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ブンの死⑥
八月十三日 _花の香

火葬の朝、犬を横たえた箱をあけ、おはようと声をかけた。

ぎっしりと満たした花々の匂いがいっそう強く香ってくるが、亡骸はもう冷たく硬い。匂いもない。ああ、ブンの匂いがしない。新陳代謝の匂いがしない。

私はようやく、この犬の死を理解し、受け入れる。

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