていた。

 ところで、半世紀ぶりの公聴会ということだが、その昔の公聴会とは、
1966年4月5日と、1968年7月29日に開かれた。
1回目は、下院軍事委員会が開いたもので、証言者は、
 ハロルド・ブラウン空軍長官
 アレン・ハイネック博士(空軍科学顧問)
 ヘクター・キンタニーラ少将(プロジェクト・ブルーブック・チーフ)
だったと記録されている。
 "April 5 1966 House Armed Services Committee" (pdf)
この中で、ブラウン空軍長官は、「過去18年間の未確認飛行物体に関する調査では、国家安全保障に対する脅威や、未確認飛行物体が現在の科学的知識を超えた発展や原理を表しているという証拠、あるいは地球外の乗り物の証拠は見つかっていませんが、空軍は今後もオープンな気持ちで、こうした現象を調査していく予定です。」と証言している。

2回目は、下院科学・宇宙航空学委員会が開き、ハイネック博士の他、
カール・セーガン博士ら当時の著名科学者が呼ばれて証言した。
UFOに関する研究の継続を訴えた人もいた(ハイネック博士か)とされるが、有名なコンドン委員会のメンバーも含まれており、結局、プロジェクト・ブルーブックは翌年閉鎖されてしまった。

最初の公聴会だが、1966年3月に大勢のミシガン州住民がUFOを目撃した、有名なヒルズデイル事件の調査を求められたハイネック博士が、いまだに悪名高い「沼地のガス」と説明した事から批判を浴び、公聴会の開催を求める声が高まったと言われているが、当時も議員達の努力により開かれたようだ。
同年3月25日に、当時下院少数党院内総務だった共和党フォード議員(ミシガン州)が出したNEWS RELEASEには、当該事件をはじめ、当時ミシガンその他の州で相次いだ「未確認飛行物体の目撃報告ラッシュ」に応えて、
「アメリカ国民がUFOの話に警鐘を鳴らしつつあるため、議会による調査は価値があると思う。空軍の調査官が何年もこのような報告について調べてきたが、決定的なものは何も出てこなかった。
このような新しい目撃例や事件を考慮すると、議会の委員会が多くの公聴会を開催し、行政府の責任ある証人やこれらの物体を目撃したという証人を呼び出すのは、非常に健全なことだろう。一部の人が主張するこれらの事件について本格的な調査が行われれば、アメリカ国民は安心するのではないでしょうか。」と書かれているのだが、フォード議員とはそう、のちにあのウォーターゲート事件により大統領になった、ジェラルド・R・フォード元大統領である。
フォード大統領図書館サイトのライブラリーには、そのペーパーを記録した、"UFO, 1966"というpdfファイルが保存されている。
(Box D9 - Press Releases - Subject の中)
さらにフォード氏は、二つの下院委員会に宛てた書簡で、「私は米国民が、空軍が今日までしてきた以上の徹底的な説明を受ける権利があると信じている。」と書いていて、初めてUFO公聴会を求めたケースだと言われている。
今も昔も、アメリカ国民のUFOへの並々ならぬ関心を無視して、議員は務まらないという事かもしれない。
果たして大統領になってからのフォード氏は、UFO情報の真相を知ったのだろうか。同じ問題に関心の深かった、カーター次期大統領に選挙で敗れたのは、皮肉と言えるのかもしれない。

ブラジルでも

先月、実はブラジルでもいま同様の取組みが行われていると報告じられた。

上院議員8名の呼びかけで、アーノルド事件の記念日である6月24日前後に、UAPに関する特別セッションを予定しているという。
その中で、1954年にリオデジャネイロで開かれた、空軍大尉によるUFO証言により、ブラジルが世界で最初にUFOの存在を認めたと主張している。

後に続きそうな国は他にあるだろうか。メキシコなど中南米諸国は、昔からUFO問題にオープンなので期待できそうだ。
口シアや中国は、公開はせずとも国としてしっかり研究している事は以前書いたし間違いない。
一方、UFO質問をよくされていた猪木議員が引退されてしまった日本政界は、この問題でも世界から取り残されてしまうのだろうか。

公聴会の結果については後日纏めるつもりですが、
取り合えず拙ブログに速報を載せます。

以上、私の記事を初めて読まれた方は、マガジンの過去記事も参照してください。

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