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【読んだ本08】スフィアの死天使ー天久鷹央の事件カルテー知念実希人

読んだ感想

やはりこのシリーズはハマりそうな気がする。というよりも既にはまってしまっている。メディカルミステリーは非常に面白い。主人公のキャラクターもそうだが、トリックもヒントは散りばめられているが、知識がない為、解き明かせないジレンマが先へ先へと読み進める原動力になっている。鷹央がアスペルガー症候群であることは、なんとなく予想できたが、部下である小鳥遊が全く気がつかないのは医師としてどうなのかと思う。鷹央は、超人的な能力がありながら、自分のできることとできないことがあまりにもはっきりしているため自分でも悩んでいるのがわかる。自分にできることはなんなのかを考えて、統括診断部を作り病院に貢献しようとしていることは魅了的だった。表紙のビジュアルがイメージに残っているためかなりマイルドになっているが、実際にこのような人がいたらそれはそれは生きづらいと思う。能力はあっても医師として病院で勤務することは難しいのだろう。現実に当てはめて考えてみれば、東大理科三類に合格して、人と比べて非常に頭がいいけれども、人の感情や大多数の気持ちがわからないアスペルガー症候群という世間では認められにくい立場なのだろう。

前のシリーズから読み進めた方がいいのかもしれないが、この本から読んでも、楽しんで読むことができた。一人ひとりのキャラクターが非常に個性的で、医師や刑事が非常にコミカルに描かれれているのが、惹きつける証拠なのかもしれない。

新興宗教と薬物を組み合わせることで、人工的な神秘体験を味合わせることは、かつてオウム真理教でも行われていたと言われているので、なんとなく予想できた部分もあったが、何から薬物ができてきるのかまでは全く予想できなかった。医学の知識のある著者だからこそのトリックなのだろうとは思ったが、さすがの一言に尽きる。

宇宙人がいるならあってみたい。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。他のシリーズも紹介してますので、よろしければどうぞ。


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